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更新履歴:2026/09/15 第五章〜後書きを公開
 

第五章:今度こそフルレストア! レストア奮闘記完結編

レストア後の走り〜番外編・シート交換

2023/11/30  本当に月日の流れは早いもので再車検から一年が経過した。目標の1年3000km走行は大きなトラブルは一度もなくギリギリ(3030km)達成できた。  しかし、製造から35年経過のオールドカーなので、細かな不具合は幾つか見受けられる。 1:インテークマニフォールドの冷却水配管から僅かな水漏れがある(画像参照)。  対策:中古品を入手したので交換予定だったが、配管や部品が邪魔して難しい場所だったのを何とかリフトで持ち上げ、アールズコネクターの締め付けに成功、水漏れはストップした。 2:ミッションオイルからのオイル漏れ。  走行後の翌日以降、車両下側に僅かなオイルが垂れて滲んでいる。  対策:最初はリンケージ部分かなと思っていたが、どうもミッションケース下側付近らしいので洗浄して液体パッキンを塗布してみた。オイル漏れは漏れる箇所さえ分かれば対策が打てる。次の日もリフトアップして観察したら、どうもインマニ取り付け部付近から漏れているようだ。最初はタペットカバーのパッキンを疑ったが、どうもヘッドガスケットからと思われる。洗浄スプレーで綺麗にして液状ガスケットを塗布してみた。30kmほど走行した翌日にリフトアップして確認するとオイル漏れは止まっているようだ。 3:左ドアを開けた際にストッパーが効かなくて勝手に閉じてくる。  純正品は購入できないのと、右ドアはR34用で改造して直ったため同じように治そうとしたが、誤って右ドア用を購入してしまった。見た目は違いが分からないため同じように改造して取り付けたところ、何だかぎこちない。その内に固着してドアが閉まらなくなり元の純製品に戻す。 4:走行中に風切り音のような「ヒューヒュー」という異音が出たり出なかったりしていたため、アンテナを収納したりキャンバストップ両側隙間に隙間クッションを貼り付けたりしたが、完治しないまま諦めていた。  気が付くといつの間にか出なくなっていた。従って原因は不明だが、キャンバストップの開閉を繰り返す内に収まりが自然と改善されたのかもしれない。 5:低速ギヤ使用中のアクセル微調整中のギクシャクは、排気管にパワーバンドを装着したりパワーメタルを装着したり更に追加、移動するなどして追求した結果、ほぼ完治。レスポンスも軽く滑らかで気持ち良い走りを手に入れた。
2023/12/15  再車検から1年間を大きなトラブルもなく無事に乗り切ったが、製造からはすでに35年が経過している。1年間が経過したため法定点検に該当するためエンジンオイル交換、リフトアップして各部の増し締め、空気圧点検補充など入念な点検整備を実施した。  自宅車庫は夏季に内部が高温になるため、会社のガレージ内に保管していて、旧工場に行く用事で使用するため1回の走行が30〜35km走行が多い。自動車はオイル潤滑が重要となるため理想的には1週間に1回はエンジン始動して走行した方が理想的。屋外放置はブレーキローターの錆やキャンバストップの汚れ&劣化など、旧車には避けたい所である。  前回解説したように、インマニのキャブレターに繋がるアールズホースのコネクターを何とか増し締めできたため、水漏れは完治。気になるミッション下側のオイル漏れも次第に原因が特定でき対策が実を結びつつある。一年点検に合わせて本腰を入れて対策した。気になる2箇所が完治すれば遠乗りも安心でき、走っていても楽しい。  ミッション&デフケースにPTブロックを合計3個装着してみた。一番の狙いはギヤの入りの改善であるが、大きな違いは体感できていない。どこかでMVS少しの追加施工で効いてくることに期待しよう。  上記2点の修理を業者に依頼すれば、走行テスト実施、1日〜2日保管、漏れる箇所探り、対策実施、走行テスト実施、1日〜2日保管、漏れが無いか確認と多大な時間を必要とするため工賃は高額となってしまう。幾つかのトラブルが続くと車を手放す原因となってしまう。 幸いなことに会社のリフトが使用できるため、時間を掛けて上記方法を実施できた。同時に排気系のMVS施工についてもパワーバンドの追加やメッシュ追加などこまめに実施した。 結果、最大の欠点であったアクセル踏み込み時に発生するギクシャク、大きなショックを次第に低減出来ると共に、軽やかな加速と高回転までの伸び、守備範囲拡大(4速で30km/hから加速可能)による運転のしやすさを手に入れた。勿論、ブレーキもバッチリと効き、コーナーも安定して走行できるため古い車とは思えない。
2023/12/31  2021年8月頃、コロナが流行して何処にも行けない状況が訪れたため、16年間の長きに渡って自宅車庫に保管していた日産パオをフルレストアすることを決意した。頻繁に会社を訪れ弟のように思える顧客のM君から「パオ復活しましょうよ」と背中を押され重い腰を上げたが、結果的に大正解だった。  実際にレストアを開始すると多くの必要部品が新品で購入できることに驚いた。しかし、その新品部品もレストア中にどんどん廃盤になっていったり、同じ部品を購入したら倍の金額に値上げされていたりと遅れていたら大変だった。  幸いだった事は、パオ、フィガロなどの専門店が数店あるため新品で手に入らないキャンバストップ(布のみ)やマフラー&排気管、三角窓のゴム、ヒーターコア(金属製)、アクセル、クラッチワイヤーなどを購入できた。  キャブレターも茅ヶ崎にあるキャブレター専門OH会社に依頼して2ヶ月間ほどで新品同様になって帰ってきた。加工屋さんも、これらの専門店も次々と閉店してゆくため非常に助かった。  交換部品について難しい話をすると、ヤフオクなどで中古部品を購入して再利用できる部品と、出来れば新品が好ましいという部品に分かれる。  例えば燃料ポンプ、燃料ゲージ、ヘッドライト、ウォーターポンプ、ラジエター、エンジン&ミッション・マウンティング、各種ゴム製品などは新品がベスト。中古品で済む部品はテールランプ、ボンネット、バンパー、フェンダーなどの主に外装&内装部品。  そんな新品購入できた部品も次々と販売終了となっていて、2023年12月中旬に、この記事を書いている時点で、在庫切れとなり購入出来ない部品が大幅に増えてきた。今後の長期間の使用を考慮して、燃料ポンプ、燃料ゲージ、ガスケット類などは予備部品として購入済である。  走りを楽しんでいるが、最初の頃は長距離は故障が怖い。それでも芦ノ湖スカイライン、江ノ島、熱海とドライブを楽しめた。パオのカタログ燃費は10・15モードで、MTは18.4km/l、A Tは14.4km/lだが、実質燃費はMTで16km/l前後ATは、12km/l前後である。