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更新履歴:2024/01/31 第四章公開
 

第一章:エンジン始動からシート改造まで

17年ぶりにエンジン始動! ところが……。

10月30日  ついにエンジンを始動した。最初はなかなか初爆も無く虚しく空回り。  そこでスポイトでキャブレーターにガソリンを送り込んでみたらようやくボボボッと始動した。アイドリングまで回転を落とすとストンと停止してしまう。それでも何回か繰り返す内に次第に回転は落ち着いてきたが、冷却水がキャブレター下側辺りからドンドン漏れてくる。
 FFだから吸気側は室内側の見えにくい場所になるため、最初はどこから漏っているか分からなかった。手で探ってゆくと、どうもインマニらしいということまで突き止めた。この詳しい結果は次回に報告できると思います。  大変な作業は、ガソリンタンク内が錆びるため一度降ろして錆取り剤で綺麗にした後で、樹脂コーティングして錆の発生を予防する計画。最終的にはキャンバストップ張り替えが終われば完成間近となる。  完成予定は年内目標。来年早々にはユーザー車検に行こうかなと思っている。  今ならエストレモ・オイルとMVSで更なる高次元な走りが追求出来るため、今から初走行が楽しみなのと、若い頃の自動車整備工時代を思い出しながらの作業がとても楽しい。75歳10ヶ月ながら気持ちはいつも20歳。
 2021/11/15  前回、17年振りに愛車パオのエンジンを始動しました。意外と調子良く回転し排気管からの白煙も皆無に近くホッと胸を撫で下ろしました。最悪はエンジンOHと思っていてガスケットOHキットを3万円少々で購入していました。日産は32年経過した車でも多くの部品が出てくるのには驚かされています。  それでも100%は無理で、無い部品は頭を使って調達しないと修理が出来ません。  ヒーターコア、キャンバストップ、クラッチワイヤー、アクセルワイヤー、マフラー排気管一式など廃盤品は専門ショップ、Be-1 パオ・フィガロ専門店【ガレージ44】より購入。  他にはフロントキャリパー、ローター、ハブベアリング等が廃盤なのでキャリパーはOH(インナーキットはOK)ローターは社外品もあり摩耗していないため錆を落として使用できる。問題はハブベアリングをどうするかである。幸いにもX1グリスが少しだけ残っていたので、古いベアリングを洗ってグリスを交換して再使用できるだろう。こんな時に、本当に優れた製品を頼りにすることが出来るか出来ないかの違いは大きい。  前回のエンジン始動での冷却水漏れは、インテークマニフォールドらしいと解ったので、キャブレターを取り外し、インテークマニフォールドを取り外した。結構込み入っている場所なので、どうやって取り外すか悩んだが、ネット検索により下側からキャブレター取り付けボルトを4本緩めれば取り外しが可能と判明した。先にキャブレターさえ外れれば、インマニ取り付けナットも取り外しが出来た。現代はネット検索を上手く利用することで助けられた。  インマニを外して観察しても、外観だけでは仔細に観察しても解らなかったが、先が細く尖ったヤスリで金属製のメクラ蓋の少し錆びた所をチョンと押すと、先端がスッと入った。厚みは1mm近くあるが、17年間保管のままなのでLLCの防錆機能が無くなったためだと推定される。何と、この小さなメクラ蓋も部品が出てきた。  このメクラ蓋の近くにL型コネクターがあり、キャブレターの吸気口のL型コネクターとゴムホースで連結されている。このL型コネクターも金属製のため取り外す際に簡単にパイプ部分が破れた。そのまま使用していたら、すぐに水漏れしたと思われる。  流石に、このL型コネクターは廃盤で入手できなかった。もしやと思ってアタックレーシング設立当初に販売していた古い残り在庫品のアールズのソレックスキャブレター配管コネクターをネジ山にねじ込んでみたら、何とか締め付けできた。ここにアールズL型配管とホースを利用してレーシングカーテクニックで修理が完了した。