5:自分好みのカスタム化
発売以来、毎月の登録台数が25000台前後を推移している。凄い大ヒットとなっている。すでに街中で新型プリウスを見かけない日は少なくなってきた。駐車場でも、あちこちに並ぶ日も、そう遠いことではなさそうだ。そうなれば周りの人と少しでも違う車に乗りたいという要求も自然と沸いてこよう。少ない費用で、変更したメリットも傍受でき、自己満足に満たされる、そんな、お手軽なカスタム化を徐々に実施してゆきたい。価値観は、それぞれ異なるので、自分なりのモデファイ化の参考に少しでもなれればいいかな。

5-1 ボディーコート(スーパーグロスター)施工
ボディコートの施工は納車から早ければ早いほど良いと私は思う。逆説的に、「新車の塗装面は完全に硬化していないので、硬化を待ってから施工したほうが良い」という説を唱える方もいる。実は新車の焼付け塗装に当てはまる話というよりは板金塗装で塗られた場合には当てはまる話である。焼付けでないラッカー塗料では乾燥すると少し収縮するので約1ヶ月間ほど乾燥してからコート剤を掛けないとチヂミが発生することがある。しかし、新車の場合は、硬化を待つ間、完全な室内保管を出来る訳でもなく、納車されたら1日も早く走ってみたい気持も強くなる。そうすれば容赦なく見えないホコリや鉄粉で素裸に近い柔な塗装面は攻撃されてしまう。ボディーコートとは、素ッピンで柔肌な塗装面を強靭なプロテクト保護膜で覆い、外部からの攻撃(紫外線、擦り傷、鉄粉、ホコリ、イオンデポジット等)から、塗装面を守る役目をする。確かに新車の塗装面は完全に硬化していないので、強い力を与えたくない。でも、古い車は汚れや小傷を除去するための下地処理を必要とするが、新車の塗装後間もない無垢で綺麗な塗装面だからこそ、簡単な脱脂(中性洗剤による軽い洗車)だけで施工準備完了となる。「ボディコートは素人には難しい」と考える方は、商談時にデーラーに「ボディコート」を依頼する。メーカーにより、名称は異なるがトヨタの場合を例に挙げると、一番安いCPCペイントシーラントはフッ素化合物(カムリクラスの新車で52500円)、その上が、グラスコーティング「ガードコスメ」で、ガラスコートの上にフッ素化合物を塗る、2層コート(カムリクラスの新車で70350円)どちらも5年間保証付きと謳っているが「施工車専用メンテナンスキット」という名称でカバンの中に、メンテナンスクリーナー、スポンジ、セーム皮、手入れ用DVD等も付属で付いてくる。つまり、放置状態で輝きが5年間も保てるなんてコート剤など世の中に存在せず、定期的なメンテナンスが不可欠となる。
 そんなことを頭の片隅に置いて、納車後(自分でデーラーまで取りに行く)速攻で中性洗剤で洗車を開始。どうしても手で触れた場所には手の脂分が付着して施工の妨げてしまう。バケツにキャップ1杯分の中性洗剤を入れ水道水をホースで勢いよく注ぎ込むとバケツは泡で満たされる。柔らかいスポンジで優しく優しくボディを泡で包み込むように満たしてゆく。そして水道水をシャワーノズルで確実に中性洗剤を洗い流し、綺麗なセーム皮で水分を拭き取り下地処理は約1時間で終了。本物のガラスコートは水分を嫌うので、しっかり拭き取り完全に乾くのを待つ。エンブレムなど思わぬ所からポタリと水滴が出てくるので焦りは禁物だ。「雅」ガラス系だったら、多少は水分があっても良かったのだが、ガラスコートになると水分は大敵となる。ボディコート剤は性能が高いほど施工が難しくなってゆく。だから、専門のボディコート屋さんが存在するのことになる。また市販されるボディコート剤の開発は基本知識や経験の無い一般の人でも施工可能な範囲で最高の性能を得るために試行錯誤を繰り返すことになる。



5-2 ドアーガラス水滴整流板取り付け
納車されてから定休日に雨の日が多かった。フロントドアガラスに油膜などがあれば視界が悪くなってくるのでグロスターを試しに施工してみた。フロントドアガラスには最初から撥水コーティング処理が施されていると取説書(P333)に書かれているので、しばらく様子を見てゆこう。それほど大雨でない高速道路を走行中に、耳元で水の流れる音が聞こえてきて気になった。プリウスゆえの静かさで余計に気になるのかもしれない。注意して観察すると、ドアーミラー付け根部分とドアーガラスとの狭い隙間に前方から水が流れて小さな川のような流れが出来ていた。気になってくると気にしまいと思えば思うほど気になってくるので、改善を試みた。長さ20mm巾20mmほどの薄いプラスチックの板をL字型に曲げ、両面接着テープでドアガラスの枠に貼り付けた。丁度、ドアーミラーに隠れてしまう部分なので注意して見ないと存在に気が付かない。次の雨の日に確認してみたが、予想通りに小さな川のような流れは無くなり水流は外に飛散して飛んでゆくようになったので小川のせせらぎのような音は気にならなくなった。画像でも透明な小さな板なので解り難いかもしれない。



5-3 LEDに交換
プリウスはLEDが多く純正採用されている。GTLはヘッドライトもLED。その他のLED採用箇所は(車両形式により一部異なる)サイド方向指示灯兼非常点滅灯、制動灯/尾灯、ハイマウントストップライト、シフトレバー照明、足元照明、グローブボックスライト、足元4箇所ライト(OP)
これだけ純正採用されていればモデファイとしては他の照明もLED化を図りたくなる。ルームランプは昔の裸電球のようにオレンジ色で暗い。そこでLED交換は、次の箇所を実施した。フロントルームランプ(左右)、左右バニティライト、ドアカーテシライト(ブルー)リヤルームランプ、ラゲージルームライト、外観は、ポジションランプ、ナンバーライト、後退灯(寒冷地仕様のため片側のみ。LED12個セットを購入した。
前後方向指示灯はフラッシャーユニットも同時交換しないとだめなので金額的に高くなることと、LEDしたメリットを測りに掛けてメリットは少ないので実施は見送った。各ライトのレンズを取り外す際に、取説書を見ないで行ったので勝手が解りにくい所もあった。強引にこじらないで、どこにマイナスドライバーの先を差込んで、こじればいいのかを探すことに尽きる。一番効果を実感したのはルームライトだ。白く輝くとともに明るