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更新履歴:2024/01/31 第四章公開
 

第三章:フルレストア完了!

パオの大きな欠点8つ

2022/10/15  どのメーカー、どの車種でも設計上の欠点や弱い所が幾つかある。その個所が少なければ少ないほど壊れにくくなり信頼性は高まる。  パオの欠点個所は・・・  ○走行8~10万kmでフューエルポンプ・ダイアフラムが破損してエンジン内部に燃料が入ることでオイルレベルが上昇する。純正交換=2022年7月現在在庫有。  ○ガソリンタンクが金属製のため内部が錆びて細かい錆の粉末が発生する。燃料フィルター交換やタンク内洗浄を怠るとキャブレターに影響が出てトラブル発生に至る。純正品交換=2022年7月現在在庫あり。  ○三角窓のゴムが硬化して水漏れや風切り音発生、また三角窓の開閉が出来なくなる。ここは年式的に仕方のない部分かもしれない。(専門店より復刻版購入)  ○キャンバストップ車の場合は幌が収縮して、雨漏れや開閉が出来なくなる。構造的に仕方が無い部分だが、幌の材質がもう少し縮まない材質であったら耐久性は伸びたと思う。(専門店より幌のみ購入)  ○後部荷物室の下側にあるスペアータイヤ収納部に雨水が溜まりサビが発生する。  主にサイドガラスが上下の2分割となっているため、中間にあるゴムが収縮して両側に隙間が出来るためと思われる。  パオ号も例外なく両側が約10mm前後は収縮しているため、隙間塞ぎテープを買ってきて対策してみた。(錆び取り塗装)  ○ヒーターコアの上下が樹脂製のため経年劣化により脆くなってきてパンクして冷却水漏れを引き起こす。(専門店オリジナル金属製を購入)  ○ブレーキストッパーの樹脂が破損。このパーツがスイッチを押してブレーキランプが点灯するためランプ不灯となる。  純正品交換=(2022年7月現在在庫あり)  ○リヤハッチガラスのダンパーガスが抜けて、ハッチガラスが上げても停止しないで直ぐに落ちてくる。正常ならボタンを押してロックを解除して取っ手を上に少し持ち上げると、ダンパーの力によってポンと最上部まで開く。今回はダンパー交換について解説しよう。(社外品テンポイント製購入、一部改造装着)  純正品よりテンポイント製は細いが、交換後は気持ち良くポンと上まで持ち上がるように開く。一部改造箇所はボディ側取り付けブラケットとダンパーの接続部分をドリルで切り離して、ダンパー側(テンポイント製)のピボット側ボルトをナットで留めるだけである。(画像参照)  価格は少し高くダンパー2本=6246円  ボールスタッド2個=992円 送料600円で、合計金額 6846円  パオは上記8カ所が大きな欠点である。中古車購入を検討する場合は、必ず上記8カ所が修理されているかを確認しよう。  製造から33年(2022年現在)経過しているため、この他の定期交換部品(タイミングベルト)や経年劣化する足回り、ブレーキ、冷却系、排気系、オルタネーターなど点検修理する部分も多岐に渡る。安い車を購入すると軽く50~60万円の出費が待っている。そこで数年後に転売されることになる。
2022/10/31  パオのフルレストアを開始したのが昨年の10月18日からなので、早くも1年が経過した。30年以上経過した車なので、ここは一切手が抜けない。  古い車で発生する頻度が高い、排気管とマフラーが腐食して排気漏れするトラブルを検証すると、やはり販売価格の安い車ほど発生しやすい。パオも当てはまり、純正部品は2~3年で、後記する通りリアパイプ湾曲部が腐って排気漏れした。  触媒やフロントパイプは比較的長持ちするが、一番腐食して穴が開く所は、リヤマフラーに繋がる前のアクスルを逃げる為に大きく湾曲した個所。パイプを大きく曲げれば、伸び側の肉厚が薄くなるのが原因だ。  次がリヤマフラー下側の腐食穴開き排気漏れである。