(画像参照)  修理が完了したと思っていたが、綺麗にするため磨いていると下側に同じようなメクラ蓋が2個有るのが目に止まった。1個は真っ赤に錆びていた。「これはヤバい」と思い2個共、取り外すことにした。案の定、錆びていた方の蓋は簡単に破けて肉厚は0.2ミリ程と薄くなっていた。取り外すテクニックとしては、蓋の凹んでいる片端を先端の細い棒で強く叩くと、メクラ蓋がひっくり返る。後は先細プライヤーで挟んで抜き出す。新しいメクラ蓋は完璧を期するためボンドを塗布してハンマーで打ち込んだ。  これで、一番重要な冷却水周りを全て新車状態にリセット出来た。  ○ウォーターポンプ新品交換  ○サーモスタット新品交換  ○サーモスタットハウジング(アウトレット)新品交換  ○ラジエターホース&バンド・アッパーロア新品交換  ○ラジエター&ラジエターキャップ新品交換  ○水温センサー新品交換  ○ヒーターコア新品交換  ○ヒーターコア・ホース2本新品交換  ○ヒーターサクションパイプ差し込み部水漏れ対策(取り外しボンド塗布して取り付け)  ○インマニ暖気ホース・L型コネクター2個・メクラ蓋4個交換及び改造  中途半端な修理だと次から次とトラブルに遭遇する。最悪はオーバーヒートで大事なエンジンを壊してしまう。古い車だけに、やるのなら全てを徹底的に手を入れることで安心して普通に使用できるようになる。  私のモットーは「やるのなら徹底的に手を入れる」ことに尽きる。今回は、手に入る部品は購入して出来るだけ新車の状態を復元すること。中途半端な仕事なら、やった意味が無いと捉える。この姿勢はエストレモ製品開発でも同様である。だからこそ製品を通じてこの思いが少しでも伝われば嬉しいことだ。
 2021/11/30  パオ・フルレストア、亀の歩みのように一歩一歩、前進しております。  終了期日の制約が無いのがレストア作業で、1個の部品を取り外した場合、交換であれば短時間で終了するが、部品を再使用する場合は汚れや錆落とし後、脱脂して塗装。  ボルト&ナットも同様に清掃やさび落としをしてから塗装後、組み付けるため直ぐに数時間が経過してしまう。この作業を大変と思うか楽しいと思うかは作業者の気持ち次第。  難しい点は、流石に32年間の錆による経年によって、ボルト1本、ナット1個が簡単には緩まないこと。クランクプーリーボルトも固く締まっていて緩まないため、安物(5780円+送料2600円=合計金額8380円)の電動インパクトを購入した。国産一流品で高トルクの製品は35000円ほどする。緩まなくて使い物にならなければ高くても国産品を購入する予定で試してみた。  ホイールナットも脱着できるという21Vで最大トルク:320Nm。インパクトレンチは『回転+打撃』が特徴なので固く締まっているボルト&ナットも緩め易い。ソケット差し込み部1/2サイズ。  頑固に締まって緩まなかった(エンジン回転を固定するのが構造的に難しい)クランクプーリーボルトも1回目、2回目、3回目と5~7秒ほど打撃を加えてみたが緩まず「ダメか?」と思ったが4回目に少し長めに「ダッダッダッ」と打撃を加えるとキュルンと緩んだ。  その後も、硬く締まっていたロアアーム取り付けナットやストラット取り付けナットなど、簡単に緩めることが出来て助かった。この他にもタイロッドボールジョイントなどを取り外す特殊工具(ボールジョイントリムーバー)や、ストラットを分解する際にスプリングを縮める特殊工具、ブレーキチューブのフレアナットを緩めたり絞めたりする特殊工具など最低限の特殊工具が必要となってくる。プロに修理依頼する際の工賃と天秤に掛けて少しずつ揃えておくと助かる。  この他にも固く固く締まっているボルトが多く、緩めるテクニックが必要となる。  ポイント1:超ロングメガネレンチが不可欠となる。また、メガネレンチの首角度の異なる物も必要となる。道具が無ければ始まらない。  ポイント2:CRC(手持ちでX1スプレーがあれば)などをスプレーして1晩放置しておいてからハンマーでレンチを叩いて(ショックを与える)緩める。コツはジワーと力を掛けるより、「ガツン」一気に力を掛ける方が緩まる。  フロントサスペンションはロアアーム交換、タイロッドボールジョイント交換で左側は簡単に交換できたが、右側は頑としてボールジョイントが緩まない。普通はロックナットさえ緩めば、スルスルと回して外れるが、ロッドと溶接されたかのようにビクとも動かない。  整備工場であればボールジョイントをアセチレンバーナーで炙る最終手段を用いるが、自宅車庫内なのでガストーチを購入してきた。普通タイプよりも高温(1800~2000度)タイプの物だ。これで緩まなければお手上げ状態。さて運命はいかに?  この炙り作戦が最後の手段となる。この難問を乗り越えないと車検もダメだし(ジョイントブーツに破れあり)、ステアリングラック・ブーツの交換も出来ない。  バーナーにカセットボンベを装着、点火、いざチャレンジ。1分間ほど炙り、すぐに緩め方向にジョイントに力を掛けると嘘のように動き始めた。3~4回転回すと次第に軽く回転してジョイントは取り外せた。思わず「やったー、バンザイ!」と声が出た。原因はサビによる固着かな?  タイミングベルト交換で、同時にウォーターポンプ、テンショナー&スプリングも交換、カムシャフト&クランクシャフト・オイルシール交換。交換作業でカムプーリーやクランクプーリーボルト、タイミングベルト駆動ギヤ等も取り外した。そこでMVS実験として取り外した部品・ボルトや交換部品を全てMVS処理することにした。  どうせ実験するならと、スパークプラグ、ブレーキパッド、ヒーターコア、キャリパー取付ボルト、ラジエターホースバンドなど全てをMVS処理。更にLLC全量、ブレーキフルードもMVS処理、古い車がどう改善されるのか興味は尽きない。早く結果を知りたいが、完成までまだまだ道のりは険しいため、来年まで待たなくてはなるまい。  MVS開発当初も、色々と実験的に行った。例えば、ホイールナット、クランクシャフト、クラッチカバー&ディスク、フライホイール、エアークリーナーBOX、スパークプラグ、スプレー缶塗料他。実験を繰り返すことで〝どこにどのように効くのか〟が浮き彫りとなってくる。それを踏まえてMVS製品化に取り組んだ。  申し訳ありませんが、MVS愛用者様が「この部品をMVS処理して欲しい」という要望には、色々な事情により承ることが出来ません。
 

様々なパーツ交換

2021/12/15  パオのフルレストア記事を楽しみに見てくれている方も多いようなので引き続きご紹介してゆこう。  フルレストア作業を大まかに分類すると……  1:劣化したり壊れたりへたっている部品を注文する。  純正部品を注文するには、日産のディーラーではなく出来れば日産部品を扱っている部品商または日産部品販売店に注文することになる。この手間が大変で時間を費やす。  幸いにも以前から懇意にしている自動車部品商会が会社の近くにあるため助かっているが、それでもパソコンで欲しい部品を探し出して貰い、廃盤でなければ在庫があるのか、値段は幾らかを調べてから注文となる。直ぐに30分から40分も費やす羽目に陥る。  純正品が廃盤の場合は、パオ専門店に連絡してオリジナル部品を購入することになる。  それでも手に入らない場合はヤフオクなどで根気よく探したり、知恵を使って何とかしなければならない。  2:劣化したり壊れた部品を交換する修理作業。  3:錆びたり汚れたりしている所の錆び落とし、汚れを除去して塗装したり磨いたりする。  上記で掛かる時間割合は  1=約30%  2=約30%  3=約40%  だから単純に修理の方が簡単である。  車も30年も経過すると硬質樹脂が脆くなっている。またゴム製品も硬化縮み変形亀裂が避けられない。硬質樹脂の硬化は部品を取り外す際にポロッと割れて破損することが多くなる。部品が入手できれば良いのだが廃盤になっていることも多い。ゴム製品も同様である。  30年以上経過したパオの弱点は……  ○フェールポンプ内部破損=エンジンオイルがガソリンで増えてくる。  ○ガソリンタンク内が錆びてくる。  ○ヒーターコアの上下部分の樹脂が脆くなり水漏れ発生。  ○キャンバストップ生地が収縮して作動不良雨漏れ発生。  ○その他。  安心して乗るためには必ず手を入れるべきポイント。  フロントサスペンションのロアアームは幸いに新品が入手出来た。ボディ側取り付け部分2箇所のゴムブッシュとボールジョイント付き。普通の車はボールジョイント部分がアームにボルト留めされている車種が多いが、パオの場合はコスト削減で一体化されているため部品が入手出来ないと困る箇所だ。  今後、いつ廃盤になるか分からないため、交換した古いロアアームのボールジョイント部分は敗れていたゴムブーツを手に入れて古いグリスを除去、X1グリスを塗り込みブーツを打ち込んで予備部品とする。幸いにもボデイ側ゴムブッシュのヘタリは少ないため十分に使用可能となる。  同様に、ステアリングエンドのボールジョイントも同様に、破損したブーツとグリス除去、X1グリス充填後に新品ブーツを打ち込み予備部品とする。  ここで問題が発生した。最初にヤフオクで購入したブーツを装着するため狭い場所で悪戦苦闘すること2時間余り。どうしても入らないため古い部品と比較したら、穴径が小さく新品なのにゴムというより硬質樹脂の様に硬くて伸びない。結局、古い部品は何とも無いため再使用した。  30年経過した車で交換したい部品の80%前後が入手出来る(専門店オリジナルと汎用品など含む)車も珍しいが、今後は次第に廃盤が増えてくるため取り外し交換した古い部品も再使用できるように手を入れて保管する。  現代の車では皆無になった開閉式三角窓のゴム製品も必ず変形してくるが、廃盤になったため、純正品価格が片側で3500円程の品物が、ヤフオク価格では左右で16~20万円という高値で取引されている。復刻版が出来ても純正品価格の数十倍(7万円前後)となってしまう。  変形などは我慢できるが、ここから雨漏れや風切り異音(ヒューヒュー)発生原因となってしまうため、どこかで我慢も限界に達する。普通に三角窓が開閉できれば心地よい風を受けてのドライブが味わえる。現代の車では失われた世界だ。  どこまで手を入れるのかは予算次第となってくる。
 2021/12/31  パオのレストア進捗情報をお伝えします。  エンジン関係は、排気菅(フロントパイプ&マフラー)全部をステンレス製(柿本改)に交換、インマニ、キャブレターも装着してエンジン始動まで終了しました。  しかし、アイドリングが続かないため、その原因を突き止め対処しなければなりません。インマニ&キャブレター関係のバキュームホース関係の配管接続の確認など必要ですが、時間的にエンジン始動を確認だけした状況です。  室内側は、ヒーターコアを交換して取り付けましたが一筋縄では装着できませんでした。まずヒーターコア装着の温水切り替えバルブ形状が純正品とは異なるため、干渉するケース部分を切り取らないと組み付けできませんでした。  次に、切り替えレバー比(長さ)が短いためバルブ開閉が約80%しか作動しません。購入した所に問い合わせたら80%作動で問題ないとの回答でした。  ヒーターケース組み立て後、ボディに装着してヒーターコントロールケーブル装着時点で、またもや問題が発生。コントルールワイヤーの先端が丸くなっていて、プラスチック製レバーの突起部にスポンと嵌め込む構造ですが、何度押し込んでも外れてきてしまう。突起部先端に僅かに凸部があるのが無くなっているのが原因でした。  悪戦苦闘している内に突起部の二つに割れている片方が折れてしまった。レバーだけ交換は難しいので、鉄板ビスを捩じ込んで何とか作動OKとなった。このワイヤーはヒーターの風向きを足元、インスト前方、窓ガラス側と切り替える物だから作動しないと困る。  この後でインストAssyを取り付けたが、言葉で伝えるのは難しいものの、ここでも色々と問題発生。2人作業だと楽だが1人だとサイズ的、重さ的に大変。  何とか指定の位置に取り付け終了、ホッとしたのも束の間、幾つかの問題発生で再度取り外して幾つかの問題点を修正して装着した。この辺も経験しているかしていないかで分かれるところである。  