私のパオも2800km走行の平均燃費は15、4km/l、少し低い理由は会社の工場に保管中のため、オイル交換作業が行われる度に屋外に出し入れするのが要因で、普通は16.5km/lほど走る。  走るほどに(約3000km)、エストレモオイルのメタルリペア作用により約10万km+16年間保管のエンジン&ミッション内部のダメージが修復され、MVS施工も効果的な装着方法が分かってきて「走りの性能+燃費向上」が僅かずつだが向上している。今後もほんの僅かずつ向上してゆくと思われる。  エンジン内部やミッション内部で絶えず回転している部品はオイル潤滑により保護されているが、オイル性能で摩耗損傷具合は大きく異なってくる。ところが内部は分解しないと分からないため、どうしても安い潤滑油をチョイスしがちである。少しでも長く乗る予定の方や、貴重な車の場合には弊社オイルを宣伝抜きに推奨する。  熱烈なエストレモ愛用者様のキロ数を尋ねると「24万km」「32万km」「43万km」、中には「50万km」少ない方でも「16万km」という答えが返ってくる。パオ号は10万kmなので、まだまだ走りを楽しめる。  最低でも1ヶ月に1回は会社を訪れるアタック愛用者様にパオ号を試乗していただいた。以前にも一度試乗して頂た際のコメントは「暫く、このままで乗っていてもいいんじゃない」だった。再車検から一年後の試乗では「もう古い車の走りではないね。走りにシートが負けている。レカロに変えたら楽しいね。タイヤももう少しグリップのあるタイヤに交換したいね」だった。外観からは全高が高くレトロな雰囲気のパオ号だが、そう言われると嬉しい。ノーマルシートは座面も背中部分も平面でサポート性が悪い。「レカロが相応しい」の一言がパオ号の性能を言い表している。  この方は、N社の軽四輪ターボ車に乗っているが「乗り心地はパオの方が良い。ボディ剛性が高いね。フロントがクイックに曲がる」と絶賛して頂いた。助手席に乗っていて、ほんの少しギクッ(シャクは解消)と感じる場面があったので排気系の抜けをこれからも改善してゆく。試乗時点の完成度は95点と付けられる。ほんの少しのギクッが解消されたら100点。走りは当時の純正との比較(感覚的に)では120点の高得点が付けられる。  レカロ用のシートレールも販売されていることを確認したため、今後は5万円前後の中古レカロを購入して運転席だけでも装着(理想は助手席側も)したい。タイヤは現在のタイヤが交換時期に来たら扁平率の高いスポーツ系タイヤに交換する予定である。
2024/1/15 【パオ号レストア奮闘記・番外編】  ご存知のように前回、レカロシート交換検討をお知らせしたところ、アタックファンの方からインテグラ純正品・運転席を譲りたいと話があり、早くも6日の土曜日に会社に持ち込まれた。  運転席純正シートはすでに取り外しておいたのでドキドキしながら指定位置付近に置いてみる。1番の問題点は、背当て部分の左右に張り出した部分が干渉しないで上手く収まるかどうかである。  最初はドアに干渉したが、スポンジを当てて少し持ち上げてみたら、丁度ガラス下部付近に収まりそうである。ちなみに、シートレールがまだ無い状態なので確定ではない。ここから分かったのは、シートレールとシートの間に厚いスペーサーを噛ませシート位置を高くするほど余裕寸法が生まれる。  下側にクッションを入れて仮位置で着座してみたら完全にスポーツカーの雰囲気で最高だ。残念ながらパオのステアリングにはチルト機構が無いため、着座位置が低いとハンドル位置が高過ぎる。この点からも、出来るだけ着座位置が高くなるように厚いスペーサーをかまして嵩上げするのが恐らくベストポジションだと分かってきた。  パオ運転席のシートレールはヤフオクで保安基準適合品を16170円(送料込)で購入。ダブルストッパーでガタ付きが少ないタイプ。レカロのSR1〜5、Lタイプに適合するタイプ。横方向取り付け寸法は405mm、縦寸法は230/260mmの2箇所で合計6箇所の取り付け位置、ボルトサイズは6mmである。但し、ローポジションタイプと謳っているためスペーサーは必需品と言える。  レールは注文生産品のため、納期は1週間から10日ほど掛かる。問題は車検時に、すんなり受かるかどうかである。レカロシートがメーカー純正品でレールも保安基準適合品なので受かる確率は高まるが、基準が複雑なので車検前に車を持ち込んで確認すれば一件落着となる。  今月中旬過ぎにはレールも届くため、きちんと装着して人生初めてのレカロシートでのパオの走りを満喫したい!!
2024/1/31 【パオ号レストア奮闘記・番外編】  前回紹介したレカロシートはそれなりの劣化が見られる。一応、綺麗にすべく努力してみたが材質的に難しく、綺麗にするためには張替えを必要とし高額な出費となってしまう。使用する分には少々の劣化は仕方ない所ではあるが、何か良い方法はないか探ってみた。  シートレールの到着は正月明けの注文だったため時間が掛かる。ネット検索していると中古品の背当てと座面のカバーが目に留まった。画像では分かり難いが青色が散りばめられている。新品だと高価だが13000円(送料1020円)ほどで落札できた。張り替えたシートの配色が白目のアイボリーと明るいブルーのため、ドライバーシートのみ真っ黒だとどう見ても色バランスが悪い。ブルーが少し入ることで印象が全然違う。また座った際にチョッピリと座面がソフトに感じて気持ち良く座り心地も良い。  装着は、画像にある青色部分を隙間に押し込むだけで装着できる。本来は水色部分にプラスチックが仕込まれているらしいが、中古品のため布だけだったものの問題なく押し込めた。これで雰囲気がガラッと変わった。中古品の割には綺麗な品物で新品と言われても分からないほど。  レールが届くまでの時間はたっぷりあるため、シート嵩上げの座金をホームセンターで購入。座金2枚+8mmナット+ワッシャをボンドで接着、厚みは16mmと厚目で準備した。接着することで取り付けが容易になる。取り付けボルトは6mmサイズで長さは30mmの物を用意した。これで一度装着して座ってみて、試してから微調整する。一発で決まるのは奇跡的なので、さてどうなるか?  厚めのクッションを下に敷いて、シートを置いて座った感じでは悪い感触では無かったので、上手くゆくことを願っている。
