序章 何故セレナe-powerを選択したのか
「今まで乗ってきた車で、どれが一番良かったですか?」と、セールスマンに質問された。
どんな車にも長所と短所があり、自動車の歴史が付いて回る。メカニズム大好きな私は、どんな車も大好きだ。どんな車にも長所や短所が付いて回る。お国柄によって車の設計思想や文化や歴史が伝わってくる。そんな違いを味わいながらドライブを楽しむ。
修理工時代は日産車以外にもトヨタ車、いすゞ車、三菱車、マツダ車、外車など、色々な車をテストや納車で乗る機会が多かった。日産時代は宣伝部所属のため新型車が発売されると、すぐに乗る機会に恵まれた。
独立してアタックレーシングを設立すると、日産車以外、特に外車に興味が移った。VW、プジョー、BMW、ベンツ、フェラーリ、アウディ、シトロエンと、ドイツ車を主体として乗り継いだ。
この体験を通して自動車は、生産国の気候風土や文化や歴史を背景にして創り出されると強く感じ取ることが出来た。部品ひとつの取付け方法でもパズルのように大きく異なっていた。この頃の外車はオイル消費がとても多く、常に点検補充を必要とする車も多かった。
会社テスト車両と個人購入車として免許取得から現在までに所有するマイカーとしては約43台目の車両となる。「約」を入れたのは一時、中古車販売も行っていたため定かに記憶していない車両もあるからだ。知人から「どんな車が良いですか?」と質問される事も多いが、私は返事の言葉に詰まる。
自動車の選択は、その人の生活に密接に関係するため、年収、家族構成、使用方法、駐車場の立地や広さ、住んでいる地域の環境(アクセス道路が狭い。雪が降る地域なので4WD選択など)車に対する考え方、運転技術などを総合的に考慮しなければならないためだ。
私の場合は5人家族で一泊旅行に行く場合は長距離移動が多い。また親戚を乗せて旅行に行く場合も6人での移動が多い。この使用環境で考慮すると、自然と選択肢は限られてくる。
車種選択をする場合、真っ先にチェックする所は使用頻度の多いサードシートの座り心地と広さとなる。サードシートが短距離だけを想定した窮屈なスペースやシートの作りであれば即刻、選択肢から外れる。また、不測の事態で追突された場合を考慮するとサードシートの後方の余裕度も欲しくなる。ここに旅行中の荷物を積み込む。
上記の条件を当てはめて探して行くと、現在売れているRV車は選択肢から外れ、残るのはワンボックス車となってくる。そこで前車は日産エルグランド3.5リッター4WDとなった。今回はエルグランドの代替車となる。
エルグランドは、ボタンひとつで2WDと4WDの切り替えが出来た。シートの出来も良く長距離移動も快適であった。得るものがあれば失う物もある。ハイオク仕様で燃費は7〜7.5km/リットル。弊社製品を使用しているため走りも燃費も悪くないが、やはり維持費はそれなりに掛かる。
欠点は、車両重量が重いため弊社のブレーキ強化剤、D1&D2&MVS施工を施していても、やはり6人乗車だとタイミング悪く信号が変わったり緊急時などに制動距離が長くてヒヤッとする場面に遭遇する。車幅もあるため狭い道のすれ違いなどで神経を使う。タイヤ銘柄によっては操縦性が悪いがMVS施工で劇的に変化し助かった。
エルグランドを買い換える場合の選択肢は、燃費と、今回は私以外の家族でも運転出来ることを考慮すると、サイズダウンした車となる。必然的に、トヨタ兄弟車のノア・ボクシー、ホンダのステップワゴン、日産セレナが俎上に上がる。
サードシートが狭く座り心地が悪いステップワゴンはすぐに選択肢から外れた。出来れば燃費に優れるハイブリッド車にしたい。トヨタのハイブリッドはプリウスとカムリで体験済みである。好奇心に溢れる車好きとしてはワンペダルで運転できるセレナe-powerに強く惹かれた。
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1-1 セレナe-power納車
セレナe-powerは分類上ではハイブリッド車。ハイブリッドの定義は、2種類以上の異なる動力源を搭載した車となる。ハイブリッドと言っても大きく3種類に分類出来る。
1:ホンダフィット、アコード、レジェンドなどはエンジン主体でモーターがアシストする「パラレル方式」と呼ばれる。モーターの数により更に分類される。
