2012/12/29

今年もアタックレーシング製品を愛用してくださる多くの皆様方の沢山のお力添えを得て、激動、景気低迷の2012年を大過なく無事に乗り切り年の瀬を迎えることができましたことを心よりお礼申し上げます。
MVSは2010年7月より試験販売に踏み切り、好感触を得て、9月から正式に販売を開始しました。あれから、すでに2年6か月が瞬く間に過ぎ、月日の流れの早さに驚かされています。

すでにMVSを愛用している方、これからMVSを使ってみたい方、共通の注目点は「持続期間が何年なのか?」ではないでしょうか?

テスト販売を開始するまでに約6か月間を掛けていますので、初期の開発段階の製品テスト開始から、約3年間が経過しました。その効果の劣化を現時点で感じたことはありません。また、テスト販売で購入された方々から、現時点では1人として「性能劣化」が感じられたという報告も入っておりません。

人によっては「半永久」と受け取る方も稀に見受けますが弊社のスタンスとしては実績重視の企業ですから「MVSに限らず実績の上で、その結果をできるだけ忠実に顧客に伝える」という創業以来のスタンスに変わりはありません。効果は「長期間持続」と皆様に伝えてきましたが、少なくても「3年間は効果が落ちない」と報告できるかと捉えています。もし、何らかの劣化を感じた方がおられましたら、是非、藤澤宛にご報告ください。

X1&X1FS、エンジンオイル、ギヤオイル、MVS、全てに共通して言えることですが「何か不具合や調子悪く感じると、すぐに純正以外の品物に疑惑の目を向ける傾向が見受けられます。これはプロの整備士でも一般の方にも共通した傾向です。お客様の訴えを丁寧に聞いている内に「まずスパークプラグを点検して欲しい」とかアドバイスすることが多いです。昔のエンジンであれば、調子が悪い時は、真っ先にスパークプラグを取り外して、焼け具合(燃焼状態及び、プラグギャップ)を確認しました。見た目で不具合とは見分けが付かない場合でも、一度、新品プラグに交換してみて不具合が変化するかを検証したものです。すると、驚くほどプラグ隙間が広くなっていた、などと報告が寄せられます。

最近のエンジンは、エンジンカバーが装着され、ダイレクトイグニッションとなり、プラグの頭にコイルが装着されるなど、プラグ脱着が面倒になっているためにプラグ点検を行いにくい。また、10万km保障などプラグ寿命も飛躍的に伸びてきて、プラグ不具合を疑う機会がめっきり少なくなったのも原因です。だからと言って、プラグ不具合が皆無になった訳ではありません。メカニズムは、プラグ以外にも劣化や急に壊れて不具合いが発生することを知っておいて欲しい。

「エンジンが少し息を付く」勿論、エンジンオイルの劣化でも発生する現象ですが、同時にスパークプラグ、O2センサー不具合、エアーフロー不具合、配線の接触不良など、様々な機械的不具合も発生します。車の走行距離が増えると、ブローバイガスが悪さをして調子が落ちてゆくこともあります。「あるスポーツカーでスロットル部に開いている穴を吸気管を外しておいてキャブレタークリーナーで洗浄するとエンジンの調子が見違えるように違った。何馬力も違うように思った」という情報も寄せられています。

また、オイル交換に来社された車両の下側を点検したら、排気管から、ごく僅かの排気漏れを見つけたので「レースだと、排気管に少しクラックが入っただけで見る間にスピードが落ちて置いてゆかれるほどエンジン性能に影響がある」とドライバーに伝えました。後日、「排気漏れを修理してもらったら、感覚的に、前の状態が95%位の性能で、まるで違ったように調子良くなった」と喜んで頂きました。

潤滑に優れる高性能オイルや活性化を図るMVSの最大のメリットを改めて書けば「摩耗、劣化、損傷などからメカニズムを保護し耐久性を高め、無駄に消費するエネルギーを効率よく活用することで気持ち良い走りを長期間に渡って得ることに繋がる」
逆に書けば、不具合を抑制する働きもしますが、全ての機械的劣化(オイルの回っていない所)を防ぐことは出来ません。

特にターボ車のエンジンオイルに関しては、汚れとガソリン希釈、オイルレベル等、定期的点検、確認をすることは、どんな高性能オイルを使用していても欠かせません。オイルが上限レベルより5mm低下したら「オイル補充」を心掛けてください。

基本的な注意点を守って、いつまでも高性能を維持して愛車を楽しんで頂けたら、幸せです。




今年の11月〜12月に、オイル交換、MVS施工で来社頂きました、車種名だけ紹介しましょう。形式名、年式等は割愛させて頂き、車名だけ掲載致します。重複している車も割愛しています。
アコードワゴン、シビックタイプR,BRZ,ベンツC36,スカイラインV35,S2000,プリウス、ランエボテン、R32スカイラインGT-R,ポルシェ・カイマンS,レガシィ、オデッセイ、80スープラ、S15シルビア、NSX,ZN86、VW,カローラフィルダー、エスクード、ポロGTI,シビック、スバルR1,ミニJCW,ランエボVU、クラウンアスリート、Kei-ワークス、アテンザ、ソリオ、インプレッサ、エブリイ、BMW-M3,CR-X、ワゴンR、ダッチ・チャレンジャー,YAMAHA/Vmax,BMW16I、ベンツ・ゲレンデ、デミオ、日産ジューク他。
車種やメーカを問わず、幅広い層で、ご愛用頂いていることが解るでしょう。

今年1年間、大変お世話になりました。私のつたない藤澤の部屋をご愛読くださいましたことを深く感謝いたしますと共に、忙しい業務の合間を選んで打ち込んでいる関係で、誤字、脱字はお許し願います。

新しい年が皆様方にとって希望に満ちた良き年になりますよう、心より願って2012年度、藤澤の部屋を終了致します。










2012/12/15

オイルなど自動車ケミカル品に使用される化学薬品の数は数千種類もある。ネット情報を探ってみると、特に添加剤などの場合、中途半端に「○○系」の添加剤などと製品区分けする例が少数ではあるが存在する。
例えば1%のエステル系成分を含有していたとしても、エステル系と表現されるだろし、5%含有でもエステル系・・・と同じ表現となる。実際は含有量によって影響度合は大きく左右される。だが、悪意で悪役に仕立てようとする思惑が感じられる。
実際は実験の繰り返しにより最適含有量が決まってくるし、添加する場合の使用量も極少量(1〜5%)の物質が多いので、それほど多く添加されない。今回の本題で述べるが、少しでも人体に悪影響を与える化学物質は輸入の段階で厳しく制限されている。

以前にも述べたように、添加剤やオイルは物理学や化学薬品を知り尽くした担当者が、各種専門機器を酷使して実験を繰り返し製品に反映してゆく。それらの専門家は、膨大な実験DATAなどは他人に公開することは無いし、むしろ社外秘扱いとするのは当然である。
だから、その一部の成分だけを見ても実際の参考にならない。しかしインターネットなどではプロの研究者とは違い、寄せ集めした情報を無理矢理、書き手の主観的考え方に押し込んだ情報がほとんど。専門用語や化学物質名を並べて、もっともらしくは書かれているが参考にはならない。

前書きは、この辺にして・・・
最新の劇物及び劇物指定令の一部が改定されました。
官報第5890号 管轄は厚生労働省 
「毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令」
ブレーキフルード及び自動車潤滑油脂類などに使用されている[トリブチルアミン]が新たに毒物として指定されました。

これは、アスベストのように以前には盛んに使われていた素材でも、有害性が確認されれば自ずと法規制が強化され使用出来なくなるのと同様、今に始まったことではありません。夢の素材から悪としての排除素材へ。でもそれが事実です。
ブレーキパッドやクラッチディスクなどもだいぶ前からノンアスベスト化が推奨され今に至っています。古くはバルブシート保護の為にガソリンに添加されていた「鉛」が規制され、一時的に大騒ぎになりました。チューニングカーなどはバルブシートの材質を無鉛仕様に打ち替える大手術をして無鉛化対策を施しました。

今回の毒物指定された[トリブチルアミン]・・・果たして何人の方が知っていたことでしょう。
同様にオイルや添加剤でも一般では関わりの無い「裏の部分」で数多くの政令が発令されているのです。

そしてアスベストの先例が示すように、長年使われてきた理由(メリット)をどうクリアするか?
ある業者からの話ですが、ボイラーなど耐熱配管の継ぎ目に使用するパッキン。従来はアスベストが使用されていましたが、それが使えなくなったので代替品に替えたが耐久性が著しく低くなったと愚痴っていました。
アスベストの場合は耐熱性、耐久性に優れ、重量も軽かった。そして価格も市場の要求に合致していた。それだけに代替品を同等以上のコストと性能を両立・維持させて探し出すことは難しいのです。

今後、社会情勢によってはレアアースの輸入量が激減する可能性もあるでしょう。
そしてその代替品は、容易くは開発・製造できないでしょう。しかし、日本は過剰な低価格競争では敗れたものの「根本的な技術力」はトップレベル。いずれレアアースを必要としない技術を確立してくれるでしょう。

話を本題に戻して、弊社のブレーキフルード添加剤「D2」及び、エンジンオイル、ギヤオイルには、[トリブチルアミン]は含有されておりません。ご安心してお使いください。
弊社の企業スタンスはご存じのように、「少しでも改良の余地があれば製品に反映させる」がモットー。
各種オイル製品においても「品質の低いオイルをまめに交換」では資源保護と環境保護の両面に優しくないことをご理解下さい。「本来の性能を発揮させる高品質オイル」を今後も製造致します。

ただ、純金を例にすれば、ここまで化学技術が進歩しても未だ「錬金術」は存在していません。しかしながら需要はIT化により高まり、相変わらずの高値安定。コストと性能・・・両立は難しくても[必要ならば使う]は正論だと思います。


2012/12/01

新型車が発売されるとき、新機構や新技術が採用されてくることが多い。メーカーの売り文句を耳にして、実際に体験してみた時、思わず「いいね〜」となる場合と、「何じゃコレ?」と、違和感や未成熟を感じる場合と両極端を体験する。

先に結論を書くと「自然が一番!」

その理由は、自動車は5感を酷使して運転する訳だから、難しい理屈を抜きにしても、思った通りに発進加速し、思った通りに曲がり、思った通りに停止できることが理想的。予期しないコンピューター制御の介在は歓迎できない。

そんな理由から私には受け付けない最新装備・新技術が幾つかある。あくまで私の個人的な感想であり、万人が同じ意見とは思わない。その点を理解して解説を読んでみてください。

◎センターメーターは見易い=輸出仕様の左ハンドルと右ハンドルを共用してコストダウンを図る狙いが見え透いている。なのに「視認性を向上させるために採用した」などの謳い文句を見ると矛盾を感じてしまう。私には反対に見難いと思うからだ。その理由は少し下側に目線を移すのとセンターに目線を移す移動量が明らかに大きく感じるからである。それでも「気にならないよ」と気にしない人も多く存在するが私には合わない。長時間運転して車から降りたら、本人が気がつかいまま少し左に顔が傾いていなければ良いが・・・。