2024/2/15 【パオ号レストア奮闘記・番外編】  注文したシートレールが1月20日に届いた。早速取り付けを開始する。まず、ボディ側取り付け穴4箇所に適合するか純正シート取り外してから確認する。慌ててシートに取り付けて合わないと返品も大変だ。  問題ないため、シートを逆さまに置いてシートにシートレールを取り付ける。自作したスペーサーは接着ボンドで貼り合わせているため、取り付けはさほど難しくない。シートフロント側は2箇所の取り付け穴があるが、フロント側1箇所、リア側1箇所、左右合計4箇所の取り付けとする。取り付けボルトは6ミリサイズ×長さ30ミリを使用。  保安基準適合レールのため、板厚が厚く、それなりの重量がある。シートに装着すると、それなりに重い。 さてどうなるか期待しながら室内に入れる。意外と高さがあるため、レールでステップ部分に1cmほどの擦り傷を2箇所付けてしまった。やっぱり養生してから作業すべきと悔やんでも後の祭りである。  取り付けボルトを4箇所入れて、締め込む前にシートに座ってみる。少しだけペダルに対して右側に位置するが、高さ的にはバッチリだ。純正シートよりも、ほんの少し下った感じだが・・・ 1:メーターの視認性OK 2:アクセル、ブレーキ、クラッチペダル 操作具合OK 3:ハンドル位置は若干高いがOK 4:背当て凸部分とドアとの干渉ギリチョンでOK  早速試乗してみるが「シートを交換しただけで車の運転がこんなにも変わるのか」と言うほど変化した。軽量コンパクト・小排気量・5速MTなのでレトロな背高ボディを忘れてコーナーを攻められる。  シート位置がペダルに対して少し右寄りで、ドア内張にほんの少しシートが当たるため、ボディ取り付け穴を長穴加工して10〜13ミリほどシートを中央寄りに寄せる修正を行えば完璧だ。但し、シートレールの肉厚が3ミリ程と厚いのもありリューターで加工する作業が大変だ。
 

日本一速いパオを目指して

2025/1/1  愛車パオ号も今年の2月で35周年を迎えます。車検取得から早くも2年以上経過しました。快調に楽しんできましたが、何分にも古い車ゆえ、幾つかの問題点を抱え調整や分解整備などしてきましたので、 【日本一速いパオを目指して】 という題で、1月15日から月1回の連載を再開いたします。興味のある方に見て頂けましたら嬉しいです。
2024 5/31〜7月 「ヘッドガスケット交換準備」  再車検に向けてフルレストアを行ったために大きなトラブルは起きなかったが、実際に道路を走っていないため細かなトラブルは発生した。この現象と対策は第4章で詳しく解説した。  車検取得後、パオに乗る機会は新工場と旧工場の往復が主であるが、最短路を走ると片道2kmしかないため遠回りすると往復20kmほどと長くなる。遠乗りは江ノ島と箱根芦ノ湖など数回しかない。遠乗りでもフルレストアのため故障の不安感は少なく走りを楽しめた。走行距離は1年間で2400kmと少ない。  月日の流れは早いもので、再車検取得から1年半が経過した。  普通であれば走行距離も少なく何の問題も無さそうだが、実は大きなトラブルを二つも抱えていた。 1:ヘッドガスケットからのオイル漏れ 2:インマニのアールズホース接続部からの冷却水漏れ  ネットで検索すると。ヘッドガスケットからのオイル漏れはパオのウィークポイントで、燃料ポンプと並んで多発しているようだ。30年以上経過した古い車ゆえ仕方がない。最初はミッションからのオイル漏れを疑ったが、インマニ側中央付近から下に漏れている。  ヘッドガスケット交換は大仕事なので、ヘッドを降ろしてからヘッドOHを行うと工場のオイル交換作業に支障をきたしてしまう。そこで先にヤフオクで中古ヘッドを入手した。  MT用はまず出てこない。出ても走行距離は20万kmオーバーの品物となる。違いはないので、AT用10万km前後のシリンダーヘッドを手に入れた。  バルブ取り外しは専用工具なしで行う。燃焼室内側にウエスを詰め込みバルブスプリング頭部のリテーナーにプラグレンチを当てがい、ハンマーで強く叩く。するとコッタが外れる。強く数回叩くのがコツとなる。  出来ればバルブを新品に交換したいと思ったが、残念ながら、すでに廃盤となっていた。ネット検索するとバルブ製造工場から修理工場が購入していることを発見、連絡してみると在庫があるそうで無事に購入出来た。  バルブシート部分は目で見た限りではそれほど磨耗していないが、シートカッターもあるので軽く修正、ついでにカーボンを落としながら軽くポート研磨を実施した。  組み立てはバルブオイルシールを新品打ち込み、ここで少し裏技でチューニングする。東名自動車から出ているバルブスプリングシート(RB20用)0.5mmを購入して純正シートと組み合わせることで、若干だが強化バルブスプリングに近づく。  購入したシリンダーヘッドはスラッジが大量に付着しているため、除去するのに手間暇が掛かった。  バルブスプリングを組み込むには、専用工具のバルブスプリングコンプレッサーを必要とするが、どこを探しても見当たらないため隣のショップから借りて実施した。ヘッドさえ準備できればヘッドガスケット交換も楽に行える。  カムシャフトがAT用とMT用では作用角など異なる可能性も考えられるため迷ったが、そのままAT用を使用することにした。
2024年8月 「ヘッド&インマニ予備部品準備」  エキマニのアールズコネクター接続部からの冷却水漏れ対策として、インマニも中古品を入手し、事前に水漏れ対策を実施した。  鉄製のメクラ蓋部分の凹みにボンド充填、キャブレターとインマニの間に入るスペーサー(冷却水が来る)とパイプを新品購入。勿論、ガスケットも用意した。  どんな整備でも初めての整備と2回目ではコツが掴めてくる。キャブレター取り付けボルト4本も下側から長いボルトで固定しているため、最初はリフトアップまたはジャッキアップしてから行う作業と思った。慣れればそのままの状態で(エアークリーナー本体を外し、冷却水を抜いてから)左右から何とか4本のボルトを緩めることが出来る。  インテークマニフォールドの脱着も同様で、キャブレターを取り外さないと上側中央の2個のナットを緩めることは出来ない。上側4箇所、下側2箇所の合計6箇所の8mmナットを緩めるとインマニを取り外せる。  一番大変なのはインマニを取り外した際、ヘッド側に貼り付いて残っているガスケットを綺麗に剥がす作業となる。ガスケット剥がし工具が無いと難しい。時間が掛かっても少しづつ剥がすしかない。  用意したインマニを再生整備したシリンダーヘッドに取り付け、キャブレターも先に取り付けておき2人作業でポンと乗せれば作業が簡単になると、この方法を選択した。幸いなことにヘッドガスケットの位置決めは両端のヘッドボルト穴にガイドが設けられているため位置ズレしないため大丈夫と判断した。
2024 9/15 ・ヘッドガスケット交換手順――その1  水漏れやオイル漏れが見つかれば車検で受からない。ヘッドガスケットからのオイル漏れは液状ガスケットを塗布することで治っていた。アールズコネクターからの冷却水漏れも、走行後に小さなモンキーレンチで増し締めを行いほとんど治っていた。迷いに迷ったが思い切って車検前にヘッドガスケット交換、同時にシリンダーヘッド&インマニ交換を行うことを決断する。  工場のリフトを利用する点とヘッド脱着する際に2人作業のため、青木氏と日程を調整、9月17日に実施することにした。ちなみに車検は23日に予約済み。  難しい箇所は、右側エンジンマウント・ブラケット取り付けボルト3本の取り外し及び取り付けである。勿論、慣れていないと、タイミングベルトを規定位置にはめ込みテンショナーでベルトを張る重要な作業も難しい。1山ずれればバルブとピストンが干渉してエンジンが壊れる恐れもあるし、調子良く走らない。  クランクプーリーボルトは緩めず、下側カバーは脱着しないで上側カバーのみを外し、テンショナー固定ボルトを緩めておいてエンジンを少し回転方向と反対側に回してからテンショナー固定ボルトを締め付ける。これでベルトに遊びが出来るため脱着しやすくなる。要領が掴めないと苦労する点だ。  恐れていたように右側エンジンマウント取り付けボルトの取り外しに苦労した。ここはタイミングベルト交換作業でも必ず脱着する所であるが、何度行っても厄介な作業である。「2度とやりたくない」と叫びたくなる。  排気管接続部のナット2個を緩めて、真っ先にエキマニを取り外す。燃料ポンプはホースを外さないまま取り付けナット2個を緩めて取り外す。デスビも1個のナットを緩めて取り外しておく。次にエンジンマウントとベルトさえ外れれば、ヘッドボルトを規定順序で緩めて外すと、シリンダーヘッドはあっけなく取り外せる。
2024 9/17 ・ヘッド&インマニ交換手順――その2  シリンダーヘッドを取り外したらピストン頭部に付着したカーボンを根気良く落として綺麗にしてゆく。取り外したシリンダーヘッドの燃焼室を観察すると、ある程度のオイル上がりが確認できる。勿論、オイル下がりでも同様に汚れるが、その場合はバルブガイドが磨耗してガタが出てオイルシールが破損した場合である。  ここで重要な点はシリンダーブロック上面を綺麗にする作業である。下手にペーパー掛けすれば水漏れオイル漏れのトラブルを引き起こす。一番良い方法は、オイル砥石の大きいサイズを購入して歪みと汚れを取る方法である。同様にシリンダーヘッド下面側も綺麗にする必要があり、完璧を目指すなら下面修正面研が理想的と言えるが、今回はパスした。  修正後、ブレーキクリーナー等で脱脂してから、ヘッドガスケットを乗せて、いよいよヘッド&インマニを2人で持ってポンと乗せる。ガイドにきちんと収まれば一安心。事前に交換用ヘッド&インマニを用意したお陰でスムーズに作業は進むはずだった。  実際の作業では・・・  ヘッドボルト締め付けは少し複雑で、 1:3kgで順序通り締め付ける 2:次に6kgで順序通り締め付ける 3:順序通り全部を緩める 4:再度、3kgで順序通り締める 5:再度、6kgで順序通り締め付ける 上記のような少し複雑な手順を踏む。  ここまでは良かった。問題は確認のため順序通りではなく、端から漏れなく6kgで締め付け確認時に発生した。  トルクレンチは既定トルクで締まると「コチン」と音が出るタイプなのだが、音が出ないで少し増し締め気味になった。原因はトルクレンチの故障だと後から分かったが後の祭り、暑い中(37℃)最初からやり直す気力は無くなっていた。  大変な作業はもう1箇所あり、アクセルワイヤーをキャブレター作動部に差し込む作業、アクセル部を片手で全開にした状態で片手でアクセルワイヤーを差し込む。リターンスプリング力が強力なため入れるのに苦労した。インマニだけを先に取り付けておいて後からキャブレターを付ける段取りにして、キャブレターに先にワイヤーを付けてから後付けする選択肢もある。
2024 9/22 ・ヘッド&インマニ交換手順――その3  ヘッド&インマニ取り付けが終われば難関のタイミングベルト取り付けであるが、先に燃料ポンプとデスビ本体のみを組み込む。2年近く経過しているためついでに燃料フィルターも交換した。ガソリンタンクから来た細かな錆がそれなりに溜まっていた。  タイミングカバー下側とクランクプーリーは外していないため、まずクランクプーリーの上支点マークを合わせる。次にデズビローター軸の凸部が合致し、ローター先端が1番気筒のキャップ側プラグコード位置に合うことを確認。後、重要なのはカムシャフトプーリーに打ってある合わせマークがヘッド側合わせマークと合致していることを確認する。  これでカムシャフト位置、クランクシャフト位置が1番上支点で合致したことを示している。ここでタイミングベルトを差し込む。テンショナーをベルトを張らない方向に寄せて固定しているため、それほど苦労しないではまる。ベルトが嵌ったらテンショナー固定ベルトを緩めクランクシャフトを左回転側に(通常の右回転と逆方向)回すとテンショナーがベルトを押し付けるので、左回転側に力を入れたままの状態でテンショナー固定ボルトを締めつける。  この作業は重要なので、テンショナー固定ボルトを締め付けた後で、クランクシャフトを右回転方向に2〜3回転以上回してから他イニングベルトの張り調整がきちんと出来ているかを確認する。OKであれば上側のタイミングベルトカバーを取り付ける。  次にエンジンマウントブラケット取り付けとなるが、暑さも加わって指が攣って取り付けに苦労した。「もう2度とやりたくない作業だ」。ここさえ終わればエキマニ取り付け、冷却水に木取りのラジエタホースを取り付け、LLCをラジエターに入れれば、いよいよエンジン始動である。
2024 9/27 〈ヘッドガスケット&ヘッド交換〉  期待に胸を膨らませ、待望のエンジン始動である。  最初は燃料フィルターを交換したため、簡単にはエンジンは目覚めない。  やっと始動したと思ったら凄い轟音が響き渡りビックリした。言い訳がましく言うと、気温37度超えの中での作業でチョンボを犯した。原因はエキマニのガスケットを組み間違いしたための排気漏れだった。エキマニ取り付けガスケットは1〜2番と3〜4番側と2枚に分かれていて、形状が異なる。  この1〜2番側ガスケットを裏表逆に組み込んでしまったミスである。EGR、排気ガスがヘッド側に通る通路があり、その穴が逆組のため塞がれていなくて大気開放となってしまった。原因さえ分かれば、エキマニを取り外しガスケットを交換(再使用不可)するだけだが、部品代4500円がアッというまに無駄になった。それでも部品の在庫がある有り難みを噛み締めた。  エキマニガスケットも交換して、快調にエンジンは回ると期待していたが、結果は裏切られた。排気管から真っ黒な煤のような黒煙と多量の真っ黒な水がドバッと出てきた。エンジンもヘッド交換前の軽やかでリズミカルな排気音ではなく、重く籠ったような音と、時たま「ボソ」と排気音が乱れる。  これで調子が出ると思いきや、やけに調子が悪く排気管からは凄い黒い煤が出てきた。「?」何か組み間違い?と原因を探してゆく。  やがて原因を突き止めた。これもチョンボと言える。腕が落ちたものだと内心ではガッカリ。しかし原因さえ掴めれば対策は出来る。それは電子制御キャブレターの2つの配線コネクターの内、右側にある大きなコネクターの接続が不完全だった。防水ゴムが外れて邪魔をしたため完全に差し込まれていなかった。  これで走行できる状態になったが、まだ何かが正常でない感じ。時たま「ボソ」と排気音が乱れるのと、始動直後に大量の黒い水が排気管から噴き出してくる。もしかしたらヘッドガスケット部分から燃焼室に冷却水が漏れ出しているのか?と疑ってみる。でも冷却水の低下は見られない。原因が分からなければ修理も出来ない。
2024/10/16 〈ヘッドガスケット&ヘッド交換後-その1〉  問題点はあるものの、暖気が済めば普通に走れる状態になったため、走りながら原因究明することにする。  走行時は漏れなく、20〜30km走行した。  翌日に車両下側を見ると、冷却水が漏れている……という状況である。最初は、どこから漏れているか分からず、何回かリフトアップして調べてゆくと、どうもキャブレター取り付け部付近から漏れているようだ。下側にLLCがピンポン玉より少し大きなサイズで漏れている。オイルも同様に少し漏れている。インマニも交換して冷却水漏れからは解放されると期待したのに裏切られた感じ。  リフトアップして観察すると、キャブレター取り付け部分のスペーサー右側部分から漏れていると次第に分かってきた。オイルの漏れはミッションとエンジン接合部から。クランクシャフトリア側のオイルシールは交換済みなので、ミッション側と推定される。  液体パッキンを塗り込んで「止まった」と思っても、漏れる量は少し減ったものの依然として漏れは止まらない。これでは車検不合格となってしまう。  そこで最初から付いていたエキマニに同時に戻すことを決断する。インマニを同時交換した理由は、前のインマニもキャブに行くバイパスホースをアールズコネクター&メッシュホースに交換していたが、取り付け部から少し漏れたことがあったため、予備のインマニを準備して交換したのが裏目に出た。  そこでアールズコネクター部にシールテープを巻き、コネクターを締め付ける専用サイズの18ミリスパナをアストロで購入してガッチリと締め込んで対策を施した。元々付いていたインマニなので安心できる。  10月16日に作業実施。取り外しは慣れも出てきて比較的スムーズに行えた。ただし、ヘッド側に張り付いたガスケットを剥がすには時間を要した。液状ガスケットを塗っておくと剥がれ易く、そのまま付けるとガッチリと張り付くことが分かって来たので、今回はインマニ側の当たり面には何も塗らず、ヘッド側当たり面の全面に液状ガスケットを塗布した。  取り外したインマニの漏れ箇所を観察すると、キャブレタースペーサーの冷却水パイプ捩じ込み部分らしい。スペーサーもパイプも新品を購入して、ネジ山にボンドを付けて確実に締め込んだのに、少々腑に落ちない。「なぜなぜ?」と疑問の漏れ方である。結果として冷却水漏れは完全に止まった。
2024 10/27 〈ヘッドガスケット&ヘッド交換後-その2〉  排気管から始動時に出てくる黒い水は変わりはないが、走りは次第に調子が出てきた感じがする。  アイドリング時にタペットの打音がカタカタと1本出ている。大き目なので、温感でタペット調整を実施してみるが、大きくは変わらない。走る分には気にならない。  排気音を観察すると時々、ボッ、ボッと出る音が気になる。そこで原因を探るため、バキュームホース接続の確認を、整備書を見ながら行った。パオには沢山のバキュームホースが複雑に配管されている。インマニ交換の際は脱着作業で複数箇所、バキュームホースを取り外して行った。元通りに接続するのには整備書が無いと難しい。  手持ちのY字コネクター4個を詳しく見てみると、2個は全部の内径が大きく中は素通しに対して、残りの2個は内径が小さく、息を吹いたり吸ったりすると弁があるような感じがする。購入した中古インマニに付いていたY字コネクターもあるため、どこにどのコネクターを使用するのか今となっては皆目分からない。ネット検索しても出てこない。みんカラを見ても「分からなくなるので1本ずつ交換してゆく」と書かれているが、バラバラにしてから組んでゆくので後の祭りである。接続の違いでエンジンの調子は大きく左右される。困った。  整備書を見てゆくと、デスビに接続されたホースの近くにY字型のコネクターがあり、整備書によるとコネクターには白色と紫色(MTの場合)のペイント表示があると記載されているが、手持ちのY字型コネクターを見ても識別色は見当たらない。恐らくは剝げ落ちたと思われる。でも、このY字コネクターのみが詳しく記載されているということは、単純な太い穴径のコネクターでは無いと判断できる。  Y字の片側はキャニスターに接続され片側はY字で分岐、キャブレターとT字コネクターへ、T字で分岐してインマニ後部、エアクリーナーケースと合計4箇所に分岐する。こちら側のY字コネクターの整備書への記載が無いため、内径の太い、ただのY字コネクターと推測した。  整備書と照らし合わせながら見てゆくと1箇所、2箇所のホース接続の違いを発見、Y字コネクターを含めて配管違いを修正した。これでアイドリング状態での排気管から出てくる排気音のムラ(安定していなくてボロ、ボロ音が混じる)は解消した。  AT用とMT用とあると整備書には書かれているが、確認は難しい。  これで走りは快調になってきたものの、依然として始動直後の真っ黒な水が排気管から噴き出す現象は止まらない。どこが原因なんだ?
2024 10/23 〈2回目の車検準備と車検〉  一応、冷却水漏れも止まったし、ミッションとエンジンの合わせ目からのオイル漏れも微々たる物だから、車検前に完全に拭き取っておけば大丈夫。  車検も近づいてきたので、ドライバーズシートをレカロから純正シートに戻す。一度レカロを使用してしまうと純正シートは何もかも役不足だ。見た目だけはシートカバーを張り替えたため最高に似合っている。  着座位置が高い点と、走りの向上のためのサイドサポートもなく平面な座面は運転していて安定感に欠く。当時はパオの性能に相応しかったのかもしれない。すっかり様変わりしてサーキット走行も似合うように変わったパオはレカロシートがお似合いとなった。知らない人が見たら「どうしてパオもレカロなんだ?」と思うかもしれない。  シートレールは車検対応を選択して装着したが、車検の際に「シートとレールのメーカーが同一で無いと駄目」と言われて車検前に純正シートに戻し、車検終了後に再びレカロに戻した。一度使用したら、純正では力不足だ。  10月23日の車検当日は1日車検場まで1kmも無い距離だから、暖気運転を行い排気管出口に付着した真っ黒な煤と水分を綺麗に拭き取り走行して持ち込む。  悪い所があったら電話が来る。エンジンオイルはオイル上がりが見受けられたため、ヘッド交換作業の後で10w-50粘度に交換している。今年は暖かい日が続くためそれほど重いとは感じない。勿論、エンジンオイル、ミッションオイル、ブレーキオイル全て無交換でお願いしている。実際には1年11ヶ月間の走行だが総距離は約4500kmと少ない。  車検場から電話が入り、走行距離も少なくフルレストアした状態の良さが分かったため最低限のチェックで問題なく合格した。驚いた点は車検証にCO2は0%、HCは6ppmと記載されていたことだ。燃料に添加したG9FS燃料添加剤が威力を発揮したのかは定かでない。  車検さえ取れれば次の車検まで2年間あるので、黒煙と水分排出の原因究明と対策が出来ると思う。降ろした元のシリンダーヘッドをOHして、もう一度載せ替えるのが理想的だ。2度とやりたくない右側エンジンブラケットの脱着さえ無ければ、後は慣れた作業となる。さて、どうするか走りながら考えよう。
