第十五章 MVS実際の施工テクニック
 14章に引き続きこの15章でも、発売して早くも10年を迎えるMVS=マシン・バイタル・システムについて詳しく解説する。
 この章では、MVSの実際の施工方法や活用方法、施工の基本編、応用編、注意点などを施工場所や活用場所に分けて解説してゆこう。
 基本を知ることで、応用する方法や実践意欲が自然と湧いてくる。「好きこそものの上手なり」ということわざは、どんな分野にも共通している。この解説はあくまで施工の入り口に過ぎない。MVSは大きな可能性を秘めている。最初は簡単な施工から始め、あとは遊び感覚で気軽に試すことで自然とMVSの特性を深く知ることにつながってゆく。
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15−1:MVS実際の活用方法 人間に用いる場合

 MVSの開発は25年前頃から着手している。ご存知の方も多いかと思われるが、オートメカニック誌・臨時増刊「エンジンを元気にする100の方法」執筆を2000年頃から開始し途中の休刊も挟んで18年間ほど原稿を書いた。原稿とは言っても今まで誰も公に公開していない新しいファインチューニングを紹介する内容だったため、自然と新しい物に取り組んで結果を紹介して来た。口の悪い人からはアタックレーシングの宣伝本だと言われたが、私が発見したり独自に実施していたため仕方がない。

 当時はトルマリンが全盛期で、トルマリン安眠枕や、吸気関係にトルマリンマットを巻き付けたり効果を検証する人が多かった。小さなトルマリンシートをお客様が持ってきて「これをオーディオやテレビに貼ると音が良くなる」と言うので試してみたが私は変化を感じなかった。
 トルマリン原石でも色々な色があって黒い原石が効果が高いと言うので原石2kgと粉末1kgを購入した。粉末を塗料に混ぜてショックアブソーバーに塗り込んでテストしたりしてみたが、私の基準ではハッキリ違いが分からないで終わった。その結果、トルマリン原石とトルマリン粉末は在庫のまま沢山残っている。

 私が実感したようにトルマリン効果は宣伝ほどでも無いということが広まり、いつの間にか、あまり目にすることが無くなった。その後に現れたのがアースチューニングで、これは古い車には絶大な威力を発揮した。メーカーも新型車にその理論を盛り込んできたため新型になるほど効果度は低下していった。

 話が少し逸れたが、新しい技術は何時も頭の片隅に置いて考えていないと発見できない。ある日ある時突然閃いたり朝方の眠りが浅い時に突然空から舞い降りてくるかのようにアイデアが浮かんでくる。トルマリン効果は私の基準としている「超高性能」とは程遠かったから、MVSの技術を閃きテストを開始すると、その高性能に狂喜するほど興奮した。その開発時期はMVS発売の10年ほど前になる。

 もう一つの理由は、すでに放射線を基礎とする特許製品が発売されていたため、その特許に抵触しない方法を見つけ出さなければ商品化できなかった。それに私の中で、どうしても放射線を使用すること自体を好ましいと思わない感情があった。車はともかく特に人に使用する場合は放射線以外で有効な方法が好ましい。

 開発製造販売を開始すると、MVSは自動車だけでなく、様々な物に効果があることが浮き彫りとなってきた。しかしながら、自動車と異なり人間の場合は簡単にはいかない。

 鍼灸士さんの言葉として「良くも悪くもなる」と書いた。車の場合はそれでも良いが、人間に使用する場合は、悪い作用が少しでも認められれば一切の使用や販売は禁止となる。ここが最大の分かれ道となる。新薬開発でも数十年を要するように人間用の開発は10年ほどと、まだまだ期間は短いが現在も検証進行中である。

 後から詳しく解説してゆくが、人間への使用は車の何倍も個人差が大きく出るためHP上での販売を一切していないのは皆様すでにご承知の方も多いと思われる。
 MVSを発売した直後から「ネックレスが欲しい」と要望される方は意外と多かった。そこで、先ずは自分が実験台になることから始めた。次に家族や社員からテストを開始。ネックレス仕入れ会社の社長さんにお願いして、装着後のサーモグラフィー測定器での測定を依頼した。新薬でも治験と言って、ある特定の人を選んで効果を検証することから始めるのと同様のステップである。

 人に使用して何十年か過ぎて万が一悪影響が認められたら大変なことになる。一例を挙げれば発売当初は魔法の素材と言われ広く普及したアスベストも、ひとたび発ガン性が認められると分かると急に悪者扱いされ製造販売は禁止され、すでに施工されている物は撤去されてきた。だからこそ慎重の上にも慎重を期さなければならない。
 企業秘密になるため詳しくは書けないが、健康に対して何も問題が出ない方法でMVS処理を実施している。

 私は自らが実験台となりネックレスから始めたが何も変化を感じなかった。社員は何事にも敏感なので1週間も使用を続けると「身体がだるくなってくる」と言ってきた。強い効果がある物ほど健康食品にしても薬にしても副作用ではないけれど一時的に色々な症状が出てくる場合がある。その場合は、付けたり外したりを繰り返してゆくと、よほど敏感な人でない限り次第に慣れてくる。

 車に使用する場合は誰もが体感出来るように次第に強力な処理をして強くしていった。ところが、人に使用する場合は個人差が大きいためと長期間に渡り使用を継続するため、弱めの方が無難であることが次第に分かってきた。弱めから始めて後から要望によって追加処理で強くすることで解決した。

 MVSを新発売する前から自動車や人間に使用できる特許製品が販売されていた。来店されるお客様の中にも愛用者が多かった。そんな愛用者の夫婦が「室内のエアコン吹き出し口に装着したら夫婦揃って後頭部に違和感を感じる」と相談してきた。「それを装着して、そう感じたなら、エアコン吹き出し口に付けたアイテムを一度取り外してみたら」とアドバイスした。その後、同じ相談を他の夫婦からも受けた。MVSでは同様の相談は発生していない。

 敏感な社員は、その特許製品をこれでもかと沢山装着している車がオイル交換に来ると、リフトアップした車の下側に入るのをとても嫌がるが私は何も感じない。この事例が示すように処理している内容が不明のため、何がどの様に人間に影響を及ぼすのか不明であるが、これだけ個人差が大きい。

 チタン材質やネオジウム磁石などは血流を向上させるというのが一般的認識であり健康医療器具として認証されている製品も多い。ネオジウム磁石を埋め込んでも使用中に脱落することが多いため、私はチタン材質プラスMVS処理にこだわった。ご承知のようにチタン材質は基本的に永久に錆びないからだ。そのため骨折した場合の結合ボルトはチタンが使用される。もうひとつの優れた特性として金属アレルギーを引きおこさない。敏感な人は入れ歯の金やイヤリングなどでも反応してしまうと言われている。