次に左右ドア内張を取り外し内部に手を入れた。ドアキャッチャーを取り外して真っ黒に汚れていた物を洗浄・給油、手動式レギュレター作動部分にグリス塗布、ガラス作動部分にシリコンスプレーを塗布、アウタードアハンドルのボタンを押した際にドアが開き易くなるように、内部ロッドの曲がり部分を少し伸ばして(全長が長くなるように)ドアを開き易くなるように修正後、内張を装着した。  言葉では簡単だが、ここでもいくつかの問題点が発生して内張脱着も数回行い、ようやく完成。エンジン、インスト、左右ドアまで前側部分はほぼ完成した。  排気管交換の際にリアショックアブ上部の取り付けナットを取り外して、リアハウジングを下側に下げないとUの字に曲がりくねったパイプが干渉して外れないため、同時にリアショックアブソーバーとブレーキホースも交換して終了。フロントに比較して簡単。  後は大きな作業としては室内全部の清掃とリアブレーキ関係(左右サイドブレーキワイヤー交換含む)、ガソリンタンクサビ落し、キャンバストップ張り替え、シート張り替え。スペアータイヤ置き場の錆び取り塗装、後部及びリアサイドの板金塗装(業者依頼)等。  焦らないでぼちぼち進めて行きます。年末年始は大寒波襲来のため、寒さの大嫌いな(弱い)私は、パオレストアは諦めて暖かい炬燵でのんびりとテレビでも観る予定。  皆様も凍結路や大雪に充分に注意されお正月をお迎えください。
 2022/1/15  パオの途中経過を報告しましょう。  寒さが一段と厳しくなり思うようには進んでいません。  そこで、ステアリングコラムカバー、コンソールBOX、オーディオラック、灰皿等、純正品が黒樹脂製品なので、ハンドル色に近いベージュに塗装しました。  シート自体もベージュ色でしたが表皮が汚れ易い太い糸状の織物タイプ(ファブリックシート)なので、新品オリジナル注文品(合皮生地)ユアブランド製(注文生産中)と交換予定。シートのベージュ色に内装中央付近のコンソールを含めて統一する計画です。  レストア代を安くするためには剥がした純正シート表皮を丸洗いして再使用する手もあるが、粗い縫い目に汚れやゴミが溜まり易い欠点があるためと、見栄え向上に向けてオリジナル配色の合皮生地への変更を決断した。  普段はあまり目にする機会の無い、純正表生地を剥がした画像(助手席シート)を掲載します。内部スポンジは茶色く焼けていますが割れ易いスポンジに亀裂はありませんでした。ただ純正品のスポンジは柔らか過ぎてフワフワなので、もう少し硬めのチップウレタンスポンジを購入追加して座り心地改善を図る予定です。  ただ人生初めての改善作業となるため、耐久性に優れ座り心地が良く体の保持に優れたウレタンスポンジ購入のハードルは高い。厚みは1cm、2cm、3cmのどれが良いのか、スポンジの硬さは、柔か目、中位、硬目の、どれが良いか、これだけは実際に試してみないと分からない。どんなことでも経験値が最後はものを言う。その第一歩となる。  コンソール関係ベージュ塗装に合わせてMTシフトレバーのブーツも黒色からベージュ色(合皮生地)の物に交換(自作で製作予定から専門ショップ品購入)、合わせてサイドブレーキにもベージュ色のブーツ(これも自作予定から専門ショップ品購入)で統一(純正はブーツ無し)、おしゃれな内装を目指します。  隠し味として、これらのコンソール類はボディ中央部分に取り付けられるため、裏側にパワーアルミテープを貼り付けてから取り付ける。MVS作用は、なぜだか樹脂製品にも強力に作用するため走行安定性向上が図れると推測。その結果は車検合格まで待たなければなるまい。
 

シート生地とスピーカー交換