2024 11/17 〈早くも2回目の車検〉  16年振りの再車検から2年が経過し、MVS製品開発と効果確認を兼ねて新製品を装着し、走りの不満点解消も同時に行った。電子制御キャブレター、MT使用のため、違いが体感で把握し易い。  ヘッドガスケット交換直後より、始動直後に黒煙混じりの真っ黒な水が排気管からドバドバ出てくるトラブルは原因不明のまま(この現象が無ければもっと凄い走りが得られていると思われる)走行している。  再車検後、ドライバーシートを元のレカロに戻した。着座位置が少し低くなり、赤信号で最前列に停止した際にノーマルシートより信号が見易い。速くなったためコーナーでの安定感に優れる。  11月2日〜4日(2024年)に富山県プロジェクトK神岡選手のMVSイベントに持参した、新開発の放電菊座金装着の威力が凄いことが分かり、効果的な施工場所の確認を行った。  イベントに行く前に、オルタネータープーリー軸の中心に貼り付けていた薄型ネオジム磁石をマイナスドライバーで剥がして、放電菊座金を貼り付けて効果を確認。結果、驚くほどエンジンは元気が出て走り易くなった。N-BOXも同様に試したが結果は同等だった。  イベントから帰ってきて、回転軸装着は効果が大きいことを把握したため、パワーラップにダブルメッシュ5cmを挿入した試作品の放電パワーラップをミッション側ドライブシャフトに装着。すでに右側が長いため3本、左側に2本パワーラップ装着済みである。
2024 11月 〈放電菊座金施工で更なるレベルアップ〉  次にクランクシャフトプーリーボルトとパワステポンププーリー軸に放電菊座金を貼り付け。エキマニと排気管フロンパイプとの取り付けボルトねじ山に1個放電菊座金、排気管中央の接続ボルト2本に放電菊座金2個と合計5個装着した。  エンジン始動した数分のみ「キュキュ」と異音が発生し数分で止まる。そこでパワステポンプ・アイドルプーリーのベアリングを交換したが、取り外したベアリングの回転は正常であった。当然ながら異音は出るが、なぜか心なし静かになった。  もう1箇所、異音発生源として考えられるオルタネーター・アイドルプーリーベアリングを分解してみた。エアコン無し仕様のために本来はエアコンコンプレッサーに当たる所に、このアイドルプーリーがある。プレスでベアリングを抜き取る。2個のベアリングが使用されているが回転はスムーズで、異音が出るとは思えない。サイズを確認した所、外径が47mm、内径が20mmで、先に交換したパワステポンプ・アイドルプーリーベアリングよりサイズ的に大きい。新品部品が手元に無いのと回転は正常なため、サイドのシールを取り外してX1グリス+X1を塗布してサイドシールをはめ込む。これで始動時の異音は消えた。  ブレーキ用の放電パワーシート試作品を制作。これは来年以降の新製品開発の確認である。パワーシートに真鍮薄板を貼り付け、その上に銅製網の細目を貼り付けた物で、異金属の電位差で放電させるアイテムである。この試作品をキャリパーのピストン部分に貼り付ける。  期待に胸を膨らませながら(この走行前のワクワク感が堪らない)試走する。  走り始めて直ぐに「ワオ!」と声が出るほど快感の走り。クラッチを繋いだ瞬間から違いは歴然。一声で言えば「走り易くなった」。少し大袈裟に言えば1200ccのエンジンに載せ替えた感じと言えば伝わり易いかな。  この作業を行う前の走行で一番気になっていた点は、3速で遅い車に追従するとアクセルを全閉気味して暫く走行、前車が加速した際にアクセルを踏み込んだ瞬間に「ガクッガクッ」と大きなショックが出る点である。この現象は再車検直後からもっと大きなショックとして出ていた。排気より吸気が優っていると出る症状である。以前に解説したように排気管にパワーバンドSサイズを4本装着、更にパワーバンドにメッシュを追加したりして抜くことでだいぶ改善されてきた。このショックがほぼ無くなり追従走行も楽になった。また追従走行からアクセルを踏み込んだ際の加速も軽快になった。  軽い車体の恩恵も受けて発進、加速、追従走行、アクセルを踏み込んだ際の速度の伸び具合、どれをとっても気持ち良い。とても36年前の1000ccパオの走りとは思えない。私の理想とする走りに98%近づいた。-2%は始動直後の黒煙と大量の水の噴出である。これさえ改善されたら100点満点を与えられる。今後の原因特定が待たれる。
 

それでも止まぬトラブル、エンジンOHへ

2024年 12月 〈黒煤の原因追及と対策〉  放電菊座金を複数装着したことで走りは格段にアップしたが、走行後に排気管内の煤をペーパーで拭き取ると真っ黒な煤が多量に付着する。 1:暖気後、アイドル・アジャストスクリューをゆっくりと締め込んで行くとアイドル回転数が下がってくる。少しだけスロー調整のスクリューを締め込み回転数をアップしてから再びアイドル・アジャストスクリューを締め込む。昔のキャブレター車は少し濃いめの方が加速自体は良い。何度も微妙に調整を繰り返し、アイドル回転が安定し加速も良い所を探し出す。ペーパー拭き取りテストでは少々改善された。 2:次は再車検時に交換したスパークプラグ(DENSO-VW16=NGK5番相当)で、2年間5000km走行してきた。このプラグは中心電極が細いタイプである。プラグの焼け具合を表す数字もNGKプラグの方が馴染みが深い。6−5−4と数字が少ないほど焼け型プラグで、サーキット走行時は8番とか9番だった。7番以下だと燃焼室の温度が上昇し過ぎてプラグが溶けたりする。  最初はYHに行くがスパークプラグの在庫が無い。ABに行くと僅かな本数だが在庫があった。昔と型番が変わってしまい分かりづらいがBPR5E−11を4本1980円で購入。ネット検索してみると、パオはBPR 4ESが適合らしい。ヤフオクで探して1920円で購入。途中からプラグ隙間が1.1mmと広くなった。BPR5E-11という型番の11は、このプラグ隙間を表す。それまでは0.8mm前後が標準的な隙間であった。  昔は頻繁にプラグ交換するのが常識であった。走行5000kmで交換は少ない感じもするがカーボンが付着して真っ黒くなっているためと、価格は1本500円前後と安いため期待を込めてBPR 4ESに交換。取り外したスパークプラグは画像参照。早速試運転、さあ黒煤はどうなった?