ここは完全燃焼するほど内部に水が溜まるのが原因となる。排気漏れは一発で車検不合格となるし騒音だけでなくパワーも落ちる。  純正部品は廃番だが、パオは専門店が部品を製作しているため助かる。注文して届いた製品は柿本改であった。フロントパイプからリヤマフラーまで一式。ステンレス製で安心したのも束の間、取り付けてエンジン始動、数ヶ月でテールパイプ内部が錆びてきた。ステンレスと言っても錆びない材質と錆びる材質がある。  フロントパイプ取付け部から少しだけ排気漏れがあるが、ガスケットも新品に交換したし、締め付けネジも純正品に交換した。排気マニホールド取付け面に歪みが生じている可能性が推定出来るものの、極微量なので車検は大丈夫と思われる。  排気管一式交換に伴い、吊ゴム4個所を交換。この吊ゴムは前後で部番や価格が違うが形状や硬さも同じで、色が普通のゴム色と白ぽい粉が付着したような物とあった。袋から出したら分からなくなったが問題は無いと判断した。  ちなみに2個=3102円と、2266円で、差額が836円と大きい。  ついでにシフトリンケージの後端を左右で支えるインシュレーターマウント左右(4070円)も交換した。  まだまだ使えそうだが、部品が手に入る今の内に出来るだけ交換して新車状態に近づけたい。これがフルレストアと言える。
2022/11/15  長期間に渡るパオ号フルレストア作業も11月7日についに完了しました。  今月末までにはユーザ車検で車検を取る予定でしたが、何かと難しい。  昔、プジョー406で一度だけユーザ車検を体験しているが、今回は継続車検ではなく抹消登録しているため再車検となる点。  個人名義から会社名義に変えるため譲渡証明書の記入が必要で、書類が一部不足していても受けられない。  車庫証明、印鑑証明、整備記録簿、更に仮ナンバーを借りるため自賠責保険に加入(25ヶ月間)、仮ナンバー期限は5日間だが車検が2年間なので25ヶ月加入する。ここは昔から付き合いのある整備工場にお願いした方が良さそうだ。  実際の作業は先に進んでいるものの、内容が豊富なため、今後も暫くは紹介を続けてゆきます。そして、いずれパオ号フルレストア記事としてまとめる予定です。動画も掲載予定なのでお楽しみに!!  製造から30年以上経過しているため、ゴム部品関係の劣化は避けられない。この辺は故障というよりも経年劣化による長期定期交換部品と言うべきだろう。  その中でもパオの特徴とも言える三角窓のW/S(ウェザーストリップ)が硬化変形して、雨漏れや風切り音発生など弊害が発生する。  純正部品がある頃は片側12000円と安い価格で購入できたらしいが、廃番になるとその価格は急上昇し、ヤフオクなどでは9~20万円(両側)と恐ろしい高値で落札されている。  それでも新品を在庫している方は年々減少しているため入手が難しくなっている。交換工賃の目安は26000円。ネットで検索すると、ほぼ100%の確率で下側の支柱ボルトが折れるため溶接作業が必要となり、工賃も高価となる。  我がパオ号は車庫保管の恩恵で思いの外、ゴム製品の劣化は少なく助かっているが、三角窓W/Sの変形は避けられずガラスに張り付いて窓も開閉出来ない状態となっていた。特に目に付く場所なので、何とか安く購入して交換することを決意。  色々とネット検索する内に、パオ専門店が復刻版として製造依頼して、6万円くらいで販売しているらしい情報を入手。早速、幾つかの専門店に問い合わせした結果、送料込みで約6万円ほどで購入できることになった。折角フルレストアに挑戦しているので、三角窓が新品状態になれば新車により近づく。  取り外す際に、下部の支柱を留めているダブルナットが錆付いていて、支柱が折損する確率が非常に高いことが検索で判明した。そこで錆びついたボルトナットにスプレーして弛み易くするクレ(呉工業)凍結浸透ルブ・スプレーを噴射して、一晩置いてから緩めたら両側共に折れずに取り外せた。万歳!!  