第十四章 メンテナンスもチューニングも保守派か革新派かで方法が異なる
 この章では新発売して早くも10年を迎えるMVS=マシン・バイタル・システムについて詳しく解説する。
 一般的にオカルトグッズと揶揄されるように得体の知れない催眠商法まがいと混同されがちであるが、その優れた性能を享受して車の走る喜びを満喫されている方々も沢山存在する。一言で説明することが難しいことと特許取得に関わる企業秘密もあるため意図的に詳しい説明は避けてきました。しかし、きちんとした技術的理論に沿って開発製造しています。
 部品を交換した場合、結果の良し悪しに関係なく、そのまま長期間に渡って使い続ける。車を買い替える場合も取り外ししないで売却してしまうことが多い。年々新車保証基準も厳しさを増し、コンピューター制御が増え予防安全装置が沢山盛り込まれるため改造は難しい。
 MVSは、改造しないでポンと簡単に装着出来るため一部の排気系アイテムを除けば誰でも簡単に取り付けて、直ぐに走行して結果を検証できる。車の買い替えでも一部商品を除けば簡単に取り外して再利用が可能である。高価な製品もあるが1枚1000円ほどのアイテムもあるため、数千円の投資からチューニングを楽しめる。結果が自分の希望と異なる場合は、装着位置を移動したり他のアイテムを追加装着することで希望する性能を導き出すことが可能である。チューニングとは調律と言う本来の意味があるように調整してベストを探し出す作業である。
 この第十四章だけでなく、第一章から通して全ての文章は相互に関連しています。一部分だけを取り上げるのでなく、前後の文章を読み返して私が何を読者の方に伝えようとしているかを汲み取って頂けたら嬉しい限りである。
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14−1:自動車の進化に合わせメンテナンスもチューニングも変わるべきだ。

 昔も現代も保守と革新は政治、芸術、ファッションなど、どんな分野にも存在してきた。自動車メンテナンス&チューニングにも、それは当てはまる。
 アタックレーシングファンや愛用者の方々であれば藤澤は革新派と直ぐに解る。だからこそ、MVS(マシンバイタルシステム)を研究、開発、販売できた。
 人間は自分で理解できないものと遭遇した場合、理解しようとしない、受け入れない、拒絶する人々が少なからず存在する。それらの人々が口にする言葉は「オカルトグッズ」となる。頭で理解出来ないため実際に試してから見解を発信するのではなく最初から拒否反応を示す。
 MVSにしても「どのような原理で、どのように作用して何がどう変化するのか?」が、誰でも分かるように明らかになっていない。だから、俄かには信用できないし、疑いの目で見ることになる。しかし、私の技術屋としての経歴や実績を知り信頼を寄せる人々は即座に受け入れてくれる。実は一番重要なポイントこそ「嘘か本当か実際に試してみる」ことに尽きる。試せばすぐに真実が見えてくる。
ホイールなどは見た目のデザインや製造方法、材質、重量を知ることで、ある程度、性能が見えてくる。反対にMVSのような性能が見当がつかない製品は実際に使ってみるまで何も分からない。だからこそ、私は、とことん性能アップを研究し製品に盛り込む。言葉には出さないが「この高性能が分かるか?」という思いを込め、愛用者にリリースする。

 どんなに高性能であっても、色々な要因で体感度は低下する。
1:今まで、何も改造など施さないノーマル仕様で自動車を乗ってきた経歴の方。
2:ドイツ車など、元々、ボディ剛性の優れた車。
3:運転方法がおとなしく優しく運転するタイプ。または燃費運転を心がける方。
4:車は下駄代わりで、生活道具で、それほど思い入れが無い。
5:大排気量、高級車、それほど欠点が無い完成度が高い新車。