2:e-powerは、「シリーズ方式」(シリーズパラレル方式)と呼ばれる。エンジンは発電専用で走行はモーターが担当する。走りは電気自動車そのもの。
3:スプリット方式はプリウスやアクアに代表される方式。エンジンとモーターを組み合わせ、走行状況によって使い分ける。トヨタ方式は低速発進時はモーター単独で行いアクセルを強く踏み込めばエンジンがアシストする。ホンダフイットは反対にエンジンが主役で必要な時にモーターがアシストする。
但し、紙面の関係で簡単な説明をしているが車種ごとに作用は異なるため、興味のある方は色々と調べてみるとよい。新型車が次々と新発売されるたびに制御も複雑になったりシステムが進化したり年々複雑になってきている。これも時代の流れと言える。
セレナe-powerは、排気量1190ccエンジンを搭載して発電だけを行い、走行は常時モーター単独で駆動する。リーフにも一度試乗したことがあるが、何と言ってもモーターの良さは即座に最大トルクを発揮できる利点にある。リーフの走りも良かったが走行距離と充電待ち時間がネックになってくる。
体験したことの無い人には難しいが電車の車輪にタイヤを装着したと想像すると遠からずだ。エンジン車と異なりスッ〜と発進加速して行く。この感覚はドライバーだけでなく乗車している他の人も気持ち良い感覚だと言ってくる。一切のショックやギクシャク感とは無縁の世界だから快適である。
走りの面だけでなくセレナが売れている最大の理由は、使い勝手の良さにある。どんなデザインも好き嫌いで好みが分かれるところだが、アクは強くなく万人受けするデザインだと私は思う。内装デザインも悪くはなく、シートの出来も及第点を付けられる。
勿論、車格が上のエルグランドから比べれば落ちる部分があるのは仕方ない。残念な点はスイッチの位置が熟慮されていない。もっと上級な座り心地のシートや、100キロを超えてからの余裕のある加速や、上質な乗り心地や、電動カーテンなど豪華で便利な装備など。資金に余裕があり、それを望む環境が整っている方であれば、アルファードやエルグランドを選べば済む事である。
エルグランドのシートには敵わないが、その代わりに多くの長所を持っている。
1: まだ納車されたばかりなので燃費は分からないが、300キロ走行した時点で2倍以上は軽く走れると予測出来る。それもレギュラーだから出費が半分以下となる。
2: バックドアが上部のガラスハッチ部分だけでも開閉できる。大きなバックドアを開閉するためにはスペースも必要とする。それだけでなく重いドアを開閉する際には危険も伴うし、大きな力も必要とする。エルグランドで長年経験してきた。
3: 乗り降りは乗用車と比べれば当然ながら少しだけ高いが、エルグランドと比較した場合どっこいしょと乗りこんでいたのが、スィーという感じで腰から乗り降りできる。
4: それでも乗用車よりも着座位置は高いためドライブ中の視界は良好である。旅行で景色の良い所を走る際は、視界が高いとガードレールなど邪魔な物が視界を遮ることが少なく快適なドライブを楽しみやすい。
5: シートアレンジが多彩である。セカンドシートはワンタッチで横にも2段階移動できる。最上級グレードはサードシートにも多少ではあるがスライド機構が付いている。
6: 上級グレードの快適パック装着車にするとセカンドシートにiPadなどが置けるパーソナルテーブルやカップホルダー、USB電源ソケットまで装備される。
7: この他にも、プロパイロットと呼ばれる半自動運転支援装置やヘッドライトの自動切り替え、パーキングアシストなど盛りだくさんである。
8: 私はメカニックなので音には敏感なため、逆に音楽を流して走ることが多い。回生ブレーキ時にジージージーという音がしたり、静かに走行している時に急にエンジン音がしたりすることをあまり気にしないで済む。また、いつエンジンが始動したのか分からないことが多い。基本は電気自動車のため、静かである。
9: オプションの寒冷地仕様は恩恵が大きい。特に寒い冬季、乗り込んでボタンを押せばハンドルヒーターが作動し、シートもヒーターで暖かくなるため近距離では暖房OFFで燃費を稼げるが、スイッチの位置は最悪。
10: 荷物積載や乗員満載で後方視界が遮られた時に、バックミラーに後方の映像を映せる機能(スマートミラー)が装備されていて助かる。
この原稿執筆は納車間もないため、欠点については完全に把握できていない。付き合い始めて間もないが、それでも満足度が非常に高く、良く出来た車で「買って良かった」というのが素直な第一印象である。