錆び付く原因は6mmダブルナットが鉄製材質なので、ここはワッシャーとナットをステンレス材質に変更して錆固着防止対策を施した。三角窓枠も表裏共に一部分、サビが発生していたため銀色塗装した。  古いゴムは硬化しているため、取り外す際にはひとつ前の画像のようにボロボロにちぎれた。新品ゴムの組み込みはX1グリース(またはシリコンスプレー)を塗布して組み込んだが、下側の支柱を差し込む際にチャンネルの隙間に入っている特殊形状のワッシャーが落ちてしまい入れるのに難儀したものの、何とか嵌め込んだ。  三角窓の下側からドアガラス側に続くゴムがある。両側共に交換したい所だが新品部品は右ドア側しか購入できなかった。11110円したが部品在庫の有る内に合わせて交換するのがベストと判断した。
 

全塗装完了! と、ミッション降ろしの準備。

2022/11/30  15年間97175km走行で長期保管となったのは、様々な所が劣化故障したのが最大の理由である。その他にもリアフェンダー下部を貰い事故で40cmほど少し凹ました点や、リヤ側アンダーカバーも一部損傷している。また右側フロントフェンダー及びリアフェンダーも板金塗装しているため長期保管で色違いが目につく。  全塗装をお願いするカーショップの社長さんと板金塗装について打ち合わせすると、「全塗装した方が結果的に安く付く」という結論に至った。これまでもドア内張の塗装、ドアミラーの塗装などもお願いしていた関係で、格安にて板金及び全塗装してくれることになった。  全塗装するからには、邪魔になる外装部品を全て取り外した方が作業もやり易く、仕上がりも綺麗になる。前後バンパー、テールランプ、リアサイドガラス、リアハッチガラス、ドアミラーなど外せる物は全部取り外してショップさんに持ち込む。  年々、板金塗装の腕の良い会社が減少、ヘッド面研やボーリング、バルブステム交換などの加工屋さんも店じまいするため近くに手慣れた店があるのは助かる。私が取り外さなかった他の部品も、邪魔な部品は全て取り外してから全塗装するようだ。  仕上がりを楽しみに待つ間に、取り外した部品を1個1個磨き上げる。ビスなども全て塗装する。リアハッチのウェザーストリップは上部ガラス側のみ新品部品が購入(10241円)できた。下側ハッチ側は廃番なのでクレポリメイトDXで汚れを落として磨き上げた。ちなみに新品部品の価格は19250円と高額だったので、在庫があっても迷ったに違いない。  塗装準備として全てのウェザーストリップを取り外したため、地道に磨き上げた。  画像を見て分かるように邪魔な部品も全て取り外しての作業。綺麗な仕上がり間違い無し。  外観上は、全塗装に加えて左右ヘッドライト新品交換、三角窓W/S新品交換、他のガラスも含めグロスター施工、ウェザーストリップ一部交換及びポリクレメイトで汚れ落とし磨き上げによって、ラインから出てきたばかりの新車に見えると言っても大袈裟な表現ではない。  残念ながらリヤサイドガラスのウェザーストリップ、ドアウェザーストリップは廃番なので数時間掛けてクレポリメイトDXで地道にシコシコ磨き上げ、新品に近い見た目になった。   屋内保管が功を奏して、年数の割にゴムの硬化変形、ひび割れが最小限で柔軟性が保たれていた。
2022/12/15  全塗装が終了してパオ号が戻ってきたら、室内の後席から荷室までの左右内張(樹脂製)の汚れが際立った。そこで急遽、追加作業で内張塗装をお願いした。  実はスピーカー交換時にシコシコ磨き上げたのだが、表面が細かい凸凹状のため凹みに入り込んだ頑固な汚れはなかな落ちなかった。他が綺麗になり、ここだけが年式相応の雰囲気なので余計に気になった。  内張はスピーカーのある前側、リヤ側、ショックアブの上側キャップ、テールランプの蓋、更にサイドガラス下側可動部のカバーと片側5点、両側で合計10点もある。  一度脱着しているため、2度目となれば要領が分かり断然違う。