 もうお分かりのように完成度が高く、あまり欠点が少ない車ほど体感度はどうしても低下する。逆に言えば、上記の正反対の条件ほど体感度は増し、MVSの性能が把握しやすくなる。
 簡単な比較を書けば、メルセデスベンツよりは軽四輪車の方が分かり易いと言える。この違いは、かたや、速度無制限のアウトバーンを200キロ以上の高速で飛ばせる環境で評価される環境と、狭い日本の道路をちょこまか、お買い物や通勤などで使用される小型車という環境の違いで作り出される自動車に、大きな違いが生じることは当たり前である。
 速度無制限のアウトバーンを安定して飛ばせる車に仕上げるために不可欠な要素は頑丈なボディと足回りを作り上げることにある。対して、日本の速度制限はようやく新東名高速道路で試験的に110キロ区間が生まれた程度である。自動車メーカーは、実用域で無い性能に大金を掛けて研究、開発、製造することは積極的に行わない。また、一般購入者が購入の際に重要視する事は、価格であったり、燃費であったり、乗り心地であったり、使い勝手であったりする。購入前に実際に試乗したとしても、高速道路を飛ばしたり、峠道を攻めて操縦性や安定性を確かめる人は極々少数派となる。
 では、高速度になればなるほどボディ剛性が重要となってくる、その理由はどこにあるのか。基本は簡単で、高速度になればなるほど、大きな力が荷重を支える部分に掛かるため変形率(歪み代)が大きくなるからである。
この歪みが大きくなるほど車は安定性を損なったり乗り心地も悪化し、操縦性にも影響を受ける。
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14−2:チューニングとは調律でありベストを探し出す作業である。

 多くの製品は、技術レベルが低い人でも簡単に理解できて使用出来るよう心掛ける。例えば「ラジエターホース装着用」と設定すれば「ああ、ラジエターホースに取り付けて使用する」と、誰でも理解出来る。MVS製品の場合も同様に「ラジエターホース用」を設定している。
 しかし、他と決定的に異なるのは、その製品を太い配線に装着してみて、その結果が良ければ、それも正解だという点である。この例が示すように、材質や形状にもよるが装着可能な所を見つけて装着、テスト走行、良いか悪いか結果を判定して効果的な装着場所を探し出す作業こそ「チューニング」と呼べる。
 実際は「製品○○○を吸気管に付けたら、どう変わりますか?」と、多くの方が質問してくる。私の解答はいつも同じ「適当にあちこち付けて走って結果を見て良い結果を探し出す宝探しゲームだよ」「先にあまり考えて行うと、かえって良い所が見つけられないよ」と答える。言い換えると「常識が邪魔をする」ということだ。重要なのは「コロンブスの卵」的、発想を求められる作業がチューニング作業である。
 どんな趣味でも「好きこそものの上手なれ」という諺が当てはまる。プロスポーツ選手でも最初は初心者であり夢中になって基本を学ぶために練習に励んだからこそ上手くなった。チューニングにもそのまま当てはまる。何事も実際にやってみて失敗の中から学んでいく。 MVSが優れている点は、一昔前のスポーツ部品交換と異なりポンと簡単に装着できるアイテムが豊富に設定されている点である。例えばパワーボルトやパワーナットは同じサイズのボルトやナットと交換して走行テストで結果を検証するだけであるから、初心者でも難しく無い。良い結果が得られなければ簡単に元に戻せる。特にパワーナットの場合は余っているネジ山があれば、そこに付けるだけで効果を試せるから驚くほど手軽である。

 私は来店されたお客様に次のように声をかけるーー
「自動車メーカーが長い歳月と莫大な開発費を掛けて市販してきた自動車を、一切の改造もしないで、たった1万円以下の製品をポンと装着しただけで体感で違いを実感出来ることは本当に凄いことだと思わないかい」と。
 オカルトと頭から拒否していると時代の流れにいつのまにか取り残されてしまう。ネット注文が始まった頃にも同様の話があった。「エッ、パソコンでお買い物ができるなんて嘘のような話だね」と、多くの人が疑っていた。
 MVSが難しい点は理屈や作用が、まだまだ現代の進んだ先進科学でも完全に解明されていない点である。私は技術者なので科学者のように長い年月と莫大な費用をかけて作用の解明を進める立場ではない。世界中の科学者が解明に取り組んでいると思われる。特許事務所に実用新案の申請でお世話になった際、「まだ50年は掛かるのではないか」と言っていた。
 AIが実用化の一歩を踏み出しロボットが活躍を始め、科学の進歩には目覚しいものがる。だから何でも解明が進んでいると人々は誤解をする。本当は解っていることより、まだまだ解らない事の方が遥かに多く存在するのだが、、、