現在時点で少しだけ感じた欠点としては、、、
1: ドアの開閉が少し重い。特に納車直後は、なぜこれほど重いのかと疑問に思ったが使用を続けてゆくと、少し傾いた所に車を停めドアを開けた時、隣の車にドアがぶつからないことに気がついた。あえて重くして隣の車を傷付けることを防ぐ狙いが込められていると受け取れる。
2: セカンドシートの乗員が、路面によっては波のような微振動が伝わってくると感じたが、MVS-フラットプレート施工で対策できた。
3: コンビニなどの出入りで縁石の段差が大きい場合、車体の横への傾きが大きく感じられた。これもMVSで対策できた。
4: 走行モード切り替えスイッチの位置が適切でなく、目視確認しないと操作しにくい。
上記は、それほど大きな欠点とは言えないが、静かでスムーズな発進と加速、回生ブレーキによる安心出来る減速と制動、意外と気持ち良い乗り心地、各種ポケットなど使い勝手の良さや燃費の良さで楽しいドライブや旅行が満喫できそうだ。
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1-2 セレナの購入にあたって検討すべきこと
ちなみに2018年度(1月〜12月)セレナの販売台数は99865台、1ヶ月平均8322台となる。動力装置の違いとしては3種類が用意されている。
1:ガソリンエンジン車=形式MR20DD排気量1997ccガソリンエンジン
2:スマートシンプルハイブリッド車(Sハイブリッド)=形式MR20DDガソリンエンジン搭載。極めて簡易的システムで、セルモーターとオルタネーターの機能を一つにしたモーターで発進時にエンジンをアシストする。
3:e-power車=型式HR12DE・1198ccエンジン(発電専用)モーターで走行する。
実際に購入しようとするとセレナのラインナップは多彩である。
全グレードは24種類。2WD・4WDもあるし、ニスモ仕様やオーテック仕様も選択できる。
私の選択肢であるe-powerに限れば、一番下位グレードは本体価格=約300万円。
私の購入したハイウェイスターVは、約340万円。従ってグレード差は40万円。この差は装備の差となってくるため満足度に大きく関わってくる。
本体価格に諸経費は不可欠。4年6ヶ月間の点検と1回目の車検費用のSET=メンテプロパック54車検付き135000円(県によって変わるようだ)を含んだ諸費用は新車であれば約40万円程と推測される。これに入ると12ヶ月点検が3回、6ヶ月点検が4回、エンジンオイル・オイルフィルター交換が4回車検が1回と手厚くメンテナンスされる安心感が生まれる。
私の購入した車は1年落ちの試乗車なので、このメンテプロパック54の費用は2年間=74900円。純正オイルでの燃費やメカノイズなどを確認したかったため入ることにした。ウィンドウの撥水加工とボディコートを勧められた。費用は約11万円少々であったがスーパーグロスターとグロスターがあるため、お断りした。
上記価格に、オプションをどこまで付けるか悩ましい選択を迫られる。欲しい物をあれもこれもと選んでゆくと軽く100万円。車両価格340万円+諸経費40万円+オプション100万円=合計価格480万円となる。ローンの場合は、これに金利負担分が数十万円プラスされるから限りなく500万円に近づく。軽く上級車種のエルグランド、オデッセイ、アルファード等が購入可能な金額となる。
ちなみにオプションで
カーナビ、ドラレコ、ETCのSETの、ナビ・レコお買い得パック=324000円
プロパイロット等を含む、お薦めのセフティパックBは=243000円
寒冷地仕様はオートデュアルヒーター、シート&ハンドルヒーター、ドアーミラー=84000円
上記の他に試乗車で装着されていた物は
フロアーカーペット=64584円
ダイヤモンドブラック=特別塗装色=54000円
フロントダイナパックパック=バンパーイルミネーションと中央下側のプロテクター=95122円
ラッケージアンダーボックストレイ(荷室下側の収納スペース用)=20674円
上記オプションの合計金額は=885380円
新車で購入してもナンバーを付ければ中古車になると割り切れば新古車がねらいとなる。残念ながら、それほどお買い得の中古車は見つからなかった。色々と調べてゆくと2018年3月新発売であるが、2018年2月に登録された試乗車(走行距離1500〜5000km)が何台かヒットした。丁度、1年前に登録した車なので車検残り年数はピッタリ2年間となる。
販売価格は335万円〜368万円と、新車と比べたら100万円は安い。実際は販売価格に諸経費がプラスされるため金利も含めた総支払額は約370万円に収まった。車両引き取り時の走行距離は約3800kmであった。
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1-3 納車直後の感想は
この原稿は納車後200km走行直後の感想である。これから全国の色々な道を走行したり、春夏秋冬、季節の違いを経験したり、走行距離が増えるに従って長所や欠点が浮き彫りとなってくる。だからこそ、納車直後の感想をまとめ記録しておくことは後々の参考になる。
感じた長所=
◎新しい乗り物。まさしく電気自動車ならではのスムーズな発進加速は気持ちよく感動もの。それもスイッチONしたら暖機運転の必要もなく、即座に発進できる。
◎今の時期は朝の寒さも弱まってきたが、オプションの寒冷地仕様で、ヒートヒーターとステアリングヒーターを装備しているため暖房を入れないで走行できるためエンジン始動が抑制でき、それがそのまま燃費向上に大きく貢献する。
◎これもオプションの快適パック装備は、各座席にUSBポートが設けられ携帯の充電ができる。運転席上部には小型の物入れが用意され、その中にもUSBポートが設けられるなど今時の車だと痛感させられる。
◎使い始めて200km程だが、すでに燃費の優秀さを強く感じている。運転技術の優劣によって燃費も大きく変化する車だけに車好きにとっては「楽しめる」車に間違いない。
◎シートはグレードによって大きく変わってくる。ハイウェイスターVは、サードシートも前後に8cmほどスライドする、セカンドシートは横にも2段階スライドする。縦方向は超Rロングスライドするなど利便性が高い。
◎大きくて重いバックドアは、上半分のガラスハッチ部分だけで開閉でき、狭い場所での荷物の出し入れが出来るため何かと使い勝手に優れる。
◎ガソリン給油キャップが無くなりワンタッチでノズルを差し込んで給油できるため手を汚さず、キャップの締め忘れも無い。
◎最初は使い方に戸惑うが、パーキングホールドボタンをワンプッシュすれば停止中もブレーキを踏み続けることが不要となり(急坂以外)ワンペダル走行のメリットが最大限生かされる。
◎左ドアミラー下のカメラ画像をカーナビに写せるため側溝や大きな段差がある場合にも安全にギリギリに幅寄せできる。
◎オプションのインテリジェントルームミラーはカメラ画像に切り変えると見易く鮮明で感動した。夜間も後続車のヘッドライトが眩しく感じにくかった。乗員や荷物を沢山積み込んで後ろが見えなくなった際、とても重宝する。
◎乗り心地も、重いバッテリーの積載が影響してどっしり感を感じた走りで家族から高評価された。酷い凸凹道ではドタバタ感を少しだけ露呈する。
◎オプションの半自動運転、プロパイロットは高速道路においては、かなり使える。大井松田ICから裾野IC間で試したところ、キツいカーブで2回ほど「ハンドル支援が解除されました」という警報が出て数秒間解除されたが特に問題とは思わなかった。一度だけ、みぞれや雪を体験したが、予想以上に使用できた。トラックが急に前に割り込んで来た時には減速しなくて少し焦った。
◎中央を走行する設定だと思われるが、自分の感覚的な部分では車線と車線の中央ではなく、ほんの数十センチ左側車線に近い方を走る感覚がして、大型トラックを追い越す際や、左側車線走行中の車が車線寄りに走行している際には車任せが気持ち悪く感じ、自分で少しハンドル操作して右に逃げて走行した方が安心感が増す。この辺りの微妙な所は、いずれ熟成されてゆくと思われる。
◎方向指示器を出して自分でステアリングを操作して車線変更しても、すぐに半自動運転が開始された。速度のアップダウンは5km毎の設定であるが、それほど困ることは無い。かえって1km毎だと操作としては面倒になるため好みは分かれるところ。
◎雨天や濃霧など視界が悪い条件でこそ活用したい機能であるが、今の技術レベルだと使用出来ないケースが多くなる。一度でもこの機能の恩恵を受けると、長距離運転の疲労や事故の危険性がかなり低減できると思える。要は気持ち的にも急がず焦らず車任せでいいんじゃないかという気持ちが芽生えてくる。結果的にも優れた燃費が得られることで従来と異なる価値観も生まれてくる。
◎エルグランドからの乗り換えなので乗り降りがとてもしやすい。アウディA3は車高が低いため逆に乗車、降車共に大変である。特に足や腰が痛い時には厳しさが増す。比較する車が軽四輪であれば、ほんの少し高くなるが、その分、ドライブ中の景色が見やすくなるメリットが生まれる。
◎圧倒的に優れた燃費。車重が2トンもあるワンボックスカーで走行約400km走行時点で平均燃費20km/リットル表示が出ている。軽く満タン900kmが可能である。しかもレギュラーガソリンで。エルグランドはハイオクでリッター7km前後であった。年間1万km走行で8年間で試算してみたら100万円前後の節約と出た。これに自動車税や、その後のメンテナンス金額などを考慮すると、もっと大きな差が出てくると予測できる。バッテリーの劣化の問題は計算に入れていない。まだ実績が未知数だから今後の結果を待つしかない。
感じた短所=
●今時は軽四輪でも標準装備される、ドアロック施錠に連動してドアミラーが自動格納されるドアミラー自動格納機能が、300万円以上もする車の最上級グレードに装備されずオプション設定されることに驚いた。日本の狭い駐車場では不可欠な装備と言える。
駐車して少し車を離れた後になってから施錠したかどうか不安になった際、ドアミラーを見て施錠が確認できるメリットは一度経験すると不可欠な装備と思える。
●前席では感じることはなかったが、セカンドシートに乗車した場合、小さな洗濯板状の路面を通過する際に、フロアーに微振動が伝わってきて快適性が少々スポイルされる。
●欠点の少ない良い車だけに、ヒートヒーターの位置がコンソール中央の一番フロアに近い位置で適切な場所でない。ドリンクホルダーを引き出すと使用出来ない。運転モードの切り替えスイッチも、もう少し押し易い場所にして欲しかった。
●コンソールボックスが、単なる置き台だけで蓋も無いため、貴重品やスマホなど短時間の駐車の際も外から丸見えのため使用出来ない。コンソールボックスにシートヒータースイッチなどがあれば非常に便利だけに残念ながらユーザー目線が考慮されていない。
●ワンペダル走行で減速した際にブレーキランプがどのタイミングで点灯するか不安に駆られる。ブレーキランプ点灯を教えてくれるパイロットランプが欲しかった。
上記短所は人によっては些細な欠点と思うかもしれないし、たいした問題と捉えない人も居ると思う。優れた長所と運転する喜びが小さな欠点を補ってくれる。
車格や構造作用から仕方ない部分=
△エルグランドと比較すればシートの座り心地、アームレストの貧弱さ(細くて角度調整が出来ない)は車幅の関係で仕方ない部分ではあるが、価格から見たらもう少し豪華さが欲しいところ。
でも、車格が小さくなる訳だからエルグランドと同じサイズのシートの大きさや厚さであったならば室内空間は狭められ有効活用空間が減少してしまうから、逆に空間的には余裕が生まれている。
非常に良く出来た車であり、細部に工夫が沢山盛り込まれている出来の良い車だけに「エッ!何で!」と上記欠点に驚かされた。
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1-4 エンジンは発電専用
一般的な知識であれば、エンジンは発電専用のため
1:オイル添加剤など入れる意味が無い。
2:高性能オイルを使用するメリットなど何も無い。
3:燃費を向上させる効果的なチューニングなど無い。
となる。
果たして、それは真実なのか。
いやいや1〜3まで車の奥を知らない全て誤った常識と言える。
1:オイル添加剤の種類や性能は様々であるから、性能の低い添加剤を使用して何もメリットが無いと思う人が居ても不思議では無い。弊社のX1&X1FSなど確かな実績を持つ高性能添加剤を使用すれば、
◎フリクション低減
◎圧縮圧力の保持(ブローバイガスの低減)
◎燃焼効率の向上(フリクションロスが少ないほど良好な燃焼が得られる)
上記の改善によって燃料消費率の向上が図れる。つまり、同じ燃料で多くの発電ができることを意味する。中途半端な車の知識を持っている人だと、ここまで深いメカニズムの奥深さは理解しにくい。
2:高性能オイルを使用するメリットなど何も無い。
オイルと添加剤は切っても切れない関係である。両者がお互いに協力しあって潤滑や洗浄、冷却、メタルリペアなど複雑な作用を行なっている。添加剤と同様に最終的に燃料消費量が少なくなる効果が得られる。エンジン車と異なり走りは電気自動車なので走行フィーリングには一切貢献しない。しかし、エンジン走行車で滑らかで静かな回転を味わったように、静かな電気自動車ならではの耳に付くエンジンメカニカルノイズの低減効果は大きなメリットと言える。
騒音については静かな車になればなるほど難しくなってくる。多くのアタック愛用者であれば体験済みであるが、エンジンが静かになれば、それまで気がつかなかったロードノイズや、風切り音、排気音などがクローズアップされてくる。
3:燃費を向上させる効果的なチューニングなど無い。
e-powerなどの新しいメカニズムは弊社の得意とする新しいチューニングで攻めるのが理想的である。それを解らない人が言う言葉であり、次に示すように、沢山のチューニング方法やチューニングポイントが考えられる。
◎発電の主役であるエンジンを元気にする高性能添加剤や高性能エンジンオイルの使用。
◎燃焼効率を向上させるG9FSやV7FSなどの燃料添加剤の使用。
◎冷却水添加剤のLX使用による冷却水温度の上昇効率化。
◎電動エアコンのフリクション低減化、MVSエアコンパイプ施工他。
◎モーター部分にMVS施工による効率アップ。
◎ドライブシャフトMVS施工による伝達効率の向上。
◎ギヤケースMVS施工とオイルを藍に交換してフリクション低減と伝達効率向上。
◎高電圧配線にMVS施工による効率アップ。
◎エンジンイグニッション関係やヒューズ回路の配線などにMVS施工による効率向上。
◎ホイールにMVS施工による駆動力の効率向上。
◎シリンダーヘッド&ブロックなどにMVS施工による各種改善効果。
◎MVSボディ施工による空気抵抗減少とボディ剛性向上。
◎その他(ECU、バッテリー他、効果的な施工場所の追求)
ざっと取り上げただけで上記13箇所のチューニングポイントが頭に浮かぶ。アタック愛用者であればすでに上記項目の効果を実際に体験済みの方が多い。
一番のポイントは半自動運転のプロパイロットや安全運転支援システム、メーカー保障を損なうような改造は一切行わないで効果的なチューニングアップが比較的簡単に実施出来る利点がある。
今後の目標はメーカー公表値の燃費に日常使いの中で近づくことである。非常に難しいのは、気温や運転方法(ドライブモード)エアコンや暖房の使用、季節や道路状況、乗車人数などによって大きく燃費が左右される点にある。従って短期間の燃費はあまりデーターとして役に立たない。ある程度、長期間・長距離を走行しないと確かな燃費データーは取れない。
ドライブモードをD-sやD-ecoモードにするとアクセルペダルのみで発進から停止まで自由自在に操れる。一般的にはD-sモードのワンペダル走行がお勧め出来る。ノロノロ運転ではD-ecoモードが適している。その違いは出足の違いで、D-ecoはもっさりしているため通常使用では後続車に迷惑が掛かるためノロノロ運転に最適となる。Dモードは通常の車と同じ運転方法となるため慣れない最初の頃は安心できるが、D-sモードのワンペダル走行に慣れると他のモードはあまり使用しなくなると思われる。
歩行者が車に気が付かない時にはエンジンを始動できるチャージモードボタンを押せばエンジン音で注意喚起できる。色々な機能が盛りだくさんなので全ての機能を理解して使いこなすためには走り込んで試してゆかないと使いこなせない。この辺はスマホと似ている。
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1-5 第1回目の燃料満タンから見えてきたこと
納車から約1ヶ月、走行距離580km、第1回目の給油をした。
走行距離4117km、納車直後に満タンにしてからトリップメーターで580.6km(残り走行距離表示514km)での給油量は32.8リットル、ガソリン単価130円で支払い金額4264円。メーター表示の平均燃費は19.6km。実際燃費は580.6÷32.8=17.7km。メーター表示の90%。
残り走行距離514kmと表示されているが走行条件によって大幅に変化するため、あまりあてにならない。セレナのガソリンタンク容量は55リットル。燃料メーターは画像を参考。給油を重ねてゆけば、どの表示でどのくらいの給油量か分かってくるが、1回目だから手探り状態。メーター1/4で250km前後。