 チタン材質が永久に錆びないと言っても鉄と同様に表面処理を色々と施さないと身に付ける装飾品としては適さない。簡単に言えば見栄えが悪い。チタンボルトなどは陽極酸化処理という処理を施して表面に酸化被膜を形成する。七色の虹のように処理する時間によって様々な色に処理することが出来るが、欠点も多い。
 あたかも金のネックレスと見間違う金色の処理が出来るIP処理が近年登場した。シルバーのメッキでもIP加工の金色でも使用していれば次第に汚れてくる。チタン材質其の物は、元々汚れた灰色のような色をしている。

 他にもいくつかの違いがある。自動車やバイクなど、軽四輪、乗用車、ワンボックス、SUV、トラック、キャンピングカーなど幅広い分野があるが、人間の場合は、もっともっと何倍も大きな個人差がある。女性と男性でも異なるし、体重や年齢も関係してくる。これに加えて健康度合いも大きく作用に関係してくる。

 私の個人的な感覚で書けば「何処か悪い箇所がある人ほど反応が早く気持ちが良い」と言ってくる。私がそうだが、健康体の人ほどネックレスやブレスレッドを装着しても、あまり体感での違いが解らない。勿論、自動車に装着して敏感に分かる人と、解らない人がいるのと同様に、人に装着した場合でも敏感、鈍感、中間的な人と分かれる。本当に敏感な人だと手の平に載せた瞬間に「なに!これ!!気持ち悪い」と、サッと戻してくる人が居る反面「なに!これ!!気持ちいい」と握り締める人が居る。それほど個人差が大きく出る。
 ちなみに持った瞬間に「気持ちいい」と言った人は「自動車事故に遭って、運が悪ければ車椅子生活になったかもしれない」という人で、まだ後遺症が身体のあちこちに残っている人である。

 他にも解り易い例として、何処かが痛い場合が挙げられる。ネックレスとブレスレットをお買い上げ頂いた、お客様で、仕事の関係で腰が痛くなってきた時に「ネックレスとブレスレットを連結して腰に巻きつけると痛みが無くなる」という報告を寄せてくれ、仲間にプレゼントするからと更にお買い上げくださった。
 また、仕事の関係で指を酷使して酷い痛みが襲った人が「指輪を作ってくれ」と要望してきた。痛い場合は、出来るだけ近い所に直接装着した方が良い効果が得られ易い。指が痛いからとブレスレッドを嵌めても効果は出なかった。これもひとつのポイントと言える。

 もうひとつの実例を紹介しよう。30年間も営業しているため、独身の頃からアタック製品を愛用され、結婚して子供が生まれ成長して行く家族も多い。
 その中のある家族から、小学生と成長に伴い癲癇の発作に襲われると相談された。そこで取り敢えずネックレスから初めてみようと提案しテストを開始した。暫くししてから「本人も良い」と言っていると喜んでくださった。それから年月が流れて中学生と成長したが癲癇発作が起きるようになり、医者から色々な薬を処方されて来たが「成長に伴い強い発作に度々襲われて救急車のお世話になることが増えた」と、相談に訪れた。そこで丁度かぶってきた帽子の内側にMVSホイール用を15ピースと、中央にMVSパワーメダル1個を貼り付けて様子を見てもらうことにした。数ヶ月が過ぎて「風呂に入っている時に発作に襲われたが妻が帽子をかぶせた所、発作が収まり救急車を呼ばなくて済んだ」と報告が寄せられた。

 MVSの効果が出ているかを調べる事は自動車の場合も人間の場合も、とても簡単に出来る。「一度取り外して様子を見てみると、効果のある場合は直ぐに元に戻るため」判断がつき易い。

 もう一つの事例は、まだまだ若く働き盛りの男性だが「冷え性で寝ていても足が冷えると眠りにつけない」という相談で足首に装着する足輪を作ることにした。最初はブレスレットを少し太くした物を造って頂き私が試してみたが、仕事で腰を落とし大きく足首が曲がると食い込んで痛い。そこで見栄えは普通だが鎖タイプのフリーサイズにすることにした。その結果は「冷えが少なくなり良く眠れる。もう必需品です」と良い結果が得られた。

 私はレーシングメカニックとして重いミッション、デフ、エンジン、工具などをトラックに積んだり降ろしたりを長年に渡り行って来たため、腰を曲げて作業すると腰に痛みが走る。意外とゴルフは大丈夫。そこでベルトにパワーメダルを付けたりしてテストしているが、鈍感なので効果があるのかいまいち解らないのだが、腰の痛みに関するレポートが届いたのでご紹介しよう。

「私事ですが昔の怪我の治療後、左手首が痛重く現在リハリビ中。時より重苦しくなるのですが、パワーメダルを1個押し付けてみたら、何と痛みが軽減!
調子に乗ってネットに4個入れて輪状にして手首に巻きつけていますが快適そのもの!解説の通り人体に効きますね。形状が良く使い易いのと、そもそもMVSパワーが強大のようです。なので今回急遽追加注文です。」(もちろん車にも使います:笑)


 人が何かと言っても痛みなど困っている人は藁にもすがりたい気持ちになる。慰めを聞いても痛みや苦しみは本人にしか分からない。
 骨折して足が完全で無い人に足輪を試してみたら「骨を繋ぐためのチタンボルトに反応するらしく、その部分に痛みを感じる」と言って来たため装着を辞めて頂いた。

 幾つかの実例を挙げたが、人間の場合は一人一人、全て異なるということが伝わったでしょうか。癲癇一つ取り上げてみても病気そのものが一人一人異なる。薬も色々と処方されるが、必ずしも効くとは限らないと言っていた。このように「困った時のX1頼み」と同様に。「困った際のMVS頼み」も有りかなと思っている。簡単に出来て、直ぐに効果が分かる。実例が示すように、ダメな場合は直ぐに取り外せば瞬時に元の状態に戻るためリスクが無い。

 人間に使用するとなると運動や仕事や歩行などの妨げになってはいけない。絶えず身に付ける物だから耐久性、見栄えなども重要となってくる。
 アイテムとしては、ネックレス、ブレスレッド、指輪、足環を製作してきた。腰痛に効くベルトを造って欲しいという要望も寄せられているが、私はパワーメダルをバンドに養生テープで留めてみたり、編線のパワーワイヤーを腰に巻きつけてみたりしてテストを重ねている。

 ネックレスは首に巻きつける物だから、どこに作用するかと言えば、首から肩にかけての血流が良くなる。肩凝りに悩まされている人や首を左右上下に動かす頻度が多い人、またパソコンなど絶えず使用する方は「目の疲れが違う」という報告も寄せられている。

 あるMVS販売店の修理屋さんが「パワーブロックをツナギのポケットに入れていたら疲れが違う」と報告してきた。ポケットだから紛失に注意したり、カードなどと一緒に入れたらカードの読み込みが出来なくなる恐れもある。そこさえ注意して使用すれば極めて手軽な使用方法の一つと言える。また、MVSフラットプレートを含め、MVSを沢山施工している人から「何だか運転していても疲れない感じがする」と数人の方から寄せられている。これも感じる人、感じない人、その中間的な人と個人差が出る感覚と言える。

 考えてみれば血液ドロドロになって引き起こされる糖尿病の症例として足の指の壊疽や目が見えなくなるなどがあるが、どちらも毛細血管の血流が悪化して引き起こされる症状である。MVSの作用をもう言わなくても解るように血の流れの改善効果によって、ある程度の改善が期待出来る。自動車でも同様であるが、あくまで基本は「元が良くなるような努力なり対処をする事が重要であり、それにプラスして更に効果的な方法を組み合わせる事が重要」だと認識して欲しい。一つの物に頼りきりになることは避けなければならない。

 非常に面白い事例としては、フロアーマットの下に敷くだけでボディ剛性がアップするMVSフラットプレートを使用しているユーザーが、お父さんを車に乗せた所、「ペースメーカーの電池が寿命が近づいた時のような違和感を感じると言ってきた。そんな事あり得ますか?」と、問い合わせが入った。回答は「一度取り外して様子を見て下さい」と答えた。第十四章で解説したように強いアイテムほど遠くまで波及効果が及ぶ事例と言える。この後からフラットプレート説明書に注意事項として記載した。

 人間の場合、健康状態は日々変化する。従ってMVS効果が本当かどうなのか疑う人が居ても不思議ではない。根本的に薬と大きく異なる点は、体に装着して数分から数十分で違いが出る場合が多い。車と同様に、一度取り外してみたり再装着を繰り返し検証することが出来る。

 理論は解明されていなくても、車と同様に
1:装着
2:良い変化を感じた
3:理論は未解明
という図式からも分かるように、1と2の因果関係は明らかである。
3は今後の解明を待たなくてはならない。

 X1オイル添加剤を初めて使用する方の質問も「X1をオートマに添加したらオートマの不具合が治りますか?」という問い合わせが多いが、私の答えはいつも決まっている。
 「内部がどのように磨耗や劣化しているのかオーバーホールしてみないと分からない。添加して治らなければ相当痛んでいる。本当は出来るだけ新車の内から添加して摩耗損傷を予防する使い方が理想と言える」

 人間に使用する場合も、まったく同じである。そこの所を誤解しないで欲しい。何事にも限度が存在する。人間の病気も真っ先に良い医者に出来るだけ早くかかることが基本となる。但し、どの世界も同じレベルの人ばかりではなくレベルの低いプロから優れたプロまで幅広く存在する。また、まだまだ分からない病気も多数ある。だから自動車用アイテムのMVSを自己責任でチョコンと仮付けして様子を見てみることは、難しく考えなければ、いとも簡単に出来る。

 結論を書くと
1:指、手首、腰など痛みや疼きを感じる箇所に装着すると痛みが柔らぐ。
2:足首や首にネックレス、ブレスレット、足輪などを装着すると、血行が良くなる。パソコンを長時間見ても目が疲れにくいという評価もある。
3:関節部分に装着すると可動域が広がる。(ヨガをする人)
4:ポケットに入れておくと疲れにくい。
5:その他
などが寄せられたコメントである。
皆様も安心して気軽にお試し下さい。
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15−2:MVSは電気系統に驚異的な改善効果を発揮する

 電気の3要素は、電流・電圧・抵抗であるが、MVSは、この概念を覆す作用を発揮する。それが何であるか、これからの解明を待たなくてはならない。他でも解説したように新しい発見を数値などで想定する場合、まったく新しい測定方法や測定具開発から始めなければならない。

 ヒントは第十四章で解説したように、ナノレベルでの分子の結合に隠されているように推測している。MVSアイテムを装着すると一瞬で「分子結合が密になる」感じがする。感じがすると書くのは、あくまで推測の域を出ないからである。しかし、MVSの凄い作用を理解するために欠かせない推論となる。

 第十五章の15ー1で解説した人間に作用する理論も、今回の電気に作用する理論も、今後に解説する自動車のエンジン、駆動系、ボディ等に作用する理論も全て同じ作用によって引き起こされることは高い確率で間違い無いと捉えている。一般的には「静電気を除去する」と言われるが私はそれだけでは無い他の作用が大きく作用していると考えている。

 MVS開発初期段階で、すぐに電気系統に効果が高いことが明らかになった。それは開発当初の一番始めに開発したアイテムはバッテリーパワーリングと呼ぶバッテリーターミナルに装着するアイテムであった。その頃は、アーシング全盛期の頃であったため自然と電気関係から開発をスタートした。

 すると音感に鋭い人から「装着するとFMの音が良くなる」と言うコメントがすぐに出てきた。開発当初は色々な車にサイズの異なるMVSを装着してテストしたが「サイズが大きいと加速が重い」という評価が返ってきたため次第に小さくなり現在市販されている小さなサイズとなった。

 その後の開発販売を重ねることでヒューズ、ヒューズカバー、各種配線、イグニッションコイル、スロットルセンサー、アクセルセンサー、モーター、オルタネーター、これらの部品のボルトやナット等、ほとんどの電気系統に効果を発揮することが浮き彫りになってきた。

 開発販売で直ぐに分かったことは「電気系統は無茶苦茶効くね」という結果であった。「自動車のオーディオの音質が良くなるという事は家庭用オーディオでも同じことが言える」と直ぐにテストを開始した。極めて単純明解な理論である。

 私が戸塚の日産独身寮に入居した頃の時代はサニーやカローラなどの大衆車が発売される少し前で、まだまだ自家用車など夢の夢の時代であった。だから家庭用オーディオ全盛期の頃で、LPレコード、オープンリールデッキなど凝る人も多かった。給料が2万円前後の安月給では高価なオーディオなど購入する力は無かった。

 そんな高級オーディも現在なら中古品を安く買える。そこで真空管アンプのジャンク品を購入して修理やコンデンサー交換で音質向上を目指した。スピーカーケーブルよりもコンデンサー銘柄の違いで音質は驚くほど変化した。スピーカーはお客様から無料で頂いた物を用いて(エッジが破損していたため自分で交換)、MVSがどこにどの様に効くかを趣味も兼ねて研究してみた。

 最初は誰もが一度は通る道であるスピーカーケーブルから始めた。極太のアメリカ製モンスターケーブル、ネットで評判の良い配線、結果的に極細のケーブルに落ち着いた。その理由は、スピーカーケーブルにMVSアイテム(40ーパワーシート、51ーホイール用、59ーアルミ)等をほんの少し巻きつけるだけで音質が変わり、装着場所やサイズ変更によって希望する音を導き出すことが出来るからである。

 オーディオの世界は、スピーカーコード一つ取り上げても
1:材質=銅、銀、銅と銀の複合型
2:線の種類=スターガット型、平行型、ツイスト型(撚り線)
3:太さ(ゲージ)
 上記の3種類が組み合わされるから、どれを選ぶか迷いに迷い、私もそうだが色々なケーブルを試すことになる。これもMVSが理解出来れば手軽にお金を掛けないで自分好みの音質を追求可能である。

 同様にスピーカーも色々な種類がありケーブルとは比較にならないほど音質は異なる。だから、最初に気に入ったスピーカーを探し出すことが重要だと思う。何でもかんでもMVSに頼るのは間違った思考と言える。

 しかし、スピーカー本体も考え方によっては自動車のボディと同じと捉えることが出来る。凸凹道を通過する際にホイール、サスペンション、メンバー、ボディと力が伝達され振動して歪みが発生する。スピーカーもコーンが振動し、エッジが振動し、本体の金属部分が振動し、スピーカーボックスが振動する。

 スピーカー本体の金属部分に施工して歪みが減少することで得られる音質向上と、配線など他の部分に施工して得られる音質向上は異なる。配線に的を絞れば何らかの電気信号の流れの効率向上と捉えることが出来る。

 これらの理論から言える事は、多くの楽器に施工することで普通の楽器が高級楽器に匹敵する音色に変化するかもしれない。電子ピアノ、ピアノ、サックス、フルート、ギター、バイオリン、チェロ、尺八、三味線、琴、ハーモニカ、ドラムなど、楽器の材質や原理は異なるけれども電気系にも効くし材質の歪みにも効果が発揮されると予測できる。その可能性は無限大である。

 勿論、楽器の種類によって施工場所とか施工方法とかを追求しなければばらない。興味のある人は試してみてレポートで教えてください。フルートだけは、すでに音の変化があったとレポートが届いている。オーディオでも言えることだがどの楽器も邪魔な音が消えて雑味の無いクリアーな音質になると予測できる。車で言うフリクションロス無くなるのと同じ理論である。

 パワーアンプの上側または下側にMVSフラットプレートなどを敷くと音質がパワフルになるという報告が寄せられている。また、レコードプレイヤーのモーター部分やアーム部分に施工しても音質が変わるという報告も寄せられている。音楽好きは高い投資をして自分好みの音質を追求するが、MVSは安い投資で高い効果を得られると喜ばれる。

 自動車のドアに埋め込まれたスピーカーの音質を向上する場合、スピーカー交換、ディドニング等、様々なテクニックを用いて行うが、MVSアイテムを有効に使用することで高級オーディオの音質に近づけることも可能である。

 ガソリンエンジンの場合は、バッテリー、イグニッションコイル、スパークプラグ、スロットルセンサー、O2センサー、インジェクター、オルタネーター、フューエルポンプ、ヒューズなど、電気無くしては成り立たない。これらの配線や部品に施工することでトルクアップやレスポンスアップなど効果的に活用できる。

 トヨタEVは、モーターが主役でエンジンが補助的に作用する。ホンダはエンジンが主役でモーターは補助的に働く。その違いからMVSはモーター主役のトヨタ式HVに効果的に作用する。ホンダの場合はX1やエンジンオイルの方が効果的に効く。

 どちらも共通に効く所は駆動系にエストレモオイルやMVS施工と言える。トヨタEVであればミッションにX1又はX1FSを300cc添加と、ドライブシャフトにパワーラップ施工でフリクションロス低減効果で加速が軽やかになる。奥深い意味が分かればトリプルで良い効果が得られる。単純に駆動系のロスが減るということは、
1:加速が良くなる。
2:耐久性が向上する。
3:燃費(電費)が向上する。
と、良いことずくめである。

 日産リーフや三菱I-MIEVなどの電気自動車でもMVSは大きな効果を発揮する。HVでも日産e-POWERなども含めてモーターが収まっているケースにPTブロックを貼り付けると数や施工場所にもよるが「エッ!何!」と驚くほど走りが向上する。

 三菱i-MiEVのお客様が来社され、「箱根ターンパイクを登坂する際に、パワーモードでもかったるい。登らない」と訪れた。PTブロックを3個モーターケース部分に貼り付けて帰っていった。翌日に「凄く効いたので追加で3個つけて欲しい」と訪れた。また、少し経過して3個追加。「エコモードでも登坂できるように変わった」と、喜んでくれた。

 それから月日が流れて「試しにステーションを追加で装着しみたい」と購入して帰っていった。現在はPTブロック9個にプラスしてステーションが3個装着済みである。
 その結果は「施工途中から電費がカタログデーターを超えた。但し、MVSだけでなく他社製の特殊配線を4本装着済みで、その配線の途中に少し膨らんでいる部分がありそこにパワーラップLを各配線に1本巻きつけている」。

 X1やエンジンオイル、ギヤオイルなど弊社の高性能潤滑油使用で、究極は走りと燃費の両立が可能であるが、そこにMVSを効果的に施工する事で更なる相乗効果を得られる。単純にエンジンだけでなく駆動系統にオイルやMVSを活用すことにより駆動系統のロスを大幅に低減できることが浮かび上がってきた。

 日産リーフ電気自動車はオイルをどこにも使用していないと誤解されるが電気自動車でも減速機があり、その中に極少量の潤滑油が用いられている。ほとんど無交換ということで、エンジンオイルほど交換する必要性を感じないため放置状態の方がほとんどである。

 リーフの場合を例に取ると、日産純正ATFマチックフルードSを1、41リットルが減速機に使用されている。10万km無交換で抜いた人の画像を見ると墨汁のように真っ黒で鉄粉も沢山出ていた。このようなメカニズムに藍(75Wー140)と合わせてケースにPTブロック施工により大きな変化を体感できる。効果的な物は単独でも効くが幾つか組み合わせることによって更なる向上が可能である。

 電気自動車だからと電気系ばかり攻めるのではなく、モーターケースや減速機ケースに施工することで駆動力が掛かった際のケースの歪みによる駆動ロスの低減が出来る。駆動系は、モーターの駆動力が減速機、ドライブシャフト、ハブ、ホイール、タイヤと伝達されるため、最終的にはハブやホイール施工までトータルで施工するのが理想的。

 結論を書けば「頭で考えている何倍も駆動系統のロスは大きい」ということが分かってきた。詳しくは次の項目で述べよう。
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15−3:エンジンに施工する場合のポイント及び注意点