 レーシングメカニックの経験で述べれば「結果を先に出して理屈は後から考える」というスタンスが私の歩んで来た人生である。この場合、
1:何かを変えたり取り付けた=アクション
2:何らかの変化なり結果が得られた=結果
3:何で変わったかを推理する
 この場合、3で推理したことが間違っていたとしても、アクション=結果には何の影響も出ない。半年、2年後に「アッ、そうなんだ」と、理屈が分かる時もある。MVSの開発も、トライアンドエラーの繰り返しから産み出している。
 ここで1番の問題点は、「何か」を感じ取る能力があるかないかに掛かってくる。商品開発の立場から言えば、あまりにも敏感過ぎるのも良くないし、反対に、凄く鈍感でも相応しくない。その理由は後から述べるが、私の会社の社員や、お客様の中には
1:凄く敏感な社員
2:私は丁度、中間的な感度
3:少し鈍感な社員
が存在した。実は、これが非常に開発に役立った。
 その理由は、1の敏感な社員だけに頼って開発・製造・販売した場合、敏感な人だけが評価する一方で、普通の感度の人や、鈍感な感度の人は、効果が実感出来ない確率が高まることは明白である。
 2の中間的な感度に合わせた場合も、鈍感な人には体感度が下がってしまう。しかし、開発段階で鈍感な人が担当したら、少しの違いが分からないため良い開発に繋がらない。1、2、3と、タイプの異なる感度を持つ人が居たからこそ、スムーズな開発が進行し、高性能なMVSが産み出された。

 ある意味、人間の感覚は鈍いように見える反面、機械では測定出来ない微妙な違いを感じ取る優れた能力も合わせ持っている。この感覚は個人差が非常に大きい。資金力に優れる大手企業であれば高額な測定器具を駆使し、どのように違うのかを測定出来ると思われる。 問題は、その測定装置で、ある値が弾き出されたとしても、実際に使用した場合、何%の人が、その違いを感じ取ることが出来るかどうかに掛かってくる。「数値上の違い=違いが分かる」とはならない。
 そのために、私が開発で行う手段は先程述べたように、感覚の異なる複数人で、異なる車種を用いて、実際の施工、テスト走行を繰り返す。感覚の鋭い人で、ある程度、どこに何をどのように装着したらどのように変化するかを試行錯誤して煮詰めて行く。これが開発の第一段階。次に中間的な感覚の私が、同じように施工して違いを感じ取ることが出来るかテストを繰り返す、これが第二段階。
 もう分かってきたように、ここまで来たら最後に、感覚の鈍い人で最終テストを実施する。感覚が鈍くても、装着、取り外しを繰り返し、なんらかの違いを感じ取れるようであれば、一応、ある程度の製品が出来たと考えてよい。
 次の段階は、妻や娘の車など、あまり車の走りを意識していない人達を選んで、どこに何を装着したかなど一切言わずに「走ってみて違いが分かったら教えて」と送り出す。これを10台10人で実施し、8人から9人が違いを感じ取ることが出来たら実際に市販したとしても同じような評価が帰ってくるに違いない。高価な機械による評価試験よりも確率が高いと捉えている。感じ取れなかった1人または2人には、必ず何らかの原因が隠されている。例えば感覚的に凄く鈍感な人、車の運転に日頃から無頓着な人、新車や大排気量でパワーが充分で欠点の少ない車、運転が乱暴でアクセルやブレーキを乱暴に操作する人、正反対に燃費走行が主体でアクセルやブレーキを優しく操作する人などの、普通の運転とは異なる環境などが結果を左右する。だから、この場合の2割は確率から除外した方が評価試験としては正しいと言える。
 レーシングエンジンの開発でも同じことが言える。ベンチテストで幾ら馬力が高くても実際にサーキットで走らせてみると優れたラップタイムが出るとは限らない。馬力を無理やり出せば低速トルクが低下して加速が悪化してしまう。最終的には馬力とトルクのバランスや、ピックアップが重要となってくる。
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14−3:MVS作用や正体の考察