2025年 1月 〈降ろしたシリンダーヘッドOH-1〉  2回目の車検前に、ヘッドガスケットからのオイル漏れを修理するため先に中古ヘッドを購入してOH。ポート研磨実施やバルブ交換など行ったが、走行した翌日の始動時に排気管から真っ黒い水が飛び出してくる。  一つ考えられる原因は、ヘッドガスケット交換作業後からということで『冷却水が滲み出てシリンダー内に溜まる』と推測される。リザーバータンク液面を観察していても減っているほどではない。  搭載したヘッドは中古購入のため素性は定かではない。排気の黒煤が多いのは別の問題だと思われるため、降ろしたヘッドをOHして元に戻すことを決断する。次の車検まで1年10ヶ月はあるため、じっくりとOHする余裕がある。  そこでヘッド下面の修正面研(最小限=0.2mmほど)を東名スポーツ(前東名自動車)様に依頼することにした。横浜に加工屋さんがあり色々と依頼してきたが、数年前に廃業。専門業者が次々と廃業することで、自動車業界も厳しい時代を迎えている。  ヘッド後端(4番気筒側)に組み込まれている部品(この部品に燃料ポンプやサーモスタットが組み込まれている)を取り外さないとカムシャフトは抜けない。取り外す前にガスケットが入手できるか調べてみると案の定、廃盤になっていた。ガスケットはパッキン紙と穴開けポンチさえあれば自作できるため、取り外して修正面研に出す。一応、ガスケットも製作出来るか問い合わせしてみたが、高額なので諦めた。
2025 1月 〈降ろしたシリンダーヘッドOH−2〉  前回のシリンダーヘッドもポート研磨したが、今回のヘッドもカーボン除去を兼ねてポート研磨を実施。  走行距離が約10万kmということで、ヘッド内のスラッジもかなり蓄積して真茶色に染まっている。IN&EXバルブは走行距離から考慮すると、まだまだ大丈夫と判断。卓上ボール盤のチャックに咥えてサンドペーパーを当てがい、付着したカーボン除去、当たり面(特にEX)は黒い小さな凹みが無数あるため、手作業で45度当たり面を修正してゆく。INは高温の排気温度の影響を受けないため綺麗である。  前回のヘッドのバルブ組み込み時はスプリングの座金に東名スポーツのRB20用スプリングシート0.5mmと純正品と組み合わせて使用したが、今回は純正品のみで組み込むことにした。幸いなことはバルブステムオイルシールが購入できたためシールは新品に交換できる。  シリンダーヘッド下面は修正面研したので完璧な状態、シリンダーブロック上面の汚れ落としは前回はペーパーだったが今回はオイルストーンを事前に購入した。あまり安物だと平面精度が心配になる。また粒子の荒さがどの程度の物が最適なのか悩みは尽きない。  悩んだ末に#300細目表示、長さ205mm、厚み20mm、横幅50mmのオイルストーンを購入。名前の由来通りに事前にオイルを染み込ませてから使用する。
2025 2月1日  パオの整備は会社のリフトを利用して行っているが、お客様のオイル交換に支障をきたす訳にはいかない。当然ながら定休日の火曜日と水曜日の2日間で実施、完了しなければならないという制約がある。  シリンダーヘッド交換も、そんな制約の中、37度の猛暑の中で行ったため大きな失敗を幾つか犯した(言い訳にしか見えないが・・・笑)  考えた末に、すぐ隣にあるカーショップの社長に相談して「エンジンOH」を依頼することを決断する。結果的にこの決断は大正解だった。  走行距離は99960km、約10万kmと節目として分かり易い。 理由:その1  多くの交換部品が何とか揃ったこと。以前からヘッドガスケット、イン&エキマニガスケット、タイミングベルト&テンショナー。その他(オイルシール他)の小物部品を取り寄せていたが、重要なピストンリング、コンロッドメタルも入手できた。残念ながらメインメタルのみが入手出来なかった。どんどん純正部品が欠品となり、たまにあっても価格が2倍以上に高騰していたりするため奇跡的にOHが可能となった。 理由:その2  エンジンを降ろしたら、ステアリング・ラックアンドピニオン機構からオイル漏れが見つかり、エンジンを降ろした状態だと交換が容易に行えるためリビルト品と交換を決断する。 リビルト部品との交換は・・・ リビルト部品代金 65000円 交換工賃     22000円 合計金額:87000円 理由:その3  社長の整備経験は長く、技術も確かで(最近は腕の良い職人がどんどん減っている)、とても丁寧な作業を行ってくれた。  車を渡して完成まで約40日間(部品入荷待ちも含む)を費やした。  エンジンを降ろすにはチェーンブロックを必要とするが、リフトだけでは代用が難しいこと。また、工場内に動かない車を長期間置いて置けないことを考えると、専門ショップへの依頼は大正解であった。
2025 2月  エンジンを車両から降ろし、エンジン台に装着してOH作業に入った。  分解作業を進めて行く内に私の重大な整備ミスが三つ判明した。 1:タイミグベルトが一コマずれていた。  幸いにもピストンとバルブが当たらなかったためダメージはなかったが、大量の黒煙の発生原因となっていたと考えられる。やっぱり難しい作業なので、時間に追われての作業は適していない。 2:タイミングベルトを押し付けるテンショナーのスプリングが外れていてベルトに当たり、ベルトに少し擦り傷が付いていた。  本来なら右側泥よけ取り外し、クランクプーリー、タイミングカバー下側を取り外して行うことで発生しないミスであるが、時間的制約に追われたこことと、会社にはオイル交換用のリフトはあるがエンジンを釣り上げるチェンブロックが無いため余計に難しかった。40度前後の記録的暑さや、焦って時間に追われて大きな整備をすることは本来なら避けるべきだった。 3:フライホイール取り付けボルトからオイル漏れしていた。  整備書を見ても気がつかなかったが、取り付けボルト穴が貫通しているため接着剤を塗布して取り付けないと、オイル漏れの原因となってしまう。ミッションとエンジン接合部下部からのオイル漏れはミッションのメインシャフト・オイルシールからのオイル漏れを疑っていたが、原因はフライホイール取り付けボルトに接着剤塗布をしなかったためのミスと判明した。  完全に分解した時点で分かった不具合は、上記の他に、何故かメインメタルが「空回りしていた」と言われた。普通はメインメタルには空回り防止用の爪が付いていて空回りはしない。ここは謎のままだ。  更にオイルポンプ下側のカバー・ガスケットが破れて半分無くなっていた。新品部品が入手できないためパッキン紙で製作することにした。交換したい部品はメインメタル以外は全部品を交換できた。これから長期間に渡って今後も走行を楽しむために、OH決断は大正解となった。
 車を渡してから、待ちに待ったOHが完了して手元に帰ってきたのが、40日後の2025年3月初めだった。  さて、気になる費用はいかほどか?  下記の交換部品は先に仕入れておいた物を渡した。 ・ヘッドガスケット ・インマニガスケット ・エキマニガスケット ・キャブレター取り付けガスケット ・ヘッド後端のガスケット(自作)  一部の交換部品はショップ側が取り寄せた。 ・テンショナー ・テンショナーロックナット ・コンロッドメタル ・ピストンリング  エンジンOH代+パワーステアリング・リビルト代+パワステ交換工賃を含んだ総支払額は・・・  総支払金額:440,000円也  ここからステアリング、  リビルト部品代金 65,000円  交換工賃     22,000円  合計金額=87,000円を差し引くと。  部品代+OH工賃は353,000円  上記金額に、先に仕入れていた部品代を加算すると・・・  OH総合計金額は約40万円となる。  どんどん部品が入手困難+部品代高騰の折り、これから先も故障を心配しないで快適な走りを楽しむための投資金額と考えれば、納得できる投資金額である。