 私がMVSを始めて施工する方にアドバイスすることは……
1:「簡単に施工出来るところから始めること」に尽きると伝えたい。
 簡単なようだが、この点は分かれば分かるほど重要なポイントとなってくる。

 付け易い所にポンと付けて走ってみる。それで、どのように変化したかを感覚を研ぎ澄まして観察する。プロ野球の一流選手でもキャッチボールを毎日毎日、繰り返し行なう。チューニングでもMVS施工においても同じことが言える。数多く経験することで、いつしか奥の奥が自然と分かってくる。

 それなのに、多くの人が「MVSをどこに付けたら良いのか教えて欲しい」と聞いてくる。自分で思考錯誤しながら追求することを繰り返してゆく内に、本人が気がつかないだけで自然と技術レベルは向上して行くし、体感センサーも磨かれ施工による変化を感じ易くなってゆく。楽して得る物は実りが少ない。

2:次のポイントは……
 40ーパワーシートや59ーアルミテープ、53ーパワーメダル、54ーPTブロック等、貼り付けるタイプの物は、落ちないように養生テープで「仮付け」=「テスト走行」=「○か×か」で判定する。運転方法や好みは人により異なる。自分好みを追求するのがチューニングアップの基本となる。そして自分好みの結果が得られたら本装着。結果が不満であれば施工場所を変更して再度テスト走行を繰り返し、効果的な装着位置を探し出す。
 作用力の強い製品を開発販売しているため必ずと言っていいほど効く場所を見つけだすことが出来る。だからこそ効かない所に施工して、そのまま使い続けるほど「もったいない」ことはない。

3:高価でも、最初はあると、とても便利なアイテム。
 「安い費用、例えば数千円で劇的な効果を期待する人」がいる。自動車メーカーが4年前後の歳月を掛け多額の開発費を投資して販売してくる自動車を改善する訳だから、ある程度の費用を必要とする。MVSが完全に理解出来てきて効果的な施工場所や方法を理解してくれば自然と数千円でも効果を探し出せる方法も見つかる。でも現実は費用対効果は密接に関係してくる。

 ボディ剛性向上では強力なネオジウムマネットを圧入した実用新案を取得したパワーブロックが4個から6個あればボディにポンと装着してテスト走行で効果を実感出来る。装着場所の移動もワンタッチでポンと出来るから効果的ツボを探り出すには最適なアイテムと言える。同様に、フラットプレート4枚セットがあれば、フロアーマットの下にポンと入れてテスト走行して効果を実感出来るし、装着場所の移動も数分で出来るため、どこに置いたら、どう変化するかを探し出し易い。このように色々と経験を重ねることが財産になる。

 上記の説明で、項目2で話した「仮付け」が省略できることを理解出来たでしょうか? これは実際の追求で大きな武器になる。また、愛車は、いずれどこかで手放す時が訪れる。その際に、項目1のポイントが生きてくる。「簡単に装着できる場所に装着したMVSは簡単に取り外し再利用すること」が出来るからである。

 エンジン性能向上では、一つだけ試すよりも最初は3点ほど同時に装着してみよう。その理由は1×1×1=1と計算式では「答え1」と何ら変わらないが、実際は相乗効果によって大きな効果を体感できることが多い。まして初めてMVSを試す人であれば「こんな物で本当に効くのかな」と、半信半疑の状態。それに経験が無い訳だから体感センサーも研ぎ澄まされていないため小さな変化であれば見逃してしまいかねない。一度に数カ所装着してしまうと、どこに付けた物が一番効いたのかが分からなくなってしまう。基本は一つずつ装着し走行して結果を検証する。

 そのために基本セットを3種類用意した。単品で購入するよりも割引価格に設定しているため大変お買い得な逸品。
 基本セットは……
1:バッテリーパワーリング=基本はバッテリーのマイナス端子に装着
2:ラジエターホース用(特選はチタン製、STDはアルミ製)
3:41ーPP パワープレート(特選は厚み0、5mm STDは厚み0、3mm)

 1と2の使用方法は簡単である。バッテリーパワーリングはプラス端子でもマイナス端子でも日本車であればマグネットで簡単に装着できる。購入されたらプラス側とマイナス側と、どちらが効果的か是非試してみて欲しい。弊社の開発テストではプラス端子から開始したが、マイナス端子の方が体感度が高いと判断した。しかし、先にマイナス端子に装着しておいて追加でプラス端子に装着すると、なぜかプラス端子装着の効果が感じられた。この結果からマイナス端子とプラス端子の両方に装着する方法も有りである。この辺りが調律の難しさであり楽しさでもある。

 日本車は端子締め付けボルトが鉄製のため、ポンとマグネットで吸い付く。長期間使用する際はボルトにねじ込みたい。日本車はナット脱落防止対策でネジ山に一箇所タガネで打ち付けてネジ山を潰している。そのためヤスリ又はダイスなどでネジ山を修正しないと装着出来ない。そんな難しい事は出来ないという方は、普通の6ミリナットを一度ねじ込む事で自然とネジ山修正が出来る。

 輸入車の場合は端子の締め付けボルトがステンレス製(ドイツ車)を使用し、ボルトの真ん中をポンチを打って膨らませているため簡単にはねじ込み方法では装着できない。その対策として補助板を付属している。少しナットを緩め補助板を差し込んでナットで固定する。その補助板にマグネットでポンと吸着させる方法で取り付ける。このように3種類の装着方法が選べるため技術レベルの優劣で自分に適した方法で装着する。

 ラジエターのアッパーホースはエンジンで熱せられた冷却水が排出されるホースである。ロアホースはラジエターで冷却された冷却水がエンジンに吸引されるホースなのでMVSの取り付けも入る側のロアホースが効果的と考えた。開発テストの結果は、予想と異なってアッパーホース側の方が体感しやすいと感じた。

 今までの話は装着1個のみの話である。これが2個に増えた場合は、アッパーホース1個とロアホースに1個。又はアッパーホースに2個とロアホール2個と、どれが好みか3種類と選択肢が増える。更に追求する場合は、アッパーホースの
1:エンジンに近いところ。
2:ホースの真ん中付近
3:ラジエターに近いところ。
 上記の3種類の取り付け位置の違いも試してみたい。勿論、ホースの長さや形状によって制約を受けるため装着場所が限定されてしまう車種も出てくる。無理しないで出来る範囲で試せば良い。

 本当に追求することが趣味の人は、アッパーホースに3個装着して「良い結果が得られた」と、にんまりする。これも1個装着して驚くほど効いた人が追求した結果と言える。アルミとチタンの違いは性能差というよりも材質の違いによるメリット、デメリットにある。