取り付けクリップも新品部品に交換しているため、クセがあまり付いていないのが助かる。一度使用しただけでも先端部分が開いて入りが悪くなってしまう。  全塗装をお願いした後での追加作業だったためと部品の脱着をこちらで行ったため、特別割引価格にて塗装して頂いた。  塗装はスペアタイヤ格納部も綺麗に塗装してくれた。内張と違うのはマットにより隠れてしまう点である。内張は反対に車外及び車内からでも否応なしに目に飛び込んでくるため、ドア内張塗装とシート張り替えと合わせて、内装関係も外側から見て新車状態に戻せたと個人的には大満足である。  スペアータイア格納庫も自分で錆を取り(完全には取れないが)近い色のスプレーを吹き付けた後で制振材を貼り付けていた。  塗装屋さんは、その制振材を全部剥がしてアンダーコート剤を吹き付けた後から綺麗に塗装してくれた。  バックドア内側にも傷があったが、バックドアを一度取り外してウェザーストリップまで取り外し、裏表共に綺麗に塗装してくれた。これで更に新車に近づいた。
2022/12/31  全塗装をする前にクラッチ交換、ドライブシャフト交換などの大作業を行うのが理想的と言えるが、今回は全塗装終了後に行なった。  ミッションを下ろしてクラッチ交換を含めた最後の大作業をスムーズに行うためには事前の準備が重要となってくる。  1:中古のハブAssyをヤフオクで購入。本来は油圧プレスを必要とする作業だが、アタックレーシング設立後、AE86トランスミッションOHを格安で行うにあたり油圧プレスを購入した。それから20年以上使用する機会が無かったため、いざ使おうとしたら油が抜けて役に立たない。置き場所も旧工場の方にあるため何かと不便なので、丸い円盤をネジで締め付けて圧入する特殊工具を購入した(画像参照)。  中古ベアリング(アウターレース)を特殊工具で取り外す。純正部品は廃盤であったが部品屋さんに依頼して純正同等部品を購入出来た。ベアリングは規格があるため、純正品の規格が分かれば上手くゆけば入手可能である。先に新品のアウターレースを特殊工具で圧入する。  すでに販売終了となっているが、この時の為に少しだけX1グリスを確保していたため新品ベアリングのグリスをX1グリスに入れ替える。入れ替え後オイルシールも圧入してバックプレートも塗装。  こうして左右のハブAssyのベアリング&オイルシールを交換。ミッションを降ろしてからこの作業を行うと、かなりの時間ロスとなり、1日では作業が終わらない恐れがある。   バックプレートは曲がっていてローターに干渉して異音が出る状態だったが、薄い鉄板のためプライヤーで簡単に修正できた。
2023/1/15  車検取得から目出たく1276km走行しましたが、奮闘記はまだまだ続きます。  東京から下関までルートにもよるが、1020km~1063kmほど、鹿児島県の佐多岬まで1353kmなので、もうすぐ佐多岬に到着する距離を無事に走行中です。  こまかな問題点もありますが、今年後半に解説する予定です。  パオ号のドライブシャフトブーツは、まだ損傷もなく使える状態であった。切れていると車検不合格となる。それにベアリング部分に雨水が入ると異音発生やベアリング損傷に至る。  しかし、33年間の歳月を超え、出来る限り新車状態に戻すことを目標としている為、駆動系にも手を入れる。1番ハードルの高い整備箇所とも言える。  ミッション脱着作業する前の事前準備が大切となる。ヤフオクで左側ドライブシャフトAT用を安く購入し、後からヤフオクのリビルト出品業者にMT用に交換してくれるか問い合わせしたらOKだったため、左側はリビルトドライブシャフトが準備完了となった。  右側ドライブシャフトも同じ手法で行こうと、右側ドライブシャフトAT用を購入して同じリビルト会社に問い合わせするが、MT用の在庫は無いという返事だった。それだけMTは希少だと痛感させられた。  パオはAT車の販売比率が高く、MT車は希少と言うことでMT用が難しいため、外側ブーツのみ純正品を購入。  汎用では切れ目のある張り合わるタイプが一般的だが耐久性のある純正品を選択し、ミッション降ろしの際にドライブシャフトを取り外すためブーツ交換を行うことにした。同時にベアリンググリスもX1グリスに入れ替える。これで安心感が格段に違う。  ドライブシャフトとハブアッセンブリー分解や交換で、フロントサスペンション、ブレーキ、駆動系と、全てが新車状態に近づくことになる。