2025 2月 「エンジンを降ろす際に、フロントエンジンマウントが破損していたため、エンジンがドスンと落下して危なかった」と言われた。  AT用のエンジンマウントはオークションでも販売されているが、MT用のエンジンマウントはすでに廃番となっていて入手困難なため、修理して再使用することにした。  分解して分かった点に、シリンダーに大きな傷や錆の痕跡が皆無であったことが挙げられる。ダメージがあったらボーリングしてオーバーサイズのピストン組み換えとなるが、懇意にしていた加工屋さんも廃業、ピストンも入手できるか分からない。年々難しい状況になっている。  クランクシャフトのピン&ジャーナル部分も大きな傷や損傷が無いため問題なく使用可能である。レース時代は、このピン&ジャーナル部分を、酸化クロムをセーム皮に塗り込み、巻きつけてシコシコ磨き、表面をピカピカに磨き上げた(X1添加すれば自動的に化学作用でピカピカにしてくれる)。ほんの数ミクロンの表面磨きのためクリアランスは変化しない。  他にも、OHするとピストンリング交換時にピストンに付着したカーボンを頭部だけでなく側面、リング溝まで綺麗に除去でき、この清掃で新車状態に近づけることが可能となる。さらにオイルパン底に付着した汚れやシリンダーブロック内部の汚れも洗浄できるのがOHの良さである。  同様に分解した全ての部品の損傷の確認と清掃を行い、必要であればオイルシール類も新品に交換できる(クランクシャフト前後、カムシャフト前部)。  出来る限り新車戻しがしたかったので、エンジンOHによりエンジン各部がリセット出来るメリットは非常に大きい。
 いよいよ待ちに待ったOH完成後のパオ号のエンジン初始動、初走行である。期待に胸躍らせてセルを回す。 (※動画の始めから音が出ます。音量にご注意ください)
「グォーンブルブルブル」  力強く、爆発にミスは無い。アイドリングも安定している。一番気になっていた排気管からの黒煙も水も皆無である。  水温計の針が中間まで上昇するまで、はやる気持ちを抑えて待つ。アイドリング回転数まで落ちても回転は安定して回っている。 「さあ!初走行出発だ!」  出だしの一発目で「凄いトルクだ!!」と、ビックリした。  実は菊座金をプーリー軸に貼り付けたオルタネーターは、予備部品としてヤフオクで購入したリビルト品(中古品)のオルタネーターと交換していたため、菊座金無しの仕様である。  大トルクの最大の原因はピストンリングの交換と推定できる。圧縮圧力が新車時に戻った証でもある。  当然の結果として・・・ ○アイドリング安定 ○気持ち良い加速 ○各ギヤの守備範囲拡大による乗り易さ などが挙げられる。  走行1000kmまでは慣らし運転のため急加速、急減速(シフトダウン)は避けての運転であるが、レカロに相応しい走りは容易に想像できた。  オドメーターが止まって廃車を待つ車は、車好きとして誠に寂しい。車の墓場である解体屋さんでバラバラに分解され部品として販売される。  OHによって約99080kmで停止していたオドメーターは、止まっていた時計の針が再び動き出し、生き返ったのと同様に再び動き出した。次は20万kmを目指して走りを楽しみたい。
【パオ号レストア奮闘記】・最終回 第五章 日本一速いパオを目指して  エンジンOH後、快調に1000km走行したのでエンジンオイルを交換する。これは新車整備と同様で、初期摩耗の切子を排出する目的で早めに実施する。同時にミッションオイルも交換して万全を期す。少しでも長く快調に走行するための投資とも言える。  OH後の排気管テールパイプの中は、完全に黒いススも水分も皆無である。残念なところはパオ専門店で購入した排気管なのだが、テールパイプ内部に錆が発生することだ。  対策として、ペーパーでサビ落としてからシルバー色のカラースプレーで塗装する。テールパイプは、それほど高温に晒されないため耐熱塗料でなくても少しは持つが、理想的は耐熱塗料で防錆したい。  オドメーター「100000km」記念すべき撮影に成功した。  10万kmに近づいたら、信号も無く車の通行の少ない横道に入り「100000km」になったら停車して撮影出来た。撮りたくても、なかなか難しい記念すべき瞬間である。その後「101010km」の撮影にも成功した。  燃費は気温や走行条件、その他の要素で大きく左右される。パオ号の場合は工場のリフト上に保管されるため、オイル交換作業が入ると外の駐車場への出し入れが発生する。また、長期間に渡って快調を維持するために必ず水温計の針が動き出し、1番下側の線まで上昇してから走行を開始する。冬期は8分前後、夏季は5分前後かかる。アイドリング回転数が落ち着いた所で、いざ出発。燃費重視走行ではなく走りを楽しむ走行である。  こんな運転状況で燃費は15km〜16km/Lほどである。  また、放電クリップ大を装着したり、菊座金を装着したり、MAG-ON3兄弟を装着したりとMVS新製品の性能もしっかり確認しながら試している。  良くも悪くもMVSは強力に作用するため、吸気系に沢山装着すると、前を走る車がアクセルを踏み込まないでトロトロ運転をすると、アクセル全閉で追従することになる。これが2速〜3速での追従が長くなると、アクセルを踏んだ瞬間「ガクガツン!!」と大きな衝撃と共に車がギクシャクしてしまう。  予想出来る症状なので、クラッチを一旦踏み込み蓄積された糞詰まりの力を解放させてクラッチを繋いで加速すれば、何事も起こらない。吸気系に装着したMVSを取り外し、排気管側に装着して吸排気のバランスを取ることで症状はだいぶ収まってきた。  お金と時間を掛けて「新車戻し」を実施した甲斐あり、水漏れ、オイル漏れ、排気漏れ、エンジンストップなどの重大なトラブルを一度も遭遇することなく、パオの走りを楽しんでいる。  出来れば、ホイールがガンメタ色なのでホワイトに塗り変えたいと思っている、やっぱりパオにはホワイトがお似合いだ。  前回、パオの排気管に黒煙付着が皆無という話をした。  普段からそうやって、エンジン始動、アイドリング状態時に次の観察をすることで、エンジンの調子を把握できる。一度、愛車も観察してみて欲しい。これを数ヶ月に一度でも習慣付けておくと「愛車の調子が何だか少し調子悪いかも?」と気づくきっかけとなる。 1:排気の匂いを嗅いで「臭い」とか「目に染みる」ことがないかどうか。完全燃焼すれば匂い無し、目にも染みない。 2:排気管出口から20cmくらい離れた所に手を広げて(パーの状態)当てて、排気管から出てくる圧力が強く一定(各気筒の爆発が揃っている)であるかどうかを観察する。爆発が不揃いであれば圧力は乱れて強弱や不揃いを感じる。 ※但し、トヨタHV車や日産e-power車などは、エンジンの調子と走行性能には直接影響が出るのは余程調子悪い時で、燃費にも影響が出てくる。  また、エンジンオイル交換や、エンジンにMVS装着する際は、交換&装着前に上記テストを実施しておいて、交換&装着後にもう一度上記テストをすると、違いを感じ取ることが出来る場合もある。圧力を強く感じれば「オッ! トルクが太くなった」と体感出来る。

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