 アルミ製は簡単に小さくしたり大きくしたり出来るため、特に軽四輪のような細いホースに軽い力で合わせ易い。値段もチタン製よりは安いため2個、3個と購入して追求し易い。チタン製は、それなりに材質が硬いため調整する際に力を必要とするが結束具で固定でき確実に装着出来るため落ちることは無い。陽極酸化処理が剥がれたり汚れたりすることはあっても永久に錆びる恐れはない。気を付けることは、ロアホースに仮装着する際は針金などで固定しないと落ちる恐れがある。

 特選の方にはパワープレート厚み0.5mmが4枚、STDには0.3mmが4枚入っている。基本的には、どちらも排気管以外であれば、どこでも装着可能である。パワーシートとの違いはアルミ板材質のため耐久性とデザイン性に優れるため、目につき易い所に施工したい。

 一般的によく施工される場所は……
1:イグニッションコイル
2:キャリパー
3:ドア側キャッチ付近
4:その他

 基本アースSETは、名前が示すようにパワープレートの代わりに6ミリ×長さ15ミリのパワーボルトが1本入っている。バッテリーのマイナスコードをボディに取り付けているボルトをMVSパワーボルトと交換する。車種によってはボルトのサイズが異なっていたり、ボルト交換が難しい車種もあるため愛車に使用できるか調べた上でアースSETを選択してください。

 チューニングと言うと真っ先に吸気関係のエアークリーナーや吸気ダクトに施工したくなる。その希望に応えてパワーバンドも開発しました。実際にテストを実施すると「吸気と排気のバランスを取る」という言葉通りに、性能の高い製品ほど、吸気だけでなく排気にも同時装着する方がバランスが取れて良い結果が得られ易い。パワーバンドだけでなくパワーメッシュにも同じことが言える。

 ボンネットを開けて簡単に装着出来る基本SETでトルクがアップしたと喜んでいると、高速道路を走った際に「何だか伸びが悪い、アクセルやボディが重く感じる」という現象に遭遇することがある。この現象は「排気の抜けが悪い」または「吸気が勝って排気側が追いつかずフン詰まり状態」で出てくる現象と考えて間違いない。

 パワーバンドもパワーワイヤーも吸気排気に両方共に効果的。予算さえ許せば両アイテムを吸気側のみでなく、排気側にも同時装着することでボディ重量を軽量化したかのような軽やかな走りへと短時間で変えることが可能である。

 エンジンはパワーの源である訳だから、装着すればするほど面白い結果が待っている。メカチューンの場合と基本は共通する部分も多いが方法は大きく異なる。
1:吸排気系の効率向上を図る
 初心者ほど真っ先にやることはエアークリーナーエレメントを交換など吸気側から手をつける。レーシングメカニックは、まず排気系から抜きを良くする。排気効率が高まれば自然と空気は効率良く入るようになるからである。
 但し、太い吸気管や抵抗の高いマフラーなどを取り外した経験を持つ人であれば、あまりにも排気の抜けが良過ぎると今度はトルクやピックアップやレスポンスが低下してしまうことを経験してきたと思われる。この吸気排気のバランスを取ることが成功の鍵を握る。

2:点火系統を攻める
 昔の車はイグニッションコイルからデスビに繋がり、デスビからプラグコードで各点火プラグに高圧電気を送っていた。年々新しい技術が開発され現代では点火プラグの近くに各々のイグニッションコイルが設けられている。燃料や空気、点火時期、オートマ制御なども幅広くコンピューターで制御される時代である。前にも書いたようにMVSは驚くほど電気系統に効果的に作用する。
 部品を交換するチューニング方法と違い、部品や配線などにポン付けして走行し、すぐに結果を検証できる。攻め所は、バッテリー、バッテリーコード、配線を留めているボルトやナット、各種配線、オルターネーター、ヒューズ&ヒューズBOX、各種スイッチ類、アクセルセンサーやスロットルセンサー等、幾らでもある。

 例え話で川の流れと同じように、ヒューズやスイッチはダムや蛇口や取水口の開閉門と同様に流れの邪魔する部品である。必要だから設置されるが効率だけ考えた場合は無い方が川の水も電気も効率良く流れる。そんな部分に装着するとMVSの威力は、最大限に発揮される。

 但し、ひとつだけ注意点がある。
 ターボ車などはターボチャージャーのすぐ前の吸気側に装着してはいけない。排気側もO2センサーの、直ぐ前(エンジン側)に装着しないこと。作用の強力な物ほど変化が大きくセンサーが読み取る数値があまりにも異なってくるとコンピューターの制御データーと著しく異なるためコンピューターが正常に動作しなくなるからである。おかしいと感じたら取り付けた物を直ぐに移動または取り外せば済む。おかしいと感じながら長期間使用することは避けなければならない。

 具体的な方法は、イグニッションコイルにパワープレートを貼り付ける。アクセルセンサーやスロットルセンサーにパワーシートを貼り付ける。ヒューズの上部にマジカル粘土やパワーシートを貼り付ける。オルターネーターのB端子にナットまたはパワードームを付ける。更にパワーメッシュを巻きつける人もいる。ヘッドに繋がっている太い配線にエアコン用アルミを装着する。コンピューターBOXは意外と効果を感じられなかったが一度は試す価値はある。上記の方法以外もあまり深く考えないで施工したほうが、おもしろい発見につながる。

3:エンジンに発生する抵抗を減少させる
 ピストン&コンロッド、クランクシャフト、カムシャフトなどが高速で回転しているエンジンだから、各部品は爆発=伝達の大きな力を受けて歪みが発生している。また潤滑が寿命だけでなく得られる効率を大きく左右する。やはり一番重要なのはX1、活性剤、エンジンオイルなどの潤滑油である。そこにプラスしてMVSで更なる向上が図れる。

 今まで解説してきた部分を攻めた後は、PTブロック装着が効果的である。一番簡単な方法は、シリンダーヘッドから始めたい。意外とサイズが大きいため取り付け場所を探すことが大事だ。理想的には左右対象とか前後に二箇所とか考えるが複雑なエンジンだと配線や配管、リブなどで装着する場所が難しい場合も出てくる。そんな場合はエンジンカバーに2個ポンと装着しても「あれ!結構効いている」という発見につながる。装着は両面テープ方式だから、これも仮装着して効果を確認出来たら早めに本装着する。

 同様にシリンダーブロックにPTブロック装着することで、真円の中をピストンが上下するかのような幾つかのメリットが生まれる。抵抗減少によるスムーズな吹き上がり、オイル消費の減少、オイル劣化の減少などが報告されている。この他にもオイルフィルターの中にMVSメッシュ組み込みや、オイルパンに施行する方法などもある。