2023/1/31  交換予定部品、クラッチカバー&ディスク(社外品)レリーズベアリング、クランクシャフトオイルシール、ドライブシャフトケース側オイルシール、バックランプスイッチ、スピードメーターピニオンギヤ(これらは純正品)など、多くの交換部品も購入。意外と多くの純正部品が購入できた。  前回までにご紹介した、左右ハブアッセンブリー、ドライブシャフトの準備も整った。特殊工具は購入出来るかどうか調べなかった。その理由は、購入できたとしても高価であり何度も使用しないためで、今までの経験を活かして乗り越えたい。  ドライブシャフトのミッション側オイルシール取り外しはドライバーなどでこじれば取り外せる。打ち込みはオイルシール平面部分にピッタリ合うプラスチックの丸筒をホームセンターで探してきた。これをシールに当ててハンマーで打ち込めば特殊工具の代用となる。  整備書には各種特殊工具が記載されているが、経験を生かしたテクニックで特殊工具無しで作業を行うべく知恵を絞る。  右側ドライブシャフトを取り外してから特殊工具でデフのピニオンギヤが動かないように固定して、更に特殊工具を挿入して左側ドライブシャフトを叩き出すように書かれていたが、左右ドライブシャフトを付けたままミッションを降ろしてから作業を行うことにした。    どうしても必要となるミッションジャッキ(画像参照)をヤフオクで中古品購入。高さもあり2方向に傾きを微調整できるタイプ。新品安物だと後悔しそう。エンジンを保持するスタンドと、ハブナットを緩めたり締めたりする大型トルクレンチは元社員が購入してくれた。これで全ての準備が整った。次回はいよいよミッション降ろし編。
 

ミッション降ろして色々交換〜車検取得の準備

2023/2/15  エンジンを吊り上げる方法は下記の3種類。  1:チェーンブロックで吊り上げる。  2:タワーバー同様にストラット部両側に丈夫なバーを渡し、エンジンを吊る。  3:カーリフトで車を持ち上げた後でエンジン保持スタンド(高さ調整可能な太いパイプ)。  幸いなことに会社にはカーリフトがあり、高くリフトアップして立ったままで作業できるため、安全で作業効率も優れる。  エンジン保持は上記3の方法で保持する。  手伝ってくれる青木社長と都合の良い日を調整して決定、準備も整ったため遂にミッション降ろしに着手する。さあ、いよいよミッション降ろし。業務のオイル交換作業に支障が無いように定休日に行うことにした。  定休日前日にリフトアップしない状態で私が先にボンネットを取り外し、バッテリー端子取り外し、スピードメーターケーブル取り外し、この他に、セルモーター取り付けボルトを取り外したり、ミッション上側の取り付けボルトも数本取り外して準備を行う。上側からの作業がほぼ終了。これでリフトアップしても下側だけで作業が進む。  翌日に2人作業で手際良く分解してゆく。  1人作業は難しいが、助っ人が活躍してくれたため助かった。またミッションジャッキも活躍してくれたためミッション降ろしは比較的簡単だった。  問題は、整備書に「ドライブシャフト・オイルシールの交換は必ず車載状態で行う」と記載されていたことだ。車載状態で左右のドライブシャフトを取り外す場合はデフのピニオンギヤが動かないように特殊工具を必要とする。  更に「必ず右側ドライブシャフトから取り外し、特殊工具で左側シャフトを叩き出して取り外す」と記載されていたが、右側だけ外して左側ドライブシャフトは抜かないままミッションを降ろした。    