 オカルトグッズと揶揄される由縁は「何故、どのような原理で、どのように物質に作用して変化が産まれるか」が科学的に説明出来ないからである。
 「静電気を除去するから」と説明を付ければ「成る程!」と、納得する人がほとんどだろう。その理由は、静電気という言葉も、静電気を除去するという理論も、ある程度見たりきいたりして違和感が無いからである。スタップ細胞ではないけれど、今まで聞いたことも無ければ見たことも無い未知の物であれば即座に納得出来る人は少ない。時代的にもオレオレ詐欺など、先ずは何事も疑って真偽を確かめなくてはならない時代になってきた。

 私が理論や作用を公表しない理由はいくつかある。
1:まだ解明されていない作用を推測のみで公表したら、後で作用が解明された際にそれが間違っていた場合、嘘を言っていたことになる。
2:新しい技術は当然ながら企業秘密であり特許を取得する前に公表するメリットは何も無い。
3:その他

 MVSの開発製造販売から早くも10年程の歳月が経過した。作用や理論は全く解らないままだが、朧げながら実態が浮かんだり消えたりしてきた。ここからは、あくまで推測ながら解説をしてみよう。本当かどうかは、やがてどこかの学者が発表する日が来ると考えている。
1:MVSを装着すると即座に変化を感じ取れる。
2:MVSを取り外すと数分から数時間で効果は消え去る。装着時間が長い程、取り外した後も効果が消え去るまでの時間は長引く。
3:MVSを処理した物体は物理的強度は何も変化しない(引っ張り試験測定)。例えばホイールナットにMVS処理をするとホイールに作用する。時間経過と共に、その効果は波及してハブやブレーキローターなどにも作用して行く。
4:装着により電気は流れ易く(但し抵抗値は変わらない)なる。吸入空気や排気ガスなどの流れが向上する。その結果、レスポンスやトルクアップ等を実感出来る。
5:乗り心地や操縦性向上、安定性向上など、装着する場所やアイテムにより、かなりの向上が図れる。簡単に言えばボディ剛性向上が図れる。
6:単に自動車だけでなく人間の肩凝や腰痛を和らげる作用も確認している。
7:ゴルフクラブに施工してプロゴルファー3人に飛距離や方向性を測定した結果、左右と前後に対するバラ付き度は3人共に減少した結果が得られた。
 この他にも数々の改善効果が確認出来ている。

 では、何故このような改善効果が得られるのか、そこを知りたいと多くの方が感じている事だと思う。
 共通して言えることは「ナノレベルで組織が密に手を結ぶ」ということが目に浮かんでくる。例えば鍛造という手段はプレスで高い圧力で叩き組織を密に仕上げる事で強度を増す。MVS作用は装着した瞬間から組織に作用、ナノレベルの組織の1個1個が見えない手足を繋ぎ合せるイメージだ。そこに走行などにより強い力が掛かると、クラス全員が一致協力するのと同じように、繋いだ手足が更に強く結ばれてゆくイメージがわいてくる。
 来社されたお客様に実用新案を取得したマグネットでボディにポンと付けられるパワーブロックを4個ほど装着し、一般道路を約2kmほどのテスト走行に送り出す。帰ってきたお客様に結果を聞く。分かる人、分からない人も居る。装着したMVSを全部取り外して、同じ道を同じように走って頂き、再びコメントを頂く事を繰り返す。すると、私のイメージと同様に「付けた瞬間からボディが硬くなった感じが分かった。外すとアッと言う間に元に戻る感じがする」と多くの方が感じる。
 
 開発を含めると十数年間、MVSと付き合ってきたため、ぼんやりと正体らしき物が浮かんできては消える。どう表現したら良いのか解らないためイメージと表現してみた。読む人が分かるように手足と表現したが実際はどんな結びつきをするのか確認する術は無い。おそらく、どんなに優れた電子顕微鏡でも見えない結びつきを見る事は出来ないと私は考えている。新しい物は新しい装置を開発して初めて解析が可能となってくるからである。
 例えば教室に50人の生徒が居て、いきなり見知らぬ人が教室に侵入してきた場合、我先にと出口に向かって殺到しては押し合い圧し合いしてスムーズに出ることが出来ない。日頃から訓練して秩序だって手を繋ぎ脱出したとしたらスムーズに脱出できること間違いなし。ナノレベルで物質が手を結ぶことで、電気はスムーズに流れ易くなり、吸気や排気の流れもスムーズに流れるように変化する。こう考えると、MVS作用の本質が見で見えるように浮かんでくる。

 実例としては、バッテリーマイナス端子に、MVSパワーリングを装着してみると、、、
1:音感に優れた方は、即座にオーディオの音が良くなったと声をあげる。
2:ヘッドライトが明るなった。
3:装着して毎日電圧を測定してみたら3日後に0、3ボルト向上した。
4:カーナビの近くにMVSを装着したら映らなかったバックカメラが映った。
などの結果が得られ、電気の流れが改善されたという結果が出ている。
 ネックレスやブレスレット、更には足首に装着する鎖を作り、MVS処理した物を人間に装着してサーモグラフで測定した結果、体温の上昇(装着した周囲)が確認出来た。この結果からも、電流の流れが向上したと同様に明らかに血液の流れの向上が確認出来る。肩凝りも血液の流れが悪くなる事によって引き起こされる。だから、何でも改善出来る魔法のアイテムではないが、血液の流れの改善効果で得られる症状であれば改善できる確率は高いと判断できる。

 次はボディやサスペンションに装着した改善効果について考察してみよう。
 地球上のあらゆる物質は、外部から何らかの力を受けた時、その力を受け止め歪みが発生する。タイヤが凸凹を通過した際に、たわむ事は容易に想像出来る。タイヤほどは歪まないが、ホイール、ハブ、サスペンションアーム、ブッシュ、メンバー、ボディと連鎖して次々と歪んで行く。そこまで想像出来る人は少ない。何故ならその歪みを目で確認出来ないからである。一例としてジェットコースターの構造物も風速が15メートルを超えると風圧を受けて振動する。鉄橋でも足ゲタでも同様である。
 話を開発段階に戻すと、ゴルフクラブのシャフトを測定する会社にMVS施工有り無しの測定を依頼した。その結果は施工有り無しでシャフトの強度に何の変化も出ないという結果であった。MVSを処理したボルトの破断試験でも何も変化無しという結果も得られていた。しかし、この試験は無駄では無かった。
 何故無駄ではないか、その理由を考えてみてください。

 ゴルフクラブのシャフトも弓のように大きくしなる。目では確認が難しいが高速度カメラで撮影された画像を見ると、よく解る。実は自動車のボディも結構歪んでいるが、運転していてそれが目視では確認出来ない。感覚で掴むしかない。
 シャフトの試験機はシャフト両端を支え、中央をゆっくり押して行く。破断試験もボルトの両端を固定し、ゆっくりと引っ張ってゆく。この、ゆっくりと力を掛けてゆく試験方法が実際の力の掛かり方と大きく異なっている。そこが問題である。
 自動車のサスペンションにしてもボディ、クラブシャフトも、力が掛かる時はダイナミックに瞬時に掛かる。この時に、前にイメージで解説したように、ナノレベル同士で強固に手を結び頑張ったかのような感覚が伝わってくる。ゆっくりだと、その手を結んだかのような感覚は感じられない。
 MVSを装着した状態ではホイールバランスの1回目でウエイトを打ち込んだ状態。次にホイールを高速で回転させ更に微調整を加える。回転速度が高くなるほど微妙なバランスの狂いも気になってくる。