2022/1/31  パオのレストアは、前回紹介したように、寒い時期はシート生地交換と、中身のスポンジ修理(改造)に励んでいる。中身のチップウレタンは悩んだ末に中位の硬さの厚さ30mmを選択した。  パオ純正シートは、あまりにも柔らかく30年間で更にへたってフニャフニャ。オリジナルシートを依頼したユアブランド店長さんがパオを乗っていた実体験でのアドバイスを送ってくれたのでご紹介したい…… 「私も以前パオに乗っていた時期がありました。  乗るたびに腰が痛く、お尻がかなり沈んでいましたので、張り替える時に観察したら、座面の底のウレタンスポンジが、ぱっくり裂けていて、口を開いていました。  シート裏から見ていただいて裂けていたら、張り替える時にボンドで閉じたり、底に麻生地やゴムマットなどを引いて、ウレタンが波バネの間から裂けて落ちない工夫をされると座り心地はかなり良くなると思います。  また、座った状態で波バネの反り具合を観察され、反りすぎているところは2本の向かい合ったバネ同士を針金などで部分的に連結して強度を出してみてください」  と詳しく教えてくれた。  私の助手席シートスポンジは原形を保っていたが、画像で判るように中央に大きな溝があるため余計に腰が落ち込むようだ。  そこで画像のように中央部分を30cm×40cmのサイズで深さ約2cm程カッターナイフで切り取った。ここに購入したチップウレタンを埋め込む。横溝もチップウレタンを嵌め込んで埋めた。そして座ってみたが、まだフワフワで希望する座り心地は得られていない。  色々と試行錯誤を繰り返して出た結論は、一番、底部分で体重を支えるスプリングが弱いことが分かって来た。  丁度タイミング良くミニでレースカーを改造している当社常連さんが「梱包用の幅広結束バンドを渡せば、本数と締め付け具合で硬さが調整できるよ」と教えてくれた。(画像参照)  この作業はユアブランド店長さんのアドバイス前となる。  結束バンド+チップウレタン30mm +シート生地(網目から合皮に変更)これらの合算で純正よりはワンランク上の上級車種の座り心地を目指す。ユアブランド製は単なる1枚の合皮ではなく約8cm幅で横に縫い目があるが、表皮と裏地の間に薄いスポンジが入っているため今まで以上の高級感ある座り心地を得られる。  チップウレタン+結束バンドで対策し、取り外した状態で地面に置いて座ってみるが、安定性が悪いため組み上げて車に取り付けて実際に座ってみないと本当の完成度は分からない。特に運転席は長時間に渡り色々な道を走ってみないと本当の出来具合は分からない。  一度経験してしまえば、気に入らなければまた分解して手を加えることもできる。  ベストタイミングでユアブランド店長さんのアドバイスが届いたため、急遽、ホームセンターで、厚さ5mm×300mm×300mm ゴムマット2枚購入してスプリングの上側と座面に敷いた。これが功を奏してフワフワ感が消えどっしりした座り心地に変化した。  座面上面にチップウレタン30mmを貼り、その上の中央部分にゴムマット、全体に厚さ10mmスポンジを貼り付けた。後は、この上からユアブランド製シートカバーを被せるだけとなった。  純正より座面の厚みが40mmも増えたため上手く被せることが出来るのか不安が募るが、車の知識が少しでもあれば交換できるほど詳しい交換説明書が付いて来たので心強い。  次回は助手席シートの完成まで、このコラムでご紹介して行きますので興味のある方は参考にして頂けましたら幸いです。
 2022/2/15  前回は助手席の座面の裏面部分、座面部分の改造作業をご紹介しました。シート表皮を被せてしまえば隠れてしまう部分なので細かい部分は無視しても大丈夫。肝心なのは座った際の座り心地がどうなのかに尽きる。  純正シートの欠点は、  1:ちょうど重量が掛かる場所のスポンジが薄く大きな横溝(スポンジが無い)がある。  2:スポンジが柔らか過ぎる。  3:前側が厚く背面側に行くほど薄くなり急激に落ち込んでゆく。  上記の欠点を改善するため前回紹介したような改造を施した。チップウレタン+スポンジ=4cmを座面に敷いて行うため上手く表皮が被せられるかが勝負となった。  案の定「やばい!」と思わず声を上げるほど上手くかぶらない。  純正は硬いピアノ線でシート枠に留めてあったが、今回はホームセンターで売っているタイラップ(結束具)を4面全てで留めてゆく。最初は隙間が大きくてもタイラップであれば軽々と留めることができる。その後で、徐々に締め上げて隙間を埋めてゆく。  