ミッションを降ろしたからこそ出来る作業は……  1:フライホイールを取り外しクランクシャフト後端のオイルシール交換。古いオイルシールはドリルで小さな穴を開け、そこに鉄板ビスを捩じ込んでプライヤーで引っ張れば簡単に取り外せる。    2:エンジンを停止すると圧縮工程で停止するため、始動時にセルモーターを回した際にギヤが噛み合う位置は、ほぼ決まった位置となり、そこだけが磨耗が多くなる。  そこで摩耗部のギヤをサンダーで削りギヤが噛み込み易くすると共に、取り付け位置を少しずらして取り付けた。これで、始動時に噛み合わせが悪くて異音発生するトラブルは出ないと思う。    3:クラッチディスク&カバー交換。  取り外したディスクは、まだまだ使用できる残量であった。カバー&ディスクは純正品ではなく社外品を使用した。    4:バックランプスイッチ交換。  車載でも出来るが、交換前にミッションオイルを抜き取る作業が必要となる。またドライブシャフトが邪魔するため交換作業はやり難い。  5:純正部品が廃番だったため専門店からクラッチケーブルを購入して先に交換済みであった。そこでスピードメーターピニオンギヤも交換することにした。こちらは純正部品が購入出来た。ミッションオイルの注入口は、このスピードピニオンギヤを取り外して行い、ピニオンギヤがオイルレベルゲージの役目をする。  パオのミッションが面白いのは、通常はあるメーンドライブシャフトがクランクシャフト後端に差し込まれる部分が無く、スプライン部のみである。だからクランクシャフト後端の穴にパイロットブッシュが打ちこまれていない。このためクラッチ交換が終わってミッションを載せる際にミッションが固定できなくて大変だった。
2023/2/28  車検取得後 現在1860km無事に走行を楽しんでいます。細かい部分では改善や修正、問題点など、レストア奮闘記が終了次第にご紹介いたします。  ミッション脱着は大作業で作業優先のため写真撮影は難しく、詳細は撮影出来ていませんが、ポイント部分は記録しましたので文章と合わせて見て下さい。  忘れがちなのが、クラッチのダイヤフラムを押し付けるレリーズベアリングの交換である。クラッチペダルを長く踏みこむ癖のある方ほど、クラッチを踏んでいると異音が発生し易い。レリーズベアリングが前後に動く部分にはX1グリスを塗布しておいた。  ミッション後端のマウントのみ、純正部品が入手できたので同時に交換した。  アマチュアの方なら、ガレージジャッキで車を持ち上げリジットトラックで支えてミッション降ろしとなるが、FFミッションは大きく重くて、メンドラ先端部の無いパオはかなり大変な作業となる。  無事にミッションが搭載出来て、先に公開したドライブシャフト交換、ハブアッセンブリー取り付ける。ハブは先にベアリング交換を実施済みなのでワンタッチ交換と素早く行えた。ドライブシャフトは前に説明したようにブーツ交換が少し大変だったが、元社員が特殊工具を持っていて分解の経験者だったため、比較的スムーズに行えた。  右側ドライブシャフトのホイール側ブーツ交換は、1月15日掲載した画像のようにスプライン部を特殊工具で引き離さないとブーツの細い部分が邪魔をする。  また、ミッション側ブーツは部品が設定されていないためブーツを留めているバンドを壊さないように取り外し、ブーツを裏返しにめくって中の古いグリスを拭き取ってからX1グリスを充填し、ブーツをバンドで固定した。元々、ミッション側はそれほど曲がらないため、ブーツが切れることはほぼ見受けない。  ミッションオイルはギヤII轟=2,9リットルを入れたので使い込むうちに吸い込まれるようなシフトチェンジが期待できる。その理由は、痛んだシンクロ部分がX1配合成分によって次第に修復されるため、シンクロ同調作用が高まるためである。