 お客様の中に鍼治療の方が居た。MVSのアイテムに手を近づけるだけで強さが分かると言った。また、ボディの弱い所も探し出して行く。プロの鍼治療はバイタルポイントと呼ぶ、ツボに鍼を打つための訓練からツボを探し出す方法を身につける。
 放射線では無いけれど、MVSから何かが放射されていると思われる。まだ何であるか私も解明出来ていないが、中にはMVSをコンソールBOXに置くだけで「何だかエンジンが静かになったように感じる」「エンジンの振動が減った」と分かる人が居る。「同時にボディも硬くなった」と、言ってくる。

 昔々から、人間は「気」を感じ取っていた。例えば、天気、殺気、気配、気力、気候、気持ち、など「気」が付く漢字が多いことでも分かる。何だか自分を見ているような気配を感じ取って視線を送ると、目と目が合ったという経験は多くの方が経験していると思われる。
 MVSは直接施工した方が効果は大きく作用するが、強力なアイテムだと遠くまで波及効果があるように感じる。
 簡単な試験方法があるので、興味のある方は試してみるとおもしろい。

 まず1メートル四方の四隅にMVSを床に置く。出来るだけ性能の高いアイテムの方が違いが分かり易い。パワーブロックの大、PTブロック、フラットプレート(SまたはL)、ネックレス、ブレスレットなど、違うアイテムを組み合わせて置いてもよい。次に、置いたアイテムの中央に立って屈伸運動をしてみよう。MVSと離れた所で屈伸運動した場合と、MVSを置いたサークル内で屈伸運動した場合を比べてみると、明らかにMVSサークル内で屈伸運動した場合の方が柔軟性が増している。
 会社に来社されたお客様で何人かテストしてみた結果、一番変化した方は約8センチほど指先が床板に近づいた。また、サークル内に立って、後ろから背中を軽く押した場合、柔軟性が増しているため体勢が崩れにくい。同じ事をサークルの外で行うと体勢は崩れ易い。この実験から、MVSは約50センチから1メートルくらいの範囲に作用が及んでいると推測できる。
 例えばPTブロック2個をヘッドカバーに施工した場合、エンジンだけでなく操縦性まで変化を感じたと報告が寄せられる。これはボディにまで効果が波及した結果、ボディ剛性が向上した結果として体感したと言える。
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14−4:MVS施工のポイント

 どんなに優れた製品でも使い方で性能は大きく左右される。特にMVSのような決まりきった装着方法や使用方法が無い製品は、装着方法で大きく変化してくる。

1:ある程度の予算を用意して装着していくこと
 その基本は、ケチっていたら良い結果は得られにくいという点に絞られる。人によっては2000円でパワーシート2枚を購入して良い結果を期待する。それでも良い結果が得られる場合もあるが、自動車メーカーが何年もの歳月と莫大な開発費を注ぎ込んで市販してきた自動車を、たった2000円のアイテムで大きく変化したら本当に凄いことだと思って欲しい。
 車好きの常連客(女性)がアイミーブで来社され「モーター部分にPTブロックを3個取り付けて下さい」と言ってきた。それから1週間が過ぎて来社され「良い効果が得られているので、更に3個追加装着して下さい」と依頼してきた。次の週に、更に3個追加装着、何ヶ月過ぎてから、今度はステーション(ステンレスの塊)を装着。その結果は、箱根のターンパイクを登坂する際に、パワーモードでやっと登る状態から、ノーマルモードで登坂出来るように改善された。電費も伸びてカタログデーター値を超えたと言ってきた。このことから分かるように、ある程度装着すれば、おのずと結果は付いてくる。これがひとつのポイント。

2:あまり深く考えないで、とにかく装着して走行テストを繰り返すこと
 多くの人は装着する前に、色々と頭で考えてから装着する。勿論、それはそれで当たりを得られることもある。それを過ぎたら、あまり深く考えないで「こんな所で効く訳ないな」という所にポンと装着してみる。これを行わないと新発見に結び付かない。どうして効いたかなどは、良い結果が得られた後で、ゆっくり考えれば理由が見えてくる。コロンブスの卵的な発想は実は凄く難しい。ある意味、簡単な事ほど難しいとも言える。