分かったことはチップウレタンを指で強く押せば半分ほどに押せて凹むが、面積が大きくなると、ほとんど押し込めない。それでも強引にタイラップで締め付けることで何とかパッと見て分からない程度に収まった。シート下側部分であること、リクライニング部分のカバーで隠れること、実際の装着ではコンソールBOXなどで見えなくなってしまう部分なので何の問題も無さそうだ。  画像を見れば分かる様に、自分で希望したベージュ、薄い青、濃い青色配色のため汚れそうだが、誰が見ても明るくて綺麗でお洒落な雰囲気になった。当然ながら新品の表皮のため新車に近づいた。作業は色々と大変であるが、完成すると見た目で違いがハッキリ出るため満足感は高い。「注文して良かった」と自然と笑みがこぼれてくる。  完成して座ってみたがワンクラス車格が上がったようなどっしり感が得られた。早く車に装着して座り心地を確認したい所だが、キャンバストップ交換で汚れそうなので、最後の最後に装着することになる。  助手席が完了したので、次回はリアシートの改造をご紹介しましょう。
 2022/2/28  前回は助手席シートでした。今回はリアシート改造についてご紹介しましょう。  リアシートは座面と背面とがあり構造が大きく異なっていた。座面シートはスポンジだけの巨大な塊、裏面は大きな凸凹形状でスプリングは無い。そこで凹み部分にチップウレタンを少し大き目サイズに切り埋め込んだ。(画像参照)  表皮を被せる前に厚み10ミリの少し硬めのスポンジを座面部分に接着してから表皮をかぶせた。  背面シートは薄いスポンジだがスポンジを支える裏面はシートを倒した際に荷物を受け止めるためプレスされた鉄板で、この鉄板を隠すようにトランクマットがクリップで装着されている。  この背面の鉄板部分は真っ赤に錆びていたので塗装しただけで済ませ、スポンジ部分は何も手を加えないで表皮をかぶせた。フロントシートに比べたら、遥かに簡単であった。  2022/3/15  パオのレストア、今回はスピーカー交換。  パオ純正スピーカーは楕円形(15cm×10cm)で助手席両側に装着されるため良い音質は望めない。30年以上経過しているため、古いスピーカーの宿命であるエッジと呼ばれる部分がボロボロになっていた。  楕円形という特殊形状になるため、取り付け板を改造しないと丸型スピーカーは装着出来ない。色々と探していたらピッタリサイズ(6インチ×4インチ=16cm×10cm)のアメリカ製キッカーというスピーカーが見つかった。価格的にも送料込みで1万円以下なので、キッカーに決定。  RAV4 PHVで購入した制振材が余っていたのでスピーカー取り付け部(ドアの直ぐ後ろ側)に施工した。この部分は古い車なので鉄板1枚で、手で叩くとカンカンとかなり反響する。制振材を張ることでボンボンと低い低音に変化した。更に、その上から余っていた吸音材も貼り付けた。走行中の騒音対策にも多少は効果があれば嬉しい。  スピーカー装着パネル裏側にも同様に、制振材を裏側全面に貼り付け音質向上を狙う。またスピーカーカバーに貼ってある純正の埃除けの布は取り払い、トリムにも制振材を貼り付けた。スピーカー取り付けビスはMVS 6ミリ、ボルト&ナットに交換と、こだわってみた。  音質向上はキリが無いので、一応、スピーカーのボディやマグネット部分にMVSアルミテープを施工。オーディオ本体は純正を専門ショップに送り、カセットテープのモーター&ベルト交換、照明交換などを含むOHを依頼した。現代的なコンポに交換するのも価格的にはそれほど差は無いが、レトロな時代を楽しむために、ここは純正にこだわってみた。  完成して試聴してみて、どうしてもダメなら小さなツイーターをフロントダッシュ盤左右に追加設置することも検討している。この車の性質上、オーディを聴きながら走るよりも、キャンバストップを開けて、5速ミッションを駆使して軽快でレトロな走りを堪能したいというのが狙いである。

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