4:エンジンルーム内に装着したら排気系にも装着する
排気系統に装着する場合はテールパイプに装着する以外はリフトアップが必要となる。個人では簡単に出来ないため、どうしても装着し易いエンジンルーム内に、どんどん装着して楽しむことになる。
性能が高ければ高くなるほど、吸気効率が高まり、結果として排気が詰まった状態となる。装着して、すぐになるのではなく、どんなチューニングも装着直後よりも1日、2日と時間が経過するほど作用が強く効いてくる傾向を示す。

 前にも書いたように「トルクが出て、いい感じだ」と喜んでいたのに「あれっ!何だか走りが重いな」と感じたら排気管に、パワーバンド、パワーメッシュを取り付けると霧が晴れたかのように軽快な吹き上がりに即効で変化する。

 知って欲しい排気系の傾向がある。排気管のような細いパイプにパワーバンドを施行する場合は……
◯エンジンに近い所に装着すると低速域の吹き上がりに効く
◯中間付近に装着すると中速域の吹き上がりが改善される
◯テールパイプに付けると高速域の噴き上がりが改善される
これがパワーメッシュになると、上記傾向と異なり、低回転域から高回転域まで全域で軽く吹き上がる。このようにパワーバンドとパワーメッシュの二つを組み合わせて使用するメリットは一つでは無い。

 例えば予算の関係でパワーメッシュだけを取り付けたいと思っても、排気管に装着出来る所があるケースは少ない。パワーメッシュの片側をアーシングのようにボディ側に取り付け、反対側を排気管に取り付け出来る場所を探る訳だが、必ずしも取り付け場所があるとは限らない。

 しかしパワーバンドがあれば、先にボディ側(車体中央付近が好ましい)の取り付けボルトを見つけ、そこからたるまないような位置にパワーバンドを装着、そのバンドにパワーメッシュの片側を差し込んでバンドを締め付けて装着出来る。このようにバンドを利用することで自由な位置決めが可能となる。

 パワーメッシュは長期間使用すると排気熱で焼損して切れるトラブルが発生したため、対策としてステンレス製の放熱板を付けるように改善した。この放熱板の先端をバンドに挟み込んで締め付ける。放熱板の先端を少し折り曲げておけば抜け対策となる。

 排気系で抵抗が大きい部品といえば真っ先に触媒が頭に浮かぶ。触媒やマフラーは排気管と違い太い空間を有する。太い部分に装着しても単純に抵抗だけが減少するだけだからトルクの落ち込みは無い。単純に抜けが良くなり吹き上がりが軽快になる。特に触媒はスポーツ触媒に交換する人も多いが金額的にMVSの約8〜10倍の出費となる。スポーツ触媒に交換した後で、更にMVSを装着された方も見受ける。

 問題は軽四輪などは触媒位置がアクセスしにくい所に設置されているため装着が難しいケースが多い。基本的には金属製結束バンドで装着するが新車であれば遮熱板を取り外して板だけ内部に入れ込む方法で装着できることが可能。古い車は遮熱板取り付けボルトが錆びついていることが多く取り外しが難しい。

 MVSはボルトやナットも設定されている。エンジンでもボディでも余っているネジ山にMVSナットをねじ込んで軽く締め付けて装着したり、ボルトやナットをMVSパワーナットやMVSパワーボルトに交換することで更なるチューニングアップが追求できる。

 現代の進化した車はO2センサーからのフィードバックで絶えず燃料の混合比の最適化を実施している。エンジン各部にMVSを多数装着してトルクやレスポンスが向上したと喜んでいても、数ヶ月が経過すると「何だか装着直後のような体感度が感じられない」と思うことがある。

 その理由は少し複雑である。多くの方がすでに体験されているように、最初は走りの向上を楽しむ。走りが向上した分を走りで楽しんでいる時には、それなりにアクセルを踏み込んでいる。それが次第に、当たり前になってくるに従い、あまりアクセルを踏み込まなくても、それまでよりも調子良い走りが出来るようになる。

 燃費と深く関わってくる要因として、アクセルを急に深く踏み込んで急加速するほど燃料を多量に消費する。反対にアクセルを少し踏み込んだだけで良い走りが得られるほど好燃費に結びついてゆく。だから自然と燃費向上に繋がってゆく。

 これはひとつにはコンピューター制御の学習機能が働いて走りの向上分が修正されてしまうことも含まれる。また装着直後は、何がどのように変化したかを色々と試すため知らず知らずの内にアクセルの踏み方を変えたり走りを変えてしまうが、いつの間にか慣れ、いつもの走りに戻ることも関係している。

ここまで解説してきたように、吸排気の改善とバランスを取り、フリクションロスを低減し、これから解説する伝達効率の向上を図ることで、究極的には「良い走りと良い燃費の両立」が可能となってくる。
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15−4:駆動系施工のアドバイス

 エンジンやモーターで発生したエネルギーをタイヤに伝達する装置全般を駆動系と分類することが出来る。システムの構造によって様々な装置が開発され用いられている。マニュアルミッション、オートマチックミッション(多板クラッチ式、CVT式、DCT式)などの変速機、最終減速機のデファレンシャル、プロペラシャフトやドライブシャフト、最後にハブからホイールへと伝達される。

 車に無知な人であればエンジンで発生したエネルギーは100%タイヤに伝わると考える人がいても不思議では無い。実際は各部の抵抗や伝達ロスによって数十%のエネルギーがロスとなる。大きなロスが発生する所は、湿式多板クラッチを使用しているオートマでは、トルクコンバーターのロス、湿式クラッチの滑り、デフのピニオンギヤとリングギヤの摩擦損失などが挙げられる。

 MVSを開発テストを進める内に、ドライブシャフトやプロペラシャフト、ホイールでも損失が発生していることが浮かび上がってきた。その理由は簡単である。MVSをドライブシャフトに装着すると「なんでこんなに変わるの?」と驚かされたからだ。ロスが何も無ければ体感で分かるほど変化は得られないからである。

 エンジンの損失としては、
1:ポンピングロス=混合気を圧縮する際に発生するロス。
2:冷却損失や摩擦損失は、ウォーターポンプ駆動、オイルポンプの駆動、ピストンやピストンリングの摩擦損失。
3:排気損失分としては、排気抵抗や排気熱の放出(熱はエネルギーなので空気中に放出すことは有効活用とはならない)による損失分。

 マニュアルミッションでも、クラッチ板は走行中でも僅かな滑りが発生している。内部のギヤの噛み合い部分でも摩擦が発生している。急加速中はクラッチの滑りも大きくなる。ギヤに大きな荷重が掛かればミッションケースにも歪みが発生し、伝達効率を引き下げている。

 このように、伝達部分のあらゆる所で様々な要因によってロスが積み重なって走りをスポイルしている。高性能潤滑油によってフリクションが低減されると油温が低下する。MVS装着によってケースの歪みやシャフトの歪みが低減されることで伝達効率はアップする。