2023/3/15  右側ドアのルームランプスイッチゴムカバーが破損していたため、注文しようとしたが、廃番だった。部品屋さんの日産車部品カタログ画面で、形状の似た部品を取り寄せてみたら(部品屋さんで色々と探したため車種は忘れた)ピッタリ一致して無事に交換出来た。  こちらはまだ破損していないものの、汚れが落ちにくいため、新品部品が買える内にルームランプレンズを購入して交換した。同時に手持ちのLEDバルブに交換を実施。  右ドアストップが効かなくて急に勢いよく閉まって危険なため、右側ドアチェックリンクを交換しようとしたら廃番だった。そこでネット検索するとR34スカイラインの部品を改造すると代用できることが判明。速攻で注文。  届いた部品は全長が約3cmほど長く、金属部分が樹脂で覆われているため太かった。  そこで3cmほど切断し樹脂をサンダーで削りピンを差し込む穴を開けた。ドア側取り付け部分は改造しないで取り付けできた。  左右ドアボディ側ドアキャッチは、ドア側ロックが掛かる部分の樹脂部品が脆くなり欠損しているため、交換することにした。  キャッチも取り付けボルトも純正品が入手出来て助かった。予想以上に純正品が購入できることに驚きと感謝の気持ちが湧いてくる。  ドア側キャッチも一度取り外し、真っ黒に汚れていた全体を洗浄し、給油して元に戻した。これでドア開閉、ロックもスムーズに行えるようになった。
2023/3/31  早くも車検取得から4ヶ月が過ぎノントラブルで2000km走行しました。  前回までで、ほぼレストア作業は終了して、車検取得準備として、細かな修正や調整を実施しました。  ○最初は純正品のヘッドライトバルブをPHILIPSのLEDに交換しましたが、ネット検索すると車検で不合格になるケースも多いと分かり、今回は再車検なので欧州車対応スーパークリア・車検対応と謳ったハロゲンバルブで受けることにした。    新品ヘッドライトが購入できたため、そのままでも受かると思うが、純正品が暗かったという記憶があり、少しでも明るいバルブにしたかった。  ○トーイン調整  車検で見るポイントはヘッドライトの光量と光軸、それにトーインと速度計の狂い、灯火類の点灯、オイル漏れ水漏れ排気漏れ、ブレーキ&サイドブレーキの効き、方向機、ワイパー&ウオッシャーの作動、排気ガスなどである。メジャーで測定してトーイン3ミリに調整する。ここは狂っていても予備車検で測定して狂っていれば業者が調整してくれる。  ○ハンドル交換 センター出し、ホーンボタン取付。  兄弟車のフィガロのハンドルをヤフオクで約1万円で購入。迷う点として、ホーンボタンをパチンと押してはめ込むが、取り外す際に脆くなり割れてしまう。  走行しないと真のハンドルセンターは出にくいが、車検ではホーンが鳴らないと受からない為、ある程度センター出しをしてフィガロのハンドルにした。パオとの大きな違いは、パオの2本スポークに対して3本スポークになる。見た目も中央にメッキ部分があり少し豪華に感じる。  ○アイドリング調整  エンジンを始動して水温が温まりアイドリング回転数が落ちて来るまで、現代の車と違って多少時間が掛かる。冬季の場合は約10分ほど掛かる。水温計の針が少し上昇すると、やっと回転数も落ちてくる。COを測定していないので車検では測定して基準値を上回っていれば調整する。そこで、このくらいという長年の経験値で調整する。  一応機械式キャブレターながら電気式でもある為、長時間経過すると微妙にアイドリング回転数が上下する。ここはハンチング(単時間で上下する現象)とは異なり、ある程度の時間で行われる。  ○書類準備  いよいよ車検。自分でユーザー車検に行こうと思っていたが、長年懇意にしている整備工場にお願いすることにした。  真っ先に用意する書類は車庫証明となる。ナンバーが無いため仮ナンバーが必要となる。次回は仮ナンバー申請の話をしよう。

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