ガス欠を防ぐため燃料警告灯が点灯した時には残量5リットルと予想すると、
50ー32.8=走行可能容量17.2リットルとなる。17.2×19.6=337.12km と、残り走行距離が計算出来る。
残り走行距離表示514kmから見ると約177kmも少ない距離となる。更にメーター表示の90%が実際の燃費と予想すると、337.12×90=303.4kmとなる。
走行距離580.6+303.4=884km となり900km近く走行出来ると予想できる。
580km走行して給油代金4264円。エルグランドはハイオクでリッター7kmだったため、ハイオク140円で計算すると、580÷7×140=11600円となり差額は7336円となる計算。たった1回の給油で、この差は驚き。
自動車税もエルグランドが3.5リッターエンジンだったため58000円、セレナは34500円。この差額は23500円となる。
10年間で走行10万kmで計算すると、ガソリン代の違いはセレナ燃料代が734460円、エルグランドは200万円で差額は1265000円。これに10年間の自動車税の差額が235000円=合計金額1500000円となる。
この例が示すように、買い換える車によっては購入金額は高いが金銭的なメリットと、お金では買えない先進の恩恵を受けることができる。
忘れてならないことは、これだけ燃費に優れると、燃料価格が高い時には給油しないで暫く様子を見ることが出来る。また、旅行先で価格が高い時も我慢して帰ってこれる。旅行先にもよるが10〜30円も違うことを何度も体験してきた。
2回目の給油
走行距離4997km、トリップメーター586.5kmと、1回目の給油と。ほぼ近い走行距離で給油した。ガソリン代がリッター11円上昇して141円。今回は高速道路を主体に走行、乗員3人、エアコンと暖房使用という条件であった。プロパイロット使用で80〜110kmほどで走行、主に100kmを多く使用。気温は10度から15度と少し寒かった。
ガソリンメーターの位置は、1回目と、ほぼ同じ位置。給油量は34.15リットル=金額は4815円。586.5÷34.15=17.174。リッターあたり17.17kmと出た。前回と、同じ燃費だ。
55ー34.15=20.85(残量)、20.85ー5=15.85×17.17=272km走行できる計算できる。586.5+272=858.6kmとなる。前回より25km少ないが、ほぼ同じと考えてよい。
483km走行時点で残り走行距離が482kmと表示された。合計すると、965km走行できると計算出来るが、残り走行距離表示はあまり正確とは思えない。暖房やエアコンの使用、路面の登り下りで大きく変化するためだ。ガソリンメーターは丁度、真ん中を表示している。
車両重量2トンのワンボックスとしたら優れた燃費と思える。カタログ燃費は26.2kmであるから達成率は66%に過ぎない。
この他の経費も少ないと思われる。ワンペダル走行だとブレーキを踏む回数は極端に少ない。そのためブレーキパッド&ローターは10万km無交換で済んでしまうと推定できる。タイヤの磨耗も少ないかもしれない。
その他の消耗品はタイヤやエンジンオイル、ワイパーブレなど一般的な車とあまり変わらないが、モーター駆動のためミッションオイルは不要となる。唯一ギヤオイルが約1.9リットル使われている。オートマチックフルードSという柔らかい粘度なので近くHAYATE轟に交換予定。
セレナe-powerは特殊な車である。同じ道を同じように走ったとしても燃費が極端に変動する。通勤で3kmの道を走るとリッター11kmから28kmと変動する。バッテリーの残量や暖機時間、赤信号、気温など各種条件が複雑に影響する。山の上から2kmほど走って車を停めたところ、99.9kmの表示が出た。
本来なら一つずつチューニングを施し、その効果を走行しながら検証してゆくのが基本となるが、e-powerではそれが難しいため、「燃費を向上させる効果的なチューニング」を次々と実施してゆくことに決めた。どんな結果が得られるかは、ある程度の期間または走行距離を達成し、その平均燃費を見ることで次第に明らかになってくると思われる。
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