3:最重要ポイントは、誰もが解る高性能なアイテムであること
 性能が低ければ、当然の事だが、どこに装着しても結果は体感で現れてこない(分かり難い)。性能が高ければ結果はどうあれ良くも悪くも結果は出てくる。前に紹介した鍼灸士の方から最初に聞かれた事は「MVSを付けたら悪くなる事もあるかね?」だった。私の答えは「はい、有ります」。すると「それだったら効くね」と納得していた。
 性能の低い物は良くも悪くも、あまり変化(改善または改悪)しないため悪さをしない反面、良い結果も望めないと理解していたコメントである。マフラーなどと異なり装着して悪い結果が出たら装着場所を簡単に変更出来るメリットを持っている。
 MVSに興味を持って来店された方に、詳しい説明はしない。効果的なMVSアイテムを2〜3点選んで車に装着し「暫く走ってきてみて」と、送り出す。「どのように変わるのですか?」という質問に先に答えない。先入観が評価の邪魔をするからである。会社に帰ってきたら「どうだった?」と聞く。これを10人に行うと6割から8割の方が違いを感じる。解らない人が4人居た場合、MVSを全部取り外して「同じ道をもう一度走ってきてごらん」と送り出す。すると2人か3人は「やっぱり違うね」と言ってくる。何も解らないと言ってくる人は1人から2人。「高いから買わないで帰ったら」と私は言う。
 そんな私と客とのやりとりを見ていた常連客の一人がポツリと言った。
「あれで解らなければ何をやっても解らないね」と、自動車を購入して純正仕様のままで長年に渡り乗ってきた履歴の人は感性が磨かれていないため違いを把握しにくい。反対に、タイヤ銘柄変更、ホイール変更、タワーバー装着、サスペンション交換など、色々と試してきた履歴のある方は違いを把握しやすい。これは経験値の差が出てくる。
ワークスメカニックとして20年間戦ってきたプライドに掛けて「誰もが解る高性能化」をテーマに商品開発を行なって、その目標が達成出来た商品を販売開始してきた。レースと同様に、少しでも性能向上が達成出来たら、予告なく製品に盛り込み、密かに「違いが分かるかな?」と評価を気にしてきた。原価低減して性能を下げる事は頭に無い。

4:車によって差が出てくる
非力な軽四輪車や中古車を手に入れた場合などは改善が分かり易い。反対に新車や3000ccを超える大排気量車、ボディ剛性の高いドイツ車などは変化を感じ難い。昔からレースチューニングの世界でも「ドイツ車はエンジンをメインにチューニングを施す」、反対に国産車は「エンジンよりもボディや足回りを重点にチューニングを施す」と言われきた。これは市販車でも通用する格言である。

今まで解説してきたことを整理すると、
◯分かりにくい車で、少しだけMVSを装着し、燃費走行がメインで、あまり改造した事の無い人の組み合わせだと、どんな高性能アイテムでも違いは出難い。これはMVSに限らず当社の高性能エンジンオイルでも同じ事が言える。
◯もうお解りのように上記の反対の組み合わせであれば違いが分かり易い。但し、レースやスポーツ走行など、過激な走行状況でも些細な違いは把握しにくくなる。その理由は他に気を配る要因が沢山増えるためである。プロのレーシングドライバーでも車の状態を把握するのが得意な人と、把握は苦手だが、どんな仕様の車でも乗りこなしてベストタイムを叩き出してしまう人が居る。前者はセッティングを煮詰める開発ドライバー向きで後者はレースで勝利を収める実践派と言える。しかし、時にはセッティング派ドライバーが実践派ドライバーを打ち負かすこともある。私の尊敬する鈴木誠一ドライバーもセッティングを煮詰めて輝かしい勝利を沢山獲得している。後者のドライバーは高橋国光選手かもしれない。


ここまで解説してきたが、MVSの持っている作用や理論の、ほんの入り口かもしれない。新発売した際に多くを語ってこなかった理由がここにある。中途半端に説明しても誤解を招くだけだと思ったからにほかならない。

年が明けたら、MVSの実際の施工方法やポイントなどについて解説する予定です。
お楽しみに!!
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第十五章 MVS実際の施工テクニック
   

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