 プロペラシャフトの回転は、そのままデフのピニオンギヤに伝わる。ピニオンギヤはリングギヤに駆動力を伝達するが、強大な駆動力は、ピニオンギヤとリングギヤの摩擦力によって90度変換されて両輪のドライブシャフトに伝達される。

 現代の進化したメカニズムから考察すると極めて原始的なアナログ的メカニズムに見えてしまう。だからこそ、「藍=75wー140LSD対応ギヤオイル」高性能潤滑油によって摩擦低減を図ることで大きなメリットが得られる。更にミッションケースと同様に、PTブロック等のMVS装着によってケースの歪みが抑制された効果としてスムーズな伝達が行われる。

 ドライブシャフトからハブを経由してホイールが回転して、ようやくタイヤにエンジン動力は伝達される。路面からの入力や、駆動力と反対に路面との摩擦力によって、ホイールには絶えず「反対の力」が掛かってくる。

 「反対の力」とは、、、
アクセルを踏み込めば駆動力が発生し、ブレーキを掛ければ反対方向に力は掛かる。この両方の力を受けるのが駆動系を構成する全ての部品となる。

 タイヤが組み込まれているホイールは実に重要な役割を幾つも担っている。フロントエンジン、フロントドライブのFF車であれば、前輪タイヤは、駆動力と制動力、ハンドルを操作した際の操舵まで担っている。

 もう何となく分かってきたように、強大な力を絶えず受けてホイールは相当歪みが発生している。残念ながら人間の視覚では歪みが掴めないから日常では「歪みは」忘れ去られてしまう。知らず知らずの内に大きなロスが発生している部品である。

 では実際の施工例と得られた体感効果について報告しよう。
◎ MVSに共通することだが、施工する車種、MVSの施工数、施工場所、アイテムの違い、車の走行状況、運転方法、感覚の違いなどの諸条件によって得られる体感度は大きく変わってくる。

◎フライホイール&クラッチカバー&ディスク
テスト的にMVS処理をした所=トルクの増大(結果的に走りやすくなった)
あくまで実験的に試してみた。

◎ミッションケース(オートマ)=PTブロック装着
 内部に駆動トルクの力が掛かればケースはその力を受け止めて必ず歪みが発生している。厄介なのは人間の眼では歪みを認識出来ないのと、そこまで考えが及ばないため、常に忘れられた存在が「ケースの歪み」である。
 装着場所は車種により異なってくる。動力の出口付近のケースが一番、強大な力を受けている場所なので、装着出来る所があれば迷わず施工したい。

◎ミッションケース(マニュアルミッション)=PTブロック装着
 アタックギヤオイルを使用してギヤの入りは良好であるが、MVSをケースに装着したら更にスムーズに入るようになったと、体感する方は多い。マニュアルミッションでも基本的装着位置はプロペラシャフトが差し込まれたケース付近とケースの中央部付近等。

◎プロペラシャフト=パワーラップ装着
 トルクの増大により登坂が楽になった。ダイレクトにエンジンの力がタイヤに伝わっていると喜びのレポートを伝えてくれる方が多い。
 サイズはLサイズまたはLLサイズが適合。このサイズのタイラップは空色の耐熱200度タイラップを採用している。その理由はプロペラシャフト付近を排気管が通る車種が多いため熱対策である。装着位置としてはユニバーサルジョイント付近に装着するのが定番である。

◎ドライブシャフト=パワーラップ装着
 現代の車は、ほとんどがFF(前輪駆動車)なので、ドライブシャフトにパワーラップ施工は真っ先に施工したいポイント。特にトルクが低い車や出足がかったるい車は恩恵が大きい。費用対効果は抜群なので、MVSを知らない人は損をしていると思ってしまうほどだ。  軽四輪ならSサイズ、普通車ならMサイズ、あくまでドライブシャフトの太さで適合は決まってくる。
 タイラップで締め付けるだけだから、装着は極めて簡単。リフトアップしなくても段ボールを敷いて潜って施工可能である。

 1SETが2本組みなので1SET購入すれば左右のドライブシャフトに1本ずつ装着できる。最初の1SET装着効果に驚いて「もう1SET追加してください」と、訪れる方も多いが、私の感覚では最初の体感が大きく感じたために追加後の体感はあまり大きくないと感じた。そこで、もう1SET追加施工した何人かの方に「どうだった?」と聞いたら、ほとんどの方が「やっぱり良かったよ」という答えが返ってきた。

 1SET目の装着はドライブシャフトの中央部付近に装着するのが定番。追加する場合は、どちらかに押したり回したりして移動してから追加する。端部から5〜8cmほど離れた位置、さほど神経質にならなくとも効果はバッチリと得られる。

◎ 駆動系の最終部品はホイール
 エンジンから産み出されたトルクやパワーはミッションを経由して、プロペラシャフトやデフを経由、ドライブシャフトを経由してハブからホイールに伝達される。従って、最終的にはホイールにMVS施工は欠かせない。その効果を一度体験してしまうと「オカルトグッズ」などと敬遠している人達が哀れに思えてくるほどで、「騙されたと思って一度でもいいから試してみたら」と言いたい。即座に真実かどうか分かる。

 パワーシートでも効果は得られるがMVSホイール専用アイテムなら効果は絶大だ。施工した、ほぼ全ての方が微笑みを浮かべて「良かったよ」と報告してくる。
 ホイール用はハサミで小さく切り取って貼り付けて施工する。ホイールは泥やブレーキダストなどで汚れているので、焦らずに綺麗に汚れを清掃してから施工することで剥がれることはない。

◎ MVSホイールスペーサー(プロジェクトKオリジナル
 富山県のプロジェクトKオリジナル。神岡選手のプロジェクトKはアタックレーシング製品販売量ナンバーワンの店である。その感謝の思いを込めてオリジナル製品として開発したのがMVSホイールスペーサーである。
 富山県は積雪が多い地域で冬季はスタッドレスタイヤが必需品となるため、MVSホイール用だとサマータイヤのホイールとスタッドレス用ホイールの両方に施工しなければならない。そこでMVSホイールスペーサーであればタイヤ交換時にワンタッチ装着出来るため非常に便利なアイテムとなる。体感的にはMVSホイール施工と、ほぼ同一なメリットが得られる。

 MVSは駆動系にもズバリと効く。その秘密が分かってくればエンジン施工でも活かせるが、高回転で回転するわけだから、施工には工夫が不可欠となる。例えばクランクプーリー外側にホイール用を貼り付けても遠心力で飛んでしまう。それを防ぐためにはホイールの内側に貼れば遠心力は張り付く方向で力が作用する。
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(執筆中)
   

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