◎アクセルバイワイヤー=エンジン回転を制御するスロットルバルブをワイヤーでなく電気信号でモーターを駆動して作動させている。リニアに繋がっていないため、ほとんどの車がアクセルを踏みこんだ瞬間、ほんの少しのタイムラグが発生する。このタイムラグが右折時の発進時などに危険を伴うことも有り得る。安全性を向上させたという謳い文句をカタログで見ると「どうして?」と偽善に感じてしまう。衝突してからの安全性と、動体安全性と分けることが出来るが、自動車の速度から言えば0.1秒でも大きな差となって現れる。自分の思うがままにエンジンをコントロールしたい場合、やっぱりデジタルではなくワイヤーというアナログが自然で好きだ。

◎アイドルストップ=カタログ燃費でトップを獲得することで大きく販売台数を伸ばす昨今であるから、メーカーは燃費向上に従来以上の精力を傾注してくる。赤信号や渋滞でクルマが停止しているときにエンジンを停止することは燃費向上に大きく貢献する。但し、停止時間が長くなるほど、エアコン停止で室内温度が上昇してきてしまう。エンジンで駆動するエアコン・コンプレッサーを電動式に変えれば解決できるが、今度は大きなバッテリーを搭載しないと賄えない。そこで回生ブレーキで発電してリチウム電池に蓄電して活用する試みが具現化された。ここで大事なことは、エンジン停止で間違いなく燃費は向上する。

問題は、停止したエンジンを再始動するためにセルモーターが回転しエンジンを始動するタイプの場合、セルモーターも、セルモーターが噛み合う相手側のギヤも摩耗損傷が早く進行する。更に、バッテリーが重要なので市販の安いバッテリーでは役不足で、高価な性能の優秀なバッテリーに交換しなければならない。何年後かに、ツケが回ってきて交換や修理をした場合、その費用と燃費向上分の費用とを秤に掛けた場合、果たして幾らの金額が利益となるのか、その結果はまだ解らない。一般の人は目先の損得だけで物事を捉えるので解らないかも・・・。

◎直噴エンジン=前にも書いたと思うが、直噴エンジンは、どこのメーカー、どの車種に於いても、排気管を観察すると、ディーゼルエンジンのように真っ黒な煤が凄く付着している。車種によってはディーゼルより遥かに多い車も見受ける。メーカーの売りは燃焼効率向上のためと謳っているが、私がいつも解説するように、「全ての燃焼結果は排気管に現れる」この格言は変わらない。簡単に言えば「綺麗に燃焼していない」=「効率が悪い」=「エンジン耐久性に疑問」となってくる。エンジンを分解すれば、すぐに解ることだが、黒い煤はスラッジとなり、燃焼室、ピストン、バルブに堆積物として固着してゆき、エンジンオイルを真っ黒に汚す。やがてピストン側面からトップリングの小さな隙間に侵入した堆積物がトップリングを固着させる。その結果は圧縮圧力の漏れに繋がり、更に燃焼悪化、性能低下、ブローバイガス増加の悪循環サイクルを招き、走りを悪化させ、燃費低下、振動増加など様々な症状となって表れてくる。

現在のコンピューターの処理速度では完全な燃焼とは言えないが、新らしい技術は未成熟のまま世に出てきて、何年か掛けて改良を重ねて熟成してゆく。それはコンピュターに限らず周辺技術のレベルも向上してゆくことも要因である。今後の熟成を待ちたい。

◎ダウンサイジング=この言葉の持つ意味は限りなく幅広く奥が深い。マスコミも流行語のように使っているが意味を取り違えているような違和感を覚えることがある。

大きく分けて大きなボディに排気量の小さなエンジンを載せてくるケースとボディサイズを小さくしてくる場合とに分けられる。ドイツ車のCMにあるように、大きなボディに小さなエンジンを搭載し、排気量の非力さを(馬力トルクの低下)ターボなど、過給機でカバーするという手法が主流。過給機を付ければ排気量アップと同じような効果が得られるので、ダウンサイジングと取り立てて言うほどのことはないが、あくまで省燃費に対するインパクトを強く印象付ける手段と見える。日本のアップダウンの大きな道では大排気量の方が燃費が良かったケースが過去の車を見てきたときに多いのだが・・・。大排気量のビックトルクで余裕を持って急坂を登坂できるのでアクセル開度は少なめで済むからだ。ドイツの気候風土ではマッチングしても日本の気候風土にマッチングするとは限らない。以前にも書いたが、ボディサイズではなく、車両重量と排気量(馬力&トルク特性)が最もマッチングするポイントが存在すると私は思っている。そのポイントに適合するような車作りが燃費と走りの最適なバランスになると言える。

ボディのダウンサイジングはまた違った視点で捉えることができる。日本には軽四輪というボディサイズの小さな規格が存在する。普通車から軽四輪に乗り換えることもダウンサイジングの藩中と捉えられる。日本の道は狭いが、輸出を考慮した場合、余裕のある横幅が優位に働くこともあり、横幅が広くなってきた。新型車が出る度にボディサイズが拡張される傾向が続き、ここにきて、ようやく新型車で小さくする傾向が生まれてきた。これもダウンサイズの影響を考慮してのことだろう。

PS:12月から、MVS一般市販製品・第一弾としてエアコン専用チタンを新発売致します。弊社HPでも購入できますが、順次、一般量販店でも購入できるように展開してゆく予定です。
今までの綺麗な化粧箱は大好評でしたが、エンジンオイル&ギヤオイルに限って、在庫な無くなる物から、以前のボトルタイプに戻してゆきますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
その他のX1,X1FS,LX,D2等の変更はございません。




2012/11/15

最近、軽四輪で話題を提供している車が多くなってきている。

「発電するエコカー」でCMに登場している新型5代目スズキ・ワゴンR&ステングレー、10月1日に予約販売を開始、11月2日発売開始のホンダ・N-ONE他。

N-ONEがN-360をイメージしてデザインされたと謳われると、私の世代なら車好きの虫が騒ぎだす。昔々、N-360ワンメイクのレースが各地で行われ参加台数も多かった。その中で今でも鮮明によみがえるシーンは、富士スピードウェイの右回りで開催された「N360ワンメイクレース」。手軽に参加できることも手伝って参加台数は30〜40台と多い。パドックからヘアピンが見渡せるので、100Rからヘアピンに侵入してくる首位争いを観戦するのがサーキットに行った際の定番であった。ヘアピンに複数台が先を争って侵入、すると数台が綺麗にコロリン、コロンと簡単に転倒した。レースで車が転倒するとドライバーの安全を考えて身の毛が立つものだが、N-360は違った。見ている多くの人々が思わず声をあげ笑ってしまう可愛さがあった。スピードも遅かったので(絶対スピードの高い車に比べて)運良く立ち上がった車は、何事も無かったかのように再び走り出した。

話は現代に戻って、11月初旬、近くのホンダディラーで気になるホンダ・N-ONEに短時間であるが試乗してきたので、私なりの感想を書こう。中には気になっていた方も居ることでしょう。少しでも参考になれば幸いです。

グレードは一番高価なPremium Tourer Lパッケージ黒色。Premium仕様は豪華な装備を意味する。Tourerはターボ仕様で、Lパッケージは更にサイドカーテンエアバック、前席サイドエアバック、クルーズコントロール、本革巻ステアリングホイール、専用サスペンション、15インチアルミホイールと、これが軽四輪の装備?と驚くほどの充実ぶりなので、お値段もFFが153万円、4WDは165万円もする。これにカーナビなどオプションを付ければ180〜220万円と、驚く価格となる。車好きなら一番安いTourer(ターボ)仕様なら123万円と格安なので、これにMT仕様が設定されれば食指が動くだろうが、現代の車事情を考えた場合、当分は出てこないと思われる。

試乗は2kmほどの短いコースを軽く流した程度なので、あくまで第一印象のみ。パドルシフトを試したり、ECONボタン(省エネの切り替えボタン)を操作する余裕もなくて(試乗後確認したら解り難い場所に設置されていた)試乗を終了した。

まず走る前の印象。
パッと見た瞬間「背が高い!」タントほど高くはないが、今流行のトール系。軽四輪規格は1998年10月1日に長さが10cm長くなり3.40m以下、横幅も8cm広くなり1.48m、高さは変わらず2.00m以下となっている。室内の容積を増やす手段は高さしか残されていないことから必然の方向。従って全高は1610(FF)と高い。Premiumと謳うだけあって、安いイメージは湧かない。その理由は一番高価なグレードだから当然と言える。Premiumでないグレードは遮音材や制振材が少ないようだ。私的には前席がベンチシートだったので、そこが残念に感じたが、一般的な使い勝手から見れば、これが良いという人も多いだろう。他のグレードはベンチシートでも構わないが、専用サス+15インチの最上級モデルだけでもスポーツシートがベストマッチと残念に感じた。

運転席に座るとセンタータンクレイアウトの欠点として座高が高いため、少し上から見下ろす感じであるが三角窓が無いのと、フロントウィンドガラスが湾曲しているために、左右フェンダーの丸みが見えて見切りが良い。座席は上下に調整でき、ハンドルもチルトはする。ここまでくると前後調整も欲しくなる。メーターも三眼式で見やすく好印象。何と、燃費だけでなく外気温や航続可能距離の表示切り替えも可能だ。安全性を謳う多くの車が前方視界を遮る太いAピラーや三角窓など見えにくい状況下に置かれているので昔の車のような良好な視界を確保した車が好みである。

後席はスライドしないかわりに十分な広さがあり下手な小型車の後席より広い。フィットと同様に、ワンタッチで座面の跳ね上げや背もたれを倒すことも可能だから日常使いに重宝することは間違いあるまい。

「今までは軽四輪は安全性が低い」という常識が変わりつつある。下手な小型車よりも安全に関する装備は充実している。サイドエアバックを始め、急ブレーキを判断するとハザードランプが点滅し後ろの車に注意を促す「エマージェンシーストップシグナル」急なハンドル操作やすべりやすい路面で横すべりを防ぐVSA(ABS+TCS+横すべり抑制)=ブレーキを掛けたりトラクションコントロール等を総合的に活用して横すべりを抑制する。坂道発進でクルマの後退を抑制する「ヒルスタートアシスト」追突された際に首へのダメージを軽減する「頸部衝撃緩和シート」等、これが軽四輪?と疑うほどの充実ぶりで、ホンダが軽四輪に掛ける熱意が垣間見えてくる。

左側にあるエンジンスタートボタンをプッシュでエンジン始動、Dレンジに入れてゆるやかに発進。少しアクセルを開けるとガサツなエンジン音が予想より大きく聞こえてくる。確認していないが0W-20の低粘度オイル特有のエンジン音に聞こえた。ターボ付き最上グレードで走行距離が230kmという、一番恵まれた条件で煩いと感じた。NAになれば当然ながらアクセル踏込量は多きくなる、しかも低グレードになると遮音材も少ない。更に0W-20は2000kmも走ればメカノイズは更に大きくなってゆく傾向を示す。オドメーターの走行距離も新車から1万kmに近づくほど騒音は増大してゆく。普通車のように遠乗りが出来る軽四輪を目指したと謳う割には「魂作って仏を入れず」、他が良いだけに残念に思ったのは私だけでしょうか。

エンジン騒音の原因は幾つか考えられる。
1=やはり0W-20の油膜の薄さが最大のネック。私がいつも言っているように、どんなに優れた添加剤を上手に使っても粘度に変わる要素は粘度でしか補えない。
2=MM思想のため、エンジンもエンジンルームもコンパクト。エンジン内部の音も外に出易いし、室内のすぐ前の運転席に近い位置にエンジンが収まるので、近いから、もろに聞こえてくる。
3=コンパクトなエンジンに収めるため、全ての部品を薄く小さく作りこむ必要が出てくる。車重を軽量化しコストを安くするメリットはあるが、反面、騒音だけは不利に働く。

メカニズムに強い方であれば、速攻で弄りがいがあると、ボンネットやバルクヘッド周りに遮音材や紡振材を施工しようと考える所。しかし「臭い匂いは元から断つ」がチューニングの神髄だから、エンジンオイルをZEROシリーズのZ30に交換、エンジン軽量化で肉厚の薄くなっているブロックやヘッド&ヘッドカバー等に、パワーシート施工、更に吸気排気関係にパワーバンド装着、定番のバッテリーパワーリング、ラジエターアッパーホース、コイルにパワープレート貼り付け、エアコン低圧パイプにMVSエアコン用装着。総合的に行うことでアクセル踏込量を少なくすることで騒音を抑制する。その後、更に静かにしたいなったとき、初めて防音対策に手をつけたい。エンジン内部の潤滑はオイルで改善し、外からはMVSで攻める。これが私のチューニング。

一度購入してしまうと、良くも悪くも何年間か長い付き合いになる。常に欠点を感じながら我慢して乗り続けるか、少しの投資で、気分爽快に車の走りを楽しめるか、その差は歴然。「ディラーにエンジン音が煩い」とクレームを付けても答えは「こんなもんです」と決まった答えが返ってくるに違いない。

試乗された方がどんな評価を下すのか、車サイトを覗いてみたら、MINIに似ていることから、MINIと比較されている方を多く見受けた。軽規格という制約を受けた日本のお買いもの車と、アウトバーン無制限を走るお国柄の車と比較することは妥当ではない。ただ、VW-UPとの比較は価格帯がそう違わないため、当然比較される方は多いことでしょう。長所も欠点も大きく異なる2車の選択は乗り手次第、使い方を考慮して決めればいい。街乗り、お買いものメインであればN-ONE,遠出のドライブも多く、走りの質を求める車好きならUPで決まり。但し、輸入車はハイオクタンが指定で、故障した際の修理代、部品代も高い、2ペダルの変速ショックも大きくクセが強いので試乗しないで購入するのは危険である。

走りの面だが、短時間の走行で攻める走りはしていないため、感じた点だけ書くと、ハンドルは軽く、ブレーキは一昔前の軽とは大違いで安心感があり、乗り心地は15インチの割にフィットのような突き上げ感は少なく上質なしっかりした乗り心地で好感が持てた。見切りも良いので、エンジンノイズ以外は良くできた車だと思う。推定で書けば、全高が1610mmと高いので、コーナーを飛ばせばロールを抑制し安定度を高めたいと感じるだろう。選択肢は、メカチューン派は車高(車高調組み込み)を落とし、少しグリップタイヤに交換したり、お決まりのタワーバー、ブレース補強を考えるだろう。

弊社のやり方は、D1&D2、MVSをサスペンション、メンバー、スタビ、ショックアブ、ボディ、ブレーキ、ドライブシャフト、ホイール施工で、バランスを取りながら自分好みの車に仕上げてゆく。改造ではなくファインチューニング。どちらを採用するかは貴方の考え方次第、勿論、両方を上手に組み合わせる手段も捨てがたい。

ノイズ以外の細かい部分で私の意見を書かせていただくと・・・
燃費モードに切り替えるECONボタンがパッと見ただけでは見つからない右下に設置されているため登坂時などに切り替える際にボタンを探して前方確認がおろそかになりがち、安全を謳うなら、この位置はおかしい。また、長距離移動を考慮した際、長いトンネルでエアコンを内気循環に切り替える際も、同じことが言える。理想はハンドルに切り替えボタンを設置してくれたら、最高の使い勝手になるのだが・・・。

N-ONE購入者はお気軽に相談してください。

2012/10/31

世の中には両立させることが難しいことが沢山ある。特に相反する要素を高次元で両立させることは技術力の高い人が挑戦したとしてもハードルは高い。

自動車に於いて相反する要素は数多く存在する。その一例を挙げると・・・
高馬力と低燃費
鋭い加速と低燃費
クイックな操縦性と良い乗り心地
操縦安定性と良い乗り心地
グリップして摩耗の少ないタイヤ
軽量で剛性の高いボディ
高馬力なのに低速域でも高トルクなエンジン
高潤滑なのに滑りにくいオイル

このような要望に少しでも応えるためにメーカーは日夜開発に明け暮れ、新技術を開発して希望に応えようと努力している。自動車メーカーと同じように弊社も絶えず研究開発しているのは自動車レースのメカニック出身であれば至極当然な成り行きで特別なことでもない。マスコミなどは日本が世界から遅れを取っているとか落ち目であるとか書き立てるが、日本人の工夫する姿勢や改善する能力は世界の中でも誇れる要因だと私は捉えている。戦後から目覚ましく発展してきた先人達の努力を台無にしないためにも胸をはって生きていきたい。

私は机上の空論は嫌いだ。実際に自分自身で試してみて、その結果を検証する。そんな私の姿勢と同じ考え方の人が弊社販売店の店主にも数多い。弊社製品の初期導入に際し「自分が一度実際に試してみて納得できたら、お客様にも勧める」と多くの方から言われる。立場を変えてみても私も同じことを言う。言い方は悪いが小さな店ほど、お客様が「ありがとう、良かったよ」と、お礼を言ってくれるような素晴らしい製品をプロの目で厳選し、勧めることが信頼関係を構築してゆくからに他ならない。

実際に体験しないで、いくら頭で考えたとしても、X1&X1FSのトラクション性能は理解できない。発売以来、多くの車好きや中古車関係の方が、オートマの滑り及び変速ショック改善で喜んで頂いてきた20年以上の実績が物語っているように、難しい要因の両立は可能なのだ。

相反する要素の両立という意味では、MVSも同様で、操縦性をクイックにして安定性も高めて、乗り心地も良好にするという難しいセッティングも可能となる。MVSを多くの車両に施工する中で、今まで誰も言わなかった(私の中では…雑誌、ネット情報等)新しい技術理論が私の中で構築できつつある。自動車開発技術屋の何人が気が付いているのか興味があるが調べる術は持ち合わせていない。弊社のコンセプトである「マシン・バイタル・コンセプト」から外れることではない。オイルの潤滑でも眠っている性能を無理なく引き出せることが解ったが、MVSに於いても、まったく同様で、眠っている性能(言い換えると阻害されてスポイルされている性能)を無理なく導き出すことが可能になってきた。

今月の27日に2005年製のドイツ製小型車でMVS施工に来社されたお客様がいた。
納車以来7年間、ずっと悩まされてきた不満点を改善したいとメモ書きを渡された。
○アクセルが重く滑走感がない。
○高速での走行安定性をUPして欲しい。
○アクセルレスポンス向上。
○加速がトロイ。
○高速道路で飛び跳ねる。
予算は15万円。

予算はあるので順番に攻められる。まず定番のバッテリーパワーリング、ラジエターアッパーホースチタン、吸気管にパワーバンドMサイズ、排気管にパワーバンド3本を装着。次にパワーシートハーフをフロントサスペンションやメンバーに46枚貼り付け、リヤに34枚貼り付け、最後にホィールにパワーシートLサイズを10等分に切っ物を一輪当たり20枚貼り付ける。

作業が終わって期待の試運転。さて、その結果は・・・
まず空気圧チェック、するとリヤが2,8kgと高い、フロントは2,6kgと少し高い。そこで空気圧を落として再トライ。少しは改善されたが不満点は残ると言う。そこで助手席に乗って確認することにした。確かに急コーナー中の凸部を通過した際にリヤ側が横にスライドする。すると「ランフラットタイヤ」という言葉がドライバーから出てきた。私は存在自体は認識していたが、体験するのは初めてだったがピンと来た。「タイヤだ!」

タイミングよく、昔同じ車に乗っていたというお客様が名古屋から来社された。「このランフラットタイヤはどうなの?」と聞くと「この初期のランフラットタイヤは跳ねるよ。現在のタイヤとは別物だよ」という返事。そこで改めてタイヤを観察しながら、お客様に聞くと、納車以来、7年間使用、良く見れば残り山も限度に近く、空気圧と合わせて原因が判明。お客様は普通タイヤに交換すると車検が受からないと思っていたが、パンク修理キットを積めば大丈夫だし、無くても大丈夫かもしれないということで一件落着。タイヤ交換をお願いした。

帰りの道中で別物の安定性とエンジンフィールが味わえたと、本日(30日)今度は古いジャガーのオープンカーで来社された。
改善したい項目のメモ書きを渡された。
○アイドリングの振動低減。
○アクセルレスポンス向上。
○加速に芯が欲しい(スルドク)
○湿度が上昇するとエンジン回転が重い。
○トルクアップへ。
○ボディ剛性アップへ。
○低速悪路であしまわりがバタバタする(横ブレの様な感じ)
○ATの予期せぬ変速時々有り(回転落ちた為か、50回転ほど落ちると速度10km/hアップ)
前回の結果が良かったので予算は20万円にアップ。

同じように定番品から装着してゆく。サスペンションはドイツ車と別物で、リヤサスは何と下側の太くて丸い棒が1本で全てを支えている設計だ。そのアームにショックアブが取りつく。ドライブシャフト自体が、アッパーアームを兼用しているという合理的(?)設計。フロント側もドイツ車とは異なる設計で、X字型の細いブレースが標準で装着されていた。

ドライブシャフト、ホイールも含めてサスペンションも攻めてゆく。エンジンも吸気、排気関係もパワーバンドで攻めてゆく。注目のエンジン始動「ウッ、振動が消えている!」と喜んでくれる。そこで期待の試運転、さて試乗の結果は・・・?

「ブレーキの効きが弱い」という不満を真っ先に訴えてきた。ドライブシャフト、ホイールの施工で、そうなることは初めから予想できていた。そこで前後キャリパーにパワーシートハーフを角2枚、合計8枚を施工。それでも不満が出たのでマスターシリンダー下側にハーフを2枚追加施工して、もう一度、確認走行して頂くと「バッチリ!」と喜んで頂けた。施工から時間経過するほど効果も強くなってくるので数日経てば、もっと良くなっていることでしょう。帰りの新東名高速で思わずニンマリする顔が目に浮かんでくる。

エンジンへの施工は長くなるために書かないが、気になっていた問題点は、ほとんど解消したようで晴れ晴れとした表情だった。「高くて申し訳ない」と言うと「安いよ、車を買い替えることを考えたら、別物になったから車を買い替えたのと一緒だし、この車は一生乗り続けるつもりだから」とまで言ってくれた。「今度は軽四輪を持ってくるからね」という言葉を残して嬉々として帰ってゆかれました。
良かった! 
愛車に不満を持つ方は一度試してみてください。






2012/10/15

最近発売されたカー雑誌に目を通していくと「スイフトスポーツに低粘度オイルを試してみた」という記事が目に留まった。オイルに造詣の深い評論家に意見を聞いたところ「レースでも使われているので問題はない」という意見だったと書かれていた。
ご承知のようにレースの第一線で長年メカニックとして経験を積んできた私の意見は「NO」である。

その理由は大きく二つある。
理由その一
自動車レースの場合は、ある意味でお金(資金)の勝負でもある。どこまで競技車に、お金を掛けられるかが勝敗を大きく左右する。それは昔も今も変わらない。大きなレースでも小さなレースでも変わらない。だから、目先の勝負に勝つために、エンジンがどんなに痛んだとしても勝つために低粘度オイルを選択するケースも出てくる。昔のTSレースの格言として、ある有名なレーサーが言った言葉をご紹介しよう。
「15周レースであれば、最終ラップを10センチでも先に1位でチェッカーを受けた後にエンジンが壊れる(この意味はギリギリの耐久性があれば良いという考え方を表している)チューニングが究極だね。

これがレースの極意とも言える。エンジンが壊れれば、莫大なお金が出てゆくことになるが、元々、レースとはお金が掛るものだと理解している人であれば、自然な考え方である。勝つために耐久性が犠牲になっても、その勝負に勝てば良い。ナンバー付のサンデーレーサーとは、まったく違う世界観なのである。その時の気温や周回数などから、低粘度オイルで勝負を掛ける場面であれば、私も選択肢として当然ながら考える。

また、低粘度オイルが使用できるマシンも限られてくる。ターボ車やハイパワー車は、やはりそれなりに油温も上昇するし、夏場の高温時ではオイルに厳しくなってくる。ましてや耐久レースになれば負担も増えてくる。低粘度オイルを使用した場合のメリットとデメリットを考慮したら油温上昇による油圧の低下やピストン&シリンダー損傷などが考んがえられるためリスクが多過ぎる。

理由その二
自動車レースでも、スプリントレースの場合、周回数は15周から30周と少ない周回数で争われる。周回数が少なければ、当然ながらオイルのタレ具合も少ないし内部のダメージも少ない。しかも、少なくとも弊社オイル以外では、毎レース、オイル交換を行うことが多いので常に新品オイルで競技を行うことになる。

一般市街地を長期間使用する場合は、オイルの劣化は逆に厳しくなることは容易に想像できる。渋滞や信号のストップゴー、エアコン使用による負担増、エンジンの頻繁な始動や停止はオイル劣化に大きな影響を与える。だから、ある意味ではレースの10ラップの劣化よりも、一般道路を6か月間使用を続けた方がオイル劣化は大きいと言える。ここが一番のポイントになるが、レースは頻繁にオイル交換を実施するが、一般道路使用では同じオイルを長期間使い続けるのが一般的、ここが大きく異なっている。一般道路使用でエンジンダメージが解れば大騒ぎすることでしょう。

「私が粘度に変わる要素は粘度しかない」とオイルを長年開発してきて感じたことであるが、その雑誌の記事では「最近のオイルは有機モリブデンなどを添加してオイル性能を向上させている」と書かれていた。これも私に言わせれば間違った解釈をしている。X1を添加しても有機モリブデンを添加しても粘度は固くならない。ベースオイルも重要だし、粘度も重要な要素なのだ。だからこそ市販オイルは色々な粘度のオイルが販売されている。弊社オイルも粘度の重要性に注目したから、粘度調整可能(ブレンド使用)なオイルを開発してきた理由が、ここにある。

低粘度オイルは交換直後は静かであるが2000kmも走行するとメカノイズが耳障りになってくる。箱根など登坂路で高回転を使用しても騒々しい。メカノイズは潤滑部分を完全に保護できていない証拠であり、その状態を長期間継続することでダメージは蓄積されてゆき、トラブルや性能劣化に繋がってゆく。

物事は深く洞察しないと大きなしっぺ返しを喰って後悔することになる。多くの方が目先の燃費ばかり気に掛けて、肝心要の、エンジン性能の維持管理を忘れがちとなっている。弊社製品愛用者は、そこを理解してくれる方が多いと思う。「高くて悪いね」と言葉を掛けると「いや、かえって安いよ」とまで言ってくれる。愛車を廃車や下取りに出すまでの費用対効果を計算してくださる方の意見と言える。そのような方は走行20万kmは通過点と考えている人が多い。反対に「純正オイルが一番」とか「低粘度オイルで燃費を稼ぐ」とか言っている方の車が、何万km、高い性能を維持しているかを検証してゆけば、答えは自ずから見えてくる。

弊社オイル愛好者が来社された時に「車の調子はどう?」と声を掛けると・・・
ニッコリ笑って「絶好調」「最近、燃費が上がった」「前と全然違ってきた」と報告される方がほとんどだ。この最高に気持ち良い走りの世界を知らない(体験していない)世の車好きが「可哀そう」と思ってしまうのは私だけでしょうか?


2012/10/01

MVSの話題が続いたので今回は少し話題を変えよう。


つい最近、会社のパソコンを新型Windows-7に入れ替えた。長年慣れ親しんだXPから、評判の悪かったVistaを飛び越して7を選択した。従って、ワード・エクセル等、使い慣れたソフトも古いバージョンから一気に最新バージョンに変化。その感想を一言で述べると「慣れるまでが大変! 同時に、使いやすくなった面と、凄く使いにくくなった部分を感じてガックリときた」

この感想は、そっくり車の新型車にも当てはまる。新型車が発売されると私だけでなく、世の車好きは、CMで反応し、パンフレットを穴の開くほど読んで新技術に期待したりする。実際に購入して使い始めると「ウン?」と疑問点が付く問題点が浮かび上がってくることも多い。「ここは納得できない」とモヤモヤした気持ちを払拭できないで、解決策を模索することになる。

環境問題にプラスし景気低迷も加わって、少しでも燃費が良い車が売れる傾向にある。だから軽四輪も含めて驚くようなJC08モード燃費の車が増えてきた。今までもモード燃費と実用燃費との差を機会があるごとに解説してきたが、各種使用条件で大きく左右される。

私は通勤で片道2キロの往復を1日2回平均で繰り返すことが多いので、最悪の実用燃費である。今まで3台の車の燃費を比較してみると・・・
◎平成14年日産マーチe-4WD/1400cc4ドアセダン・AT=約9〜10km/リッター
◎平成16年7月初年度登録プジョー206SW-Quiksilver/1600ccワゴン・AT=ハイオク・6.5〜7.0km/リッター
◎平成15年ホンダフィット1300cc5ドア・CVT=11.0〜12.3km/リッター

マーチとプジョーは満タン計測法を何回か繰り返した平均値、フィットは乗り始めたばかりで計測1回のみ。昔の車は暖気運転をしっかり行わないと調子良く走れなかったが、近年の普通車なら環境を考慮して暖気運転は不要だ。いきなり全開にさえしなければ、暖気運転を行わない弊害は少ない。勿論、特殊な車やスポーツカーでも5分間ほどで大丈夫だろう。だから、上記数値は暖気運転を行ったら、まだまだ悪化する。
燃費は、季節(エアコンや暖房)や荷物の積載、渋滞、その他の条件で大きく変わるが、基本的に元々燃費が悪い車種は低い数値を示す。平成14〜16年頃の車の、これがスタンダードな燃費なのかもしれない。最近の車と大きく異なる燃費性能と思う。だが、車好きなら多少は燃費が悪くても「乗ってて楽しければ多少の欠点は目を瞑る」

私が新しい車に乗った際に、注目するのは操縦安定性と乗り心地、フロント左右の死角の優劣となる。最近の新型車はデザイン優先で視界の悪い車が多くなった。これなども改善ではなく改悪と言える。操縦安定性が高ければ、いざという場面で助かる確率も高まる。MVSの開発でどうしてもクローズアップされてくる問題だ。乗り心地も同様で、今までなら我慢するしか無かった乗り心地を、エッと驚くほど変化させることも可能だ。

絶えず製品の開発及び性能確認を複数の車両で行ってきた。現在の私の運転する車をご紹介すると・・・
○日産・エルグランド3.5リッター 4WD
○プジョー・206SWワゴン
○トヨタ・カムリハイブリッド4ドアセダン
○ホンダ・フィット5ドアハッチバック
○トヨタ・ウィッシュ5ドア 7人乗車
ワンボックスから大型セダン、小型車と変化に富んでいる。メーカも日本の三大メーカーを乗り比べるように考慮した結果だ。ホンダ・フィットは中古を購入したばかりで、これからMVSのデーターを収集する予定。他の4台はオイルからMVSまで、estremo製品満載である。

自動車は1台1台が味が異なる。私は、シートの座り心地やカーナビの出来具合も気になる。その理由は長距離運転が多いからである。普段は狭い路地裏を2km往復するような使い方が多いので、こんな使い方だと日本車が一番乗り易い。プジョーのシートは素晴らしくボディ剛性も高いがハンドルも重く切れ角が少ないために、長距離や高速道路が向いている。1日に3台を乗継ぐ機会もたまにあるが、車の違いが実感できておもしろい。

燃費の優れた車に乗ると、いつの間にか燃費を自然と意識するように変わる。カムリハイブリッドも、estremoケミカル漬け、プラスMVSで最近は驚くような燃費をマークするようになった。ガソリンタンク容量65リッター、レギュラーガソリンで、表示燃費・満タン974km(メーター上で走行距離と残り走行距離が表示されるため、二つを合算で満タン走行距離が算出できる)をマークした。別に燃費走行した訳ではなく、3人乗車で常時エアコン24.5〜25.5度設定、オーディオ常時ONで一般道主体に、普通または発進加速は少し素早く走行した。クラウンと同等の大きなボディで、実際の満タン法計測でも13.68〜17.2km/リッターと優れた燃費をマークする。このように時代は少しずつ変化を遂げてゆく。





2012/09/15

MVS装着に限らないが、真のチューニングアップとは、
ステップ1:装着または交換する
ステップ2:走る
ステップ3:探る
ステップ4:取り外し又は装着場所移動または追加
ステップ5:走る
ステップ6:探る
これを繰り返しベストの答えを見つけ出す作業に尽きる。

走る・探るをもう少し詳しく解説すると・・・

一番重要なことは「体感センサー」に関わってくるが・・・
その体感センサーの違いが出来る要因を分析すると・・・
1:運転経験の長さの違い=若葉マークを含めて経験が浅いのか、それとも10年、20年、30年と運転の経験を積んできたかの違い。また、年数だけでなく、ペーパードライバー、1年間に3000kmしか乗らない人も居れば、数万km走る人も居る。また、田舎の比較的空いている道ばかり走る方、大都会の混雑した道ばかり走る方、自宅が山の上にあって通勤で朝晩、下り坂登り坂を経験している方、高速道路を多く走行する方、雪国に住んでいて冬季の滑りやすい道を走る方等、その経験値も様々である。

2:今まで、どんな車を何台経験してきたか=軽四輪、トラック、バン、マイクロバス、スポーツカーなど、多彩な車を経験しているか否か。反対に、1車種をこよなく愛して長期間乗り続ける方、新型車が発売されると次々と車を買い換える方など、これもまた千差万別だ。

3:購入した車を、何も改造しないで純正のまま乗る方、新車を購入すると真っ先にホイール&タイヤを交換する方、足回り交換、マフラー交換から始まって、色々な改造を行うのが好きな方など、これも人様々である。

4:1台だけを所有する方、いつも複数台所有する方、会社の社用車を運転する方など、この項目も大きく分かれる。

5:体感センサーに直接関わる話ではないが・・オイルの話でも登場するように、元々の完成度が高い車で馬力があって四輪駆動制御などが盛り込まれた車は、センサーの違いだけでなく、違いが把握しにくいことを忘れてはならない。

私の場合を例に挙げると、普通免許を18歳で取得した時には小田原の修理工場に勤務していたために、整備後の試運転、整備後の納車など、メーカーを問わず(日産、トヨタ、三菱、ホンダ、ヒルマン、いすず他)運転していた。その後、日産大森に勤務する訳だが、宣伝部に所属していた関係で、新型車が発売されると、一般の方より早く運転できた。そんな恵まれた環境で、当時の日産車の、ほぼ全ての乗用車を体験している。現在に至るまで愛車だけで30台以上、運転した車種は、ざっと数千台・500種は超えると思われる。パルサーX1−Rを運転した時の記憶が一番衝撃的で、今でも鮮明に蘇る。(だからスーパーアタックX1と名づけたのかもしれない)

上記1〜5項目の違いにプラスされるのが、生まれた時から身に付けている「感度の違い」ではなかろうか。音楽を例に取ると、子供の頃から音感に優れている方も居れば、どんなに頑張っても音痴の方も居る。勿論、長い間に努力や勉強によって、ある程度克服し上達することは可能であるが絶対音感の領域までは到達できない。
自動車の運転に置き換えて考察してゆくと次のように分析できる。
1:運転技術に関する優劣。
2:自動車のセッティングに関する優劣(改造など変更による変化の違いの把握)

例えばプロのレーシングドライバーを例に挙げると、サーキットの走行タイムは速いが問題が発生した場合、どこの部分をどうして欲しいのかメカニックに上手に伝えるのが苦手が選手も居る。
反対に「フロントスタビライザーを少し太い物に交換して欲しい」と具体的に指示してくるドライバーも居る。一般車のチューニングでも同じことが言えるが、ネット時代の現代では上記、1〜2に関係なく、誰もがプロと見間違えるような評価をアップしている状況と言える。先に解説した1〜3項目の経験値も大きく違ってくるが、あくまでAという商品を使ってみて「その評価がどうであるか」となった場合、多くの方が、その方のレベルが社会的にどのレベルかを見極めるのは技術の低い方ほど難しくなる傾向は避けられない。

何を言いたいのかと問われれば、体感センサーは人それぞれ違いがあるということだ。生まれ持った違いはあれど、センサー感度を磨く努力や経験を積むことでセンサー感度はアップできると思う。
例えば、タイヤ空気圧を規定値の半分に落として違いを見たり(長期間は危険なので、あくまでテストの間だけ)高くしてみたりして、同じ道を走行してセンサーを研ぎ澄まして「空気圧の違いの変化」を身体で受け止める。ここで重要なことは「ただ普通に走るのではなく、五感を研ぎ澄まし車と対話し、何が変化どのように変化したかを探りながら走ること」に尽きる。スーパーにお買い物に行くために漠然と走っているような状況下ではセンサーは眠ったままで役に立たない。

もう一つ大事なことは、いつもの自分の運転スタイル、いつもよりエコ運転、いつもより少し過激というように、改造前との違いを知るために運転条件を少し変えてみて違いを見てみることも必要となる。言葉で他人に伝えることは難しいが、色々なアクセルの踏み方や、ブレーキの踏み方、ハンドルの切り方をテストすることで、より違いが浮き彫りとなってくる。同じような理由で、舗装の良い道だけでなく、段差のある道、登り坂、下り坂の道、曲りくねった道など各種条件の違いも走行して検証してゆくことで変化を掴み取る経験を積み重ねることが重要だ。

ネットなどで「MVSを試してみたが効果が解らなかった」という評価を見かけたが「何の車種で、どこに何を装着したのか」が一切明記されていなかった。これは評価記事とは言えないし、今まで解説してきた「体感センサー」がどうなのかも大きく関係している。
お客様がMVSお試しで来社された場合、最初の装着で「効いた」という評価を頂く確率は30〜50%。少し位置を変更したり追加することで60〜80%に大幅アップする。最初に書いたように、良い結果を見つけ出すステップも重要なのである。

「車に効果的であれば、人体にも使ってみたい。」そう思われて問い合わせをくださる方も増えてきました。
そのようなご要望に応えて、MVSチタン製ネックレスを数種類用意しています。興味のある方はMVS販売店にお問い合わせ下さい。指輪も欲しいという要望に応えてMVSチタン指輪を4種類作りました。チタン製のフリーサイズを販売している所は見かけないので、我がまま言ってC字型のフリーサイズを製作して頂きましたが、チタンは弾力があるため、小さく押し込んでもスプリングと同じように元に戻ってしまいました。(涙)
しかし、結婚指輪とは用途が違うので、中指や人差し指など、指輪のサイズに合致する指に装着して下さい。
車の装着と同様に、「指輪と2箇所に装着した方が・・・」という方が多いです。現段階では、販売店での無料体験は行っておりません。(弊社では、お試し頂けます。)

2012/09/01

X1の開発・販売で新しい発見やメカニズムと潤滑との深い関わりが見つかり、エンジンオイルやギヤオイルの開発・販売でも、それまで気が付かなかった車の潤滑との奥深さが解るように変化した。

同じように、MVS開発と、お試し装着を始めてから早くも2年以上が経過したので、今まで見過ごしていたり気が付かなかったメカニズムの動作や関わり具合などの微妙な変化と影響が浮き彫りとなって見えてきた。

その答えを一声で書けば「全ての物質は力を受けて変形している」という極めて単純明快な結論と、「その変形をほんの少しでも抑制することが出来ればエンジン特性や操縦安定性など、大きな恩恵を蒙るという」発見である。

頭の中で理解していても、実際の日常生活、特に自動車を運転中に変形している部品に想いを馳せるかと問えば、ほとんどの方が、そこまでは想像したり思いが及ばないと思われる。

部品の歪みは、あらゆる効率を低下させたり、振動を発生させたり、色々な悪さに繋がって、結果的にあらゆる性能をスポイルしている。従って、歪みを減少させることこそ、無駄なくエネルギー(トルクや馬力)を効率良くホイール&タイヤに伝達し、駆動力(トラクション)を伝えることに繋がってゆく。また、操縦安定性や操舵反応(ハンドルレスポンス)や乗り心地、ブレーキ性能や冷房性能、発電性能まで深く関わってくる。

従来からの考え方の重きを置くところは、
1:フリクションの低減
2:燃焼効率の向上
3:冷却損失の低減
4:空気抵抗の減少
5:転がり抵抗の減少
等である。

上記5項目に加えて、これまであまり語られてこなかった
6:歪みによる損失分軽減や操縦安定性向上
が私の中でクローズアップされてきた。まだ世の中の自動車関係者からはあまり語られない話題である。

自動車が好きで好きで興味を持って50年、今になって「アッ!」と気ずかされることが多くなってきた。それ秘密は、MVS開発に深く関わっている。

弊社の製品に貼ってある「極める」ラベルに偽りはない。車大好きバカだからこそ、人が気が付かない所まで踏み込める。全ては想像や空想ではなく実際に色々とチャレンジしてゆく「トライアンドエラー」でしか答えは見つけ出せない。「思ったら即座に行動に移す」が私の変わらないスタンスだ。

また、実際にMVSを試したお客様の小さな呟きや感想にも耳を傾ける。そこで大きなヒントを頂くことも多いから非常に参考になり、製品施工に反映してきている。これなどは「3人寄れば文殊の知恵」の諺に通じる。沢山の人の感想や意見には大きな宝物が隠されているからだ。

今後の計画として
○MVSパワーシートの装着例をホームページにアップする予定。
○カムリハイブリッドの施工例を含めた画像をアップする予定。
○MVSの実際の装着参考例をホームページにアップする予定。
順次、少しずつですが進めて行く予定でいますのでご期待下さい。

MVS新製品のご案内。
すでにご来社頂きました、お客様には早くも装着済みの方も何人かおられますが、下記の商品を設定しました。
49-PFW-280 パワー平編線
49-PFW-380
49-PFW-480
50-ACAアルミ エアコン装着用
上記4種類です。

49番のPFW(パワーフラットワイヤー)とはパワー平編線のことで、最後の数字280とはターミナルの穴の中心から中心までの長さが280ミリを表しています。最近の新型車は排気管の静電気を逃がすことで排気効率が向上するということでアース線装着車が増えてきました。このアース線と同様な使い方をしたり、バッテリーのマイナスターミナルから更にボディアースに落とすようなアーシング的使い方など、最善の結果を探し出します。特にパワーバンドを排気菅に装着している場合、片側をバンドに挟み込んで共締めし、反対側をボディ側に装着することで、パワーバンドの効果を倍増できます。まだ新発売して時間が経っていませんので、ご不明な点は直接弊社まで、お電話下さい。

50−ACAアルミは、エアコン低圧パイプに装着するアイテムです。すでにパワーシートを装着している上からでも装着できる設計を採用しました。新規で装着する場合も、パワーシート装着済みの場合でも、試装着してみて、その結果により購入をご検討下さい。チタン製も開発中です。

エアコン以外でも、パワステ、ATF等の配管や、燃料ホース、バッテリーマイナスコード等も装着してみて良い結果が得られたら装着をご検討下さい。

何度でも繰り返し解説いたしますが、チューニングとはトライアンドエラーを積み重ね、最善の結果を求める作業です。最善の結果とは、その車を常時運転するドライバーが「いいね」と納得できるフィーリングを得るのが目的です。調律=セッティング 「難しいね」と言う方も多いですが、ただ宣伝文句を鵜呑みにして、購入=装着 では、チューニングとは程遠い作業と改めて認識する必要性があるのです。このことを知らない人ほど、無駄金を使っているに違いありません。

チューニングは「安いね」とか「高いね」と言う前に、良い結果が得られれば得られるほど、結果的に安く付いたと判断できるし、高額な金額を掛けても結果が悪ければ悪いほど「高くついた」と言える。そんな目線でMVSの結果を見てゆくと解る方ほど「ニタッ」と喜んで頂けるに違いありません。1万円以下で体感で解るアイテムを市場で探し回っても、砂漠の中でダイヤモンドを探すのに等しいが、MVSなら、お宝ザクザクという感じかな・・・。


2012/08/15

前回の話の続きをしよう。

真のチューニングアップとは一番効果的な場所を狙い撃ちすることで 「費用対効果」に優れた結果が得られるという話をした。

この真髄はメカニカルチューニングでも活性化チューニングでも何等変わらることはない。

MVS施工台数が多くなるに従って、お客様の評価から色々なことが解ってきた。MVSは、どこでも効果が得られるが・・・

特に
「電気関係に効果的」
「サスペンションに効果的」
「ボディ剛性に効果的」
「回転している部分に効果的」
と言うことが浮き彫りになってきた。だから、従来車でもEVでも、HVでもポイントさえ押さえれば効果的に効いてくる。

最後の「回転している部分に効果的」を詳しく解説すると・・・
前回に解説したホイールのスポークにMVSパワーシートを貼る方法、ドライブシャフトに同じくパワーシートを巻きつけるように貼る方法。これを実際に施工されたお客様の多くが絶賛してくださった。勿論、私もカムリハイブリッドに試して実感している。どう変わるかは人によって異なるため、ここでは書かない。

回転部分に効果的と言うことで、カムリハイブリッドのエンジン・クランクシャフト・プーリーに、MVSパワーシートLサイズを8等分に切って貼り付けてみた所、エンジン振動が減少した。そこで来社していた常連客に情報を伝えると喜んで試してくれた。
やはり一番の体感は「エンジン振動の減少」であった。振動が減少したことで、僅かであるが加速も気持ちよくなったと喜んで報告を頂いた。MVSパワーシートLサイズは1枚2000円なので費用対効果は抜群である。
1万円以下で体感できるチューニングアップアイテムなど、簡単には見つからないので試してみる価値はある。

この背景を探ると・・・
最近のエンジンは皆様ご承知のように燃費を如何にして向上させるかが販売に直接影響する。そこでエンジン軽量化&コンパクト化に積極的に取り組む。軽量化は材料費に影響しコストダウンに繋がる。贅肉を削って削って軽量化を図る。そのデメリットとしてエンジン振動やノイズが大きくなる傾向を示す。勿論、その対策として各種技術が盛り込まれてくるにはくる。

各種対策は盛り込まれてくるが、設計段階からエンジンでも足回りでもボディでも、しっかりした剛性が確保されているほど、ブレース装着でもMVS装着でも劇的な変化は望めない。しかし、MVSの良さは、徐々に追加することによって「やっぱり違うね!」という結果を導き出すことが可能だ。ここが大きく異なっていて、この差は想像以上に大きい。

MVSをある程度装着された方であればMVSでボディ剛性や回転物体の振動が低減することを実感していることでしょう。勿論、弱い所にブレース(補強材)を装着して剛性向上を図ることはチューニングの常套手段として知られています。MVSパワーシートやパワーブロックでボディ剛性が向上すると誰かに言えば、すぐに「ブレースを装着した方が確実だ」と信じない方は反論します。

実はブレースで補強して得られる操縦性等のメリットと、MVS装着で得られるメリットは、まるで違ってくる。この違いが解ってこないと現代の進歩的チューニングは語れません。ブレースだけで行うチューニングは私から見たら時代遅れに見えてしまいます。

その違いを少しだけ解説しましょう。
ブレースはタワーバーは別にして、フロアー付近に装着することが多くなります。従ってタイヤからの突き上げなどの衝撃は、タイヤに近い所を補強した結果として強く感じてしまいます。また、装着は既存のボルトを利用して装着することで、そこに大きなストレスが生じます。また装着した結果が自分の予想や好みと違っていても調整することが出来ません。従って、操縦性が満足できても、もう少し乗り心地が改善できなかなと思っても自由がききません。

それに較べてMVSパワーシートやパワーブロック、パワーナット&パワーボルトは場所を選ばず、弱い所や応力が集中する所を狙って、ボディでもサスペンションでもサスペンションメンバーでも、満遍なく装着することが可能です。すると、今まで貢献できていなかった所が衝撃を広い範囲で分散して支えることができるため「操縦性と乗り心地の向上」という相反する要素を同時に向上させることが可能になってくるのです。その大きな理由は、ボディの下側だけでなく、中間部材やルーフに近い部材まで、今まであまり貢献していなかった部分が力を分散して支えるように変化するためです。丁度、お神輿を沢山の人が支えるのに似ているなと思います。

多くの方が「操縦性も良くなったし、乗り心地が良くなったのには驚いた」と絶賛してくれました。この体感度には大きな個人差があります。10人に試すと、会社の駐車場から道路に少しの段差を越えだけで、約半数の方が「違いが解った」と言い、残りの5人は「少し変わったのかな?」と半信半疑、そこで全て取り外して「同じ道を走ってきて」と送り出し、帰ってくると3〜4人は「やっぱり違うね」となるが1〜2人は「やっぱり解らない」と分かれる。

体感した方が、このやり取りを見ていて「エッ!これが解らなかったら何も解らないよね」と言ってきた。そうです。タワーバーでも空気圧の変化でもセッティングや改造を施し、その違いを検証できなければチューニングアップは出来ませんから・・・。

MVSなら、装着は追加や場所の移動などにより、自分の好みや狙いと違っていたら、自由自在に調整可能なので自分好みの味付けを探し出すことが可能です。本来は「チューニングとは、ただ改造部品を取り付けただけで満足するのではなく」「調整を繰り返し」目標に向ってセッティングを施すことでエンジン性能や操縦性などを高次元に高めてゆく作業なのです。だから解れば解るほど、MVSこそセッティングパーツなんだと思えてくる。

完全ノーマル車両でも、車高調やマフラー交換、コンピューターチューニングを施した改造車でも、エコ運転する方でも、スポーツ走行する方でも、サーキットに於いても、目的に合わせた調整が短時間で行えるメリットは計り知れません。手段や方法は異なっても、チューニングの目標は「走っていて楽しい車」の追求であり、昔も今も変わりありません。


2012/08/01

当社の社名は「アタックレーシング」 名は体を表すとか言いますが、ご存知の通り、そのコンセプトは開発・販売する製品に色濃く反映されております。なぜ、今更、このような書き出しをしたか最後まで読んでくださると理解できます。

MVSを新発売すると「○○○と同じような製品ですか?」という問い合わせも多い。一見同じように見えて「似て非なる別製品」と言える。

なぜ、そんなことを述べるのか一例を挙げよう。

自動車のエンジンの構造に精通している方であれば各部品の役割や作用などが理解できることでしょう。その部品の中に「ヘッドカバー」がある。

どんな役目と作用をしているのか少し考えてみてください。

エンジン上部の蓋の役割をしていて、オイルが漏れ出さないようにパッキンまたはガスケットを介して、シリンダーヘッドにボルト留めされている。

役割はカムシャフトなどを潤滑したオイルが飛散しないように密閉すると同時に、外部からのゴミや水分の浸入を防止する役目を担っている。では、そのカバーがエンジン性能に関わっているのかと問えば、答えはNoとなる。タペット音を遮断する役目を担っているが、トルクとか馬力に一切関与していない。

そのことが理解出来れば「MVSをヘッドカバーに装着する」という発想は私の頭の中に浮かばない。

他社製品を真似て、MVSパワーシートをヘッドカバーに貼り付けてテストする個人ユーザーも見受けるが、私は推奨していない。その理由は他に何倍も効果的な装着場所が幾らでもあるので「もったいない」からだ。

パワーシートを貼ったところ「エンジン音が低下し静かに感じる」という評価であったが、カバーの剛性が変われば内部の音の共振点や周波数が変化することで静かに感じることは納得できる。でも、エンジン性能に体感できるほど作用するほどヘッドカバー装着で変化が変得られるとは私は思わない。

最近のエンジンはダイレクトイグニッションのコイルがヘッドに取り付けられているので、このコイルに作用してトルクやパワーが変化することは予測できる。そうであれば、離れたヘッドカバーに装着するのではなく、コイルの真上の凹みにMVSパワープレート(熱的に厳しい場所なのでパワーシートではなくパワープレートの0.5mmが最適)を貼り付けるのがダイレクトに作用し効率的だと考える。

チューニングアップの真髄とは「同じお金を掛けるのであれば一番効果的な場所を探し出して装着することが一番効率的で費用対効果に優れる」

資金が幾らでも出せるなら別であるが「費用対効果」を考えた時に無駄な場所に装着してもメリットは少ない。

エンジン性能を発揮させる一番のポイントは「燃焼」に尽きる。2番目はオートマ、ミッション、デフなどの動力伝達機構のロス低減。3番目はエアコンやパワステや発電機など、補機類の負荷軽減となる。

燃焼をもっと深く掘り下げてゆけば、1:良い混合気 2:良い圧縮 3:良い火花 という3要素は昔から不変である。

であれば、電気の元となるバッテリーにバッテリーパワーリング装着やアース線取り付けボルトをMVSパーワーボルトに交換、吸気系にパワーバンド装着、プラグコードにパワーシート貼り付け、ダイレクトイグニッションコイルならばパワープレート装着、触媒やマフラーにMVS装着、排気管にパワーバンド装着等が効果的となってくる。

その他の質問として、シリンダーヘッドに装着したらどうなりますか?シリンダーブロックに装着したらどうなりますか?など、色々と寄せられる。

チューニングの原点を探れば、直ぐに理解出来ることだが、ポイント式をCDIに交換したり、プラグコードを性能の高い物に交換したりしていた。古い時代に交換していた処(チューニングアップとして)を狙って、どのMVSアイテムを装着するかを最初に考える。

本当は、どこに何を装着しても結果さえ満足できれば良いのだが、製品である限り、それでは雲を掴むようで、戸惑ってしまう。

そこでバッテリー専用アイテム、ラジエターホース専用アイテム等を開発した。ボディはパワーブロックを自由に動かしてセッティングできるようにした。それにパワーシートを組み合わせることでセッティングの巾が広がった。市販チューニング用品の中で、ユーザーが自由自在に好みのセッティングが出来るアイテムは少ない。

MVS開発当初は、ラジエターホースも単純に考えた場合、冷却水を導く管であり、エンジン出力に何も関係していないと考えていた。これはヘッドカバーと同じ理論である。だがヘッドカバーと違って、ラジエターホース装着はエンジン性能に大きく作用した。どんな場合でも理論だけで全てを推論するのではなく、実際にトライ&エラーでひとつひとつ検証してゆく地道なプロセスが重要だと改めて痛感させられた。

実際にMVSを使用したお客様と色々と議論した推論を話そう。
ラジエターホースは冷却水を導いている管。アッパーホースはエンジンから出てきた冷却水がアッパー側タンクからラジエターコア(通路)を通って下側タンクに圧送され、ロアホースを通ってエンジンに導かれる。

MVS作用を観察していると、液体や電気の流れが効率良く流れるように変化し、その変化がメカニズムに影響を与え、その変化の違いを感覚として受け止める。その理論と同様にラジエターコア(通路)を通過する冷却水の流れがスムーズに流れることで、ウォーターポンプの負荷が低減(エンジンで駆動するエンジンの場合)エンジンの負荷が減少したために軽快に吹き上がるように感じる。更に、エンジンは負荷が少なくなるほど良い燃焼をする特性があるため、車種によっては装着により排気音が静かになったなど、変化を感じ取ることも起きる。

但し、ハイブリッド車の場合は駆動原がモーター主体であったり、ウォーターポンプ駆動がモーター駆動であったりするために、普通のガソリン車より体感度は下がると思う。

今まで解説してきたように、どこまで深く車を理解しているかによってアプローチするプロセスも製品開発も、まるで異なってくる。弊社製品はあくまでも、お客様が「感動した」「ビックリした」「良い結果が得られた」「車の運転が楽しくなった」と絶賛してくださる製品作りが創業以来の姿勢であり、MVSにも脈々と受け継がれている。だから、他社製品と一見同じコンセプトに見えても、まるで異なるという意味を少しは解っていただけたでしょうか?


世の中は色々な人が居て「パワーブロックを排気菅に付けたら磁力が弱ってしまった」と言ってきた人が居た。

排気菅は時には1000℃を越える高温になる場所だから使用禁止である。ブレーキローターも高温になる。従って、排気管やブレーキローターにパワーシートを貼り付けても、一時的には効果が得られるが素材的に高温に絶えられない。何をやってもOKだが、基本的な知識は身に付けてから試して欲しい。

自己責任とは言っても、高速で走行する自動車は時には他人に危害を加える恐れもありますので、迷った場合は、遠慮なく弊社にお問い合わせくださると嬉しいです。

2012/07/16

今月の定休日に長野県・美ヶ原高原まで愛車でドライブしてきた。

白樺湖から登って車山から霧が峰(八ヶ岳中信高原国定公園中部)までのドライブは大好きなコースで夏も秋も素晴らしい景色が出迎えてくれる。

霧が峰から美ヶ原高原に行く途中に八島ケ原湿原の脇を通り、曲りくねった急坂を一気に登ってゆくと山頂には美ヶ原高原美術館がある。標高は約2000メートルで、空の青さが澄んだ青色で綺麗だ。

頂上付近で美術館に行く道と高ポッチ高原に行く道と二手に分かれる。最初に高ポッチ高原駐車場に車を停め、すぐ脇の道を登った。丁度、レンゲツツジが真っ盛りで、乳牛がのんびりと牧草を食べていた。何と、真昼間なのに、1匹の狸が餌を求めて歩き回っているのを発見、狸って夜行性だったのに昼間に活動するんだとビックリした。

美ヶ原高原美術館には入らなかったが、反対側で写真を撮るため車を降りたら、すぐ近くの草むらからキジのメスが驚いて飛び立ち、オスがその後を追った。

景色と高原の澄んだ空気を満喫し、曲りくねった急坂を下り帰路につく。

すると、急なカーブを曲がった処の左側に、ホイールキャップが1枚落ちていた。しばらく下ると、同じように急なカーブを立ち上がった処にホイールキャップが落ちていた。

車好きなら私と同じようにホイールを鍛造ホイール等に交換していることが多い。また、上級グレードであれば純正アルミホイールが一般的になっている近年では、ホイールキャップ装着車の比率は格段に減った。

車に乗り始めてから伊豆方面にドライブに行くことも多い。海岸線の135号線を熱海から網代方面に向かうと、急なコーナーが続く。その中で一番きつい急コーナーにおいてホイールキャップが外れてしまうことが多発している。そのカーブにある民家の道路に面するフェンスに戦利品のように数十枚のホイールキャップが飾られているのを135号線を通るたびに何十年と見てきた。



今までは、急コーナーで完全に装着されていなかったために、遠心力で飛んで外れたと思っていた。

だが、美ヶ原高原の帰路で飛んで転がっているホイールキャップを目にして「アッ!」と思い当たった。

ホイールキャップの外れる大きな要因は「ホイールの歪みだ!」と・・・  MVSの研究・開発・装着を行っている今だからこそ閃いた。

普段はあまり考えることは少ないが、タイヤが歪むように、全ての部分に力が掛かったところは歪んでいるということに思い当たった。

ホイールにMVSパワーシートを貼ると多くの方が驚いてくれる。あれだけ頑丈に出来ている純正ホイールが歪むことなど一般の人は想像することなど、ほとんど無い。だからこそ「そんなシールを貼って、何のおまじない?」と馬鹿にする。

勿論、ホイールキャップが外れる原因は、ホイールの歪みだけでなく、回転する遠心力や振動や遠心力も大きく影響している。そこにプラス要因として歪みが合算されて外れるという推測をした。

高速道路よりも急コーナーの立ち上がり付近で見掛けることが多い。一番荷重が掛かって歪みが発生する場所と思える。

タイヤ&ホイール、サスペンション&フレーム、ボディ、シートレール&シート、全てが変形したり歪んだ結果、コーナーの進入時に路面状況によっては「怖い」と感じる瞬間が起きる。

MVS開発・装着で一番感じた点は「この怖い!」と思う感覚を感じることが少なくなった点である。雨で濡れた逆ベントコーナーでも、予想以上に曲がりこんだ急コーナーに於いても・・・。

タイヤが路面をしっかりグリップして離れない感覚を感じる。

安全性は衝突してからの安全対策と、横滑り防止装置のような走行安定性を高める対策とあるが、MVSは後者と同じような働きをしてくれる。

モータースポーツの合言葉として「安全に速く」という言葉がある。一般公道に於いては、あくまで法規に準じて車を楽しむのが前提であるが操縦を安全に楽しめる。
何よりも「走っていて楽しい」「この楽しさを知らない車好きは可愛そうに」と思わずにいられない。


2012/07/01

弊社にご来社された方であれば、すでにご存知のように、プリウス(30型)からカムリハイブリッド(50型)に、昨年の11月末に買い換えました。

買い換えた理由はひとつでなく、色々とあります。
○弊社製品がトヨタHVシステムにおいて、どのように活用できるかの確認が、ほぼ確認できた。
○プリウスがマイナーチェンジされ、私の指摘した気になる点が改善されたために、マイナー前の車両での継続の意味がなくなった。
○右を見ても左を見てもプリウスが増殖したために、人と違う車に乗りたくなった。
○ちょうど2年間が経過し、カムリが新発売されたタイミングと合致したため、下取り価格が下がらない内に買い換えたほうが得策と考えた。
○同じハイブリッドシステムでも、2年間の熟成で、乗った感覚に大きな差を感じたために、新しい車での開発が出来ると考えた。
○プリウスで気になっていた、左右の視界の悪さもなく、フロントウィンドウの傾斜からくる圧迫感もなく、計器類が従来車と変わらない位置に収まっていることに好感が持てた。

勿論、プリウスにはプリウスの良さも沢山ある。カムリの最大の欠点は、ボディサイズが大きいことで、クラウン並のビックサイズとなるので、車庫の関係や、自宅までのアクセスが狭い方、日常のお買い物主体の方には適しておりません。また、1人乗車が多く、通勤やドライブが長距離主体の方で経費を節約したいと考える方には適しておりません。当然ながら、燃費性能もプリウスよりは劣ります。私の場合の実績ではプリウスの実質燃費が17.5km/リットル平均に対して、カムリハイブリッドの納車以来の平均燃費は14.5km/リットルと約3km/リットル低下しました。

エンジン排気量はプリウスの2ZR-FXE=1800cc水冷直列4気筒DOHC
最大馬力  73PS/5200rpm
最大トルク 14.2kgf-m/4000rpm
燃費JC08モード Gグレード 30.4km/L
でしたが
カムリハイブリッドの排気量は新開発2AR-FXE=2500cc
最大馬力  160PS/5700rpm
最大トルク 21.7kgf-m/4000rpm
燃費JC08モード Gパッケージ 23.4km/L
SAIの2400ccよりも高出力エンジンを搭載してきた。昔々、プラス100ccの余裕とかCMで謳ったが、100ccの違いは予想以上に大きい。

車種グレードは3種類と少ない。
本皮シートとカーナビなどが標準装備の最上級グレード=レザーパッケージが380万円(税込)私が購入したのは中間グレードのGパーケッージで317万円(税込)、一番下のグレードが304万円(税込)となる。

価格を見れば車格が解る。プリウスの一番下のグレードは約200万円に対して、メーカー価格で約100万円の差があれば、各部に掛けられるコストは大きく変わってくる。昔で言えばカローラとコロナとの違いに近い。

すでにMVSを主体に私好みの車に仕上げてきている。プリウスと同じでは、何のおもしろさが無いので、カムリのモデファイは写真主体で公開してゆく予定なので興味のある方は楽しみにお待ち下さい。MVSの開発車両としての役割も担っていますので、これからMVS装着を検討される際の参考になると思っております。


2012/06/15

最近のエコ志向の高まりを受けて燃費向上に多大の関心を寄せる方が増えてきている。地球環境に大きな影響を与えることからも喜ばしい。エコが声高に叫ばれない頃は、少しでも加速を向上させたい、馬力アップを図りたいという目的で、触媒を外してストレートパイプに交換したりする違法改造も見受けられた。現代では、一般的には、より抵抗の少ない高性能触媒(スポーツキャタライザー)に交換する手法を取る。

以前から、何度も書いてきているようにチューニングにおいて「燃費最上主義」の方が一番難しい。「オイル交換したら燃費が向上しますか?」「X1添加したら燃費は向上しますか?」「MVS装着したら燃費向上しますか?」という質問が新規購入者の方々より投げ掛けられる。確かに高額の投資を行う訳だから、燃費向上を期待する気持は理解できる。

燃費データーを常に記録している方であれば解るように、燃費は地震計のデーターと同じように、絶えず大きく上下に激しく変動する。但し、最近の車であれば、ほとんどの車に「瞬間燃費計」や「瞬間燃費表示」機能が搭載されている。日頃から、これらのデーターを読み取っている方であれば「添加・交換・装着」後の燃費を注意深く観察することで「燃費向上」が容易に判断できる。

私は休日でも、各種走行テストを絶えず繰り返し、燃費データーもこまめに記録している。
その結論は単純明快。
「アルセルを強く踏めば燃費は悪化し、がまんして踏まなければ燃費は向上する」
ちなみに、この間、富山県の北陸スバルのイベント参加で行きは普通のペースで、帰りは夜間で空いている高速道路を速いペースで帰って来たが、行きと帰りの燃費に1リッター辺り約4kmの違いがあった。この差が全てを物語っている。

燃費が悪化する条件として、急なアクセル操作の他にも、急ブレーキ、急ハンドル、寒さが厳しくヒーター使用、暑さ厳しくエアコン使用、急な坂道の登坂(気が付かない程度の長い登りが長距離続く)、曲りくねった道、乗車人員や荷物の積載、雨天や霧で、ワイパー、ライト、デフォガー使用、強い向かい風等、様々な要因が襲ってくる。

誤解しないように説明を続ける。車に良いことを盛り込んでゆくと、どこかで、走りも楽しめて、尚且つ、燃費もいいね、というセッティングが見つかる。お客様から「今まで以上に、走りを楽しんだが燃費は変わらない」という話をよく聞かされる。何もしなければ、ペースを上げれば燃費は落ちるのが普通なので「燃費は向上している」と判断できるが、一般の人は、数値で変わらないと、燃費向上したとは思ってくれない。何かを変える製品を使用した場合、自分では前と同じように走行しているつもりでいても、厳密に言えば走りは変わってしまうのが普通なのだが・・・。

弊社のような高性能アフターパーツ(ケミカル類も含む)は、エンジンの性能向上を主な目的として開発される。それなのに燃費向上のみで、必要以上にアクセルを踏まない状況下に於いては、その性能を充分に発揮できないことも有り得る。高価なアフターパーツを積極的に使用するメリットは半減してしまう。ただ、オイルやX1&X1FSやG9FSやMVSなどで、燃焼効率向上や、無駄にエネルギーを消費する各種フリクションを低減することで、結果的に燃費向上を実感できるケースも生まれてくる。

長年の弊社製品愛用者であれば「車が元気が出てかってに前に進んでゆく感じ」という表現が理解できると思われる。真の活性化(マシンバイタル)がオイルや添加剤やMVSによって実現できた時、元気モリモリが実感できる。それなのにアクセルを踏まないように燃費を気にして走るのであれば弊社製品使用は「もったいない」と思ってしまう。意外と、アクセルを踏まない燃費指向が強い方ほど「極」とか「轟」グレードの高価な製品を購入されるケースも多い。本来は、過酷な使用条件になればなるほど、その高性能を発揮し、それが実感できる味付けなのだが・・・。

これらの傾向は、弊社製品のみでなく、他にも見受けられる。それは、高性能を謳う、ホンダ・タイプR系やインプレッサSTI、三菱・ランエボ系を購入して燃費ばかり気にする方が増えている。これでは何のために走りをエンジョイするための車を選んだのか解らない。私から見ると「車が可愛そう。泣いている」と思ってしまう。このような車は、過激な走行条件にマッチングするような味付けやエンジン設計を採用している。ゆっくり燃費走行ばかりするのも実はエンジンにとって「シビアコンディション」なのだが・・・。

多くのお客様から「燃費は向上しますか?」と問われた時に、「絶対向上します」と言わない理由を今までの説明で理解していただけましたでしょうか。弊社はメーカー姿勢として結果を重視していますが、得られる結果は各種条件の違いで様々であることを深く理解しているメーカーですので「軽々しく何%燃費向上」とか全ての製品で謳っておりません。あくまで使用された愛用者の方々が個人的な結果として公に発表されたものと認識しています。因みに、オイル寿命が「1万km以上持ちます」とも謳っておりません。「燃費」や「オイル寿命」は、あくまで最終結果として表れてくる数値として把握するべきと、改めて提案致します。

オイルでも、X1/X1FS/G9FS/V7FS/LX、またはMVS装着でも、その人の車種、使用条件、走り方にベストチョイスが見つかれば、自然に「オッッ」と驚く良き数値が得られるものと確信している。そのベストチョイスを探し出すことが「真のファインチューニング」ではないだろうか。



2012/06/01

5月26日(土)と27日(日)の2日間、HPのイベント情報で紹介したように、北陸スバル自動車株式会社 SWING金沢西に於いて「カスタマイズイベント開催」に出店してきました。ディラーでは珍しく積極的にカスタマイズをお手伝いする「ScLaBo金沢」という部署があり「パフォーマンスアップフェアー」ということで協賛7社が出店。

DIXCEL=ブレーキ関係、FUJITSUB=マフラー、OKADA-PROJECTS=点火系、BELLOF=HID/LED、Defi=メーター、CUSCO=シュック/剛性パーツ、弊社はMVS/X1他。MVS無料体験を実施してきました。ご来店、無料体験、ご購入頂きました皆様方に、この場を借りて御礼申し上げます。

北陸スバルの、この店は素晴らしく綺麗で素敵な大規模店で、スタッフのお客様に接する態度もフレンドリーで好感が持てました、こんな素敵なディラーが私の近くにあったなら「こんな店で車を購入したい」と強く思いました。多くの販売店では少し純正以外のパーツを装着しただけで「保証が・・・」といった話もよく耳にしますが、そんな不安は一切必要ないのが安心ですね。




お陰さまでMVS追加装着を希望するお客様が増えてきましたので、今回はMVSの装着ポイントに付いて詳しく解説いたします。

チューニング=調律という意味合いが徐々に理解されてきたことでしょう。実際には、気になった商品を「購入して装着」しても、良くも悪くも、そのまま使用を継続するのが実体です。私から見ると「これはチューニングアップ」とは言えません。

自動車競技に於いても、表彰台に登るトップスリーと4位以下には歴然とした差が存在致します。たまたま、トラブルにより表彰台を逃がすことは勝負の世界の常ですが、私は絶えずトップスリーを要求される車両のエンジン、ミッション、デフを含めた車両のチューニングやメカニックを担当してきました。時にはチーフメカニックとして活躍したこともありますが、優勝してもドライバーは雑誌に大きく取り上げられますが、メカニックは、あくまで影で働く「黒子」の役割に過ぎません。しかし、4輪の自動車レースに於いては、自動車のアドバンテージが勝敗を大きく分けることを多くの方がご存知の通りです。

私が思うには「レース結果は、あくまで結果であり、本番のグリッドにつくまでに、ほぼ決まってしまう。スタートしてからの結果は、その時のドライバーの健康状態、精神状態、天候、戦略、運不運、予測不能のトラブル等、複数の内的外的要因により左右され結果に反映される。

MVS装着に話を戻すと、何も考えないで、ただ装着したり、予算をケチるだけケチって、いきなりパワーシート数枚を装着して結果を判断しても「収穫は少ない」=「結果はそれに準じてくる」HPの通信販売や量販店で販売しない理由がここにある。
基本セットを販売した大きな理由は、バッテリーパワーリングをバッテリーマイナス端子に装着=ラジエターアッパーホースに装着=パワープレートをイグニッションコイル頭部の凹みに装着(装着出来ない車は他の所に装着)の3点施工から始めることで、ある程度の結果が得られ易くなるからだ。

チューニングの最大のポイントとは「指圧や整体と同じように「ツボを見つけ出して、どのアイテムが一番効果的なのか、探し出す」作業である。足だけマッサージを受けるよりも、全身をマッサージされた方が効果は大きくなるが当然のごとく料金は高くつく。MVSでも、まったく同様のことが言える。更に、付け加えると「他人がいいよ、ではなくて自分が気に入った結果が得られたか?」が最大のポイントとなってくる。

その理由は、人によって運転方法も、好みの味付けも違ってくるからだ。この話はレーシングドライバーにも共通している話である。MVSは装着や移動や追加や取り外しが非常に簡単にできるので、この好みを探し出す作業が簡単にできることが大きなメリットを生み出す。また、装着アイテムや数が増えれば増えるほど、少しの追加でも体感度が増してゆく。先に装着した物にプラス側に大きく作用してくるように感じる。

チューニングもケミカル製品の話も、全て、「どの技術レベルの人の話なのか?」を嗅ぎ取らなければならない。
MVSのようなオカルト製品を試しもしないで頭から否定する方の話として「だったら、タワーバーやブレースを付けて補強する方が、よほど良い結果が得られ易い」という話をよく耳にする。そんな話を聞けば「その通りだよ」と大きく頷くことだろう。だが、私から見たら「技術レベルが低い」と見えてしまう。

その理由は「ブレースやタワーバー装着は、それはそれで、装着のメリットは充分に承知しているので私も積極的に装着する。その後から、MVSで絶妙なセッティングになるように装着を繰り返し、走りの次元の向上を図ってゆく」というプロセスを辿る。

その理由は、ブレースやタワーバーは弱い処を補強するには向いているが、その補強のために必ず他の部位の負担が増大する。しかし、負担が増した部位に対して何もできないからだ。また、ボディの下側の補強が増せば増すほど、路面から伝わってくる入力(衝撃)はダイレクトに伝わってくるようになるので乗り心地が硬めになってしまうデメリットも生じてくる。

これがMVS施工だと、サスペンションやボディ全体の応力の集中するところや、負担の増えたところや、元々、弱いところなどに、満遍なく、補強を施し=テスト走行=結果判断=装着変更。というステップを踏むことによって「最適な好みのセッティングを探し出せる」し走りの次元をどんどんアップさせてゆくことができる。ここが同じように見えて、実は大きな違いが得られることを知って欲しい。

自動車メーカーが新型プリウスのボディ剛性向上のために、スポット溶接を増やしてきたように、メーカーの対処方法は少し異なる。サファリラリーなどの国際ラリー車のボディは、ホワイトボディの内に、スポット溶接の継ぎ目に電気溶接を施したり補強版を追加したりして大幅なボディ剛性アップを図っている。

これがMVSで行う場合は、ドアー等のウエザーストリップを少しはがしておき、パワーシートを細く切って、貼ることで、ボディ全体の剛性向上が図れる。タイヤに近い処の剛性向上を図ると、凹凸に乗り上げた際のショックを強く受け止めることに繋がるが、タイヤと離れているルーフ及び、ウエストラインより上部の剛性向上の結果は、先ほど述べた、ブレースなどの補強結果と、まったく違う結果が得られる。

その結果とは、「操縦性向上と、相反する乗り心地向上、操舵レスポンスの味付け」という、本来、難しい要素が高い次元で両立できることを意味している。これは、ボディ全体で入力を分散して受け止めることで衝撃を和らげる作用が働くためである。また、相反する作用の両立は奇しくも、オイル添加剤のX1&X1FSが「滑りと摩擦係数向上」という相反する要因を両立できることに少し似ている。

技術的レベルの低い方は、あくまで一般常識で思考するから「そんなことは不可能だ」と、なかなか理解しようとしない。実際に試して頂ければ「不思議だ」「本当だ」と、首を傾げながらも即座に体験していただけるのだが。

私は実践派なので、頭だけで考えるのではなく、あくまで実際に試して結果を検証する。時代の進歩でデジタル化が進むほど、アナログは時代遅れと捉える方は多いが、全ての分野でデジタルが勝る訳ではない。人間の感性とは、時に非常に優れていると思える瞬間を感じることも多い。それは楽器の世界でも言えることでギターやピアノの演奏を生で聴くのと、デジタルで録音された演奏で聞くのとでは大きな違いがあるのと共通している。

また、常識とは、それが真実ではなく「時代や技術の進歩によって、絶えず変化を遂げ新しき常識が誕生するものだ」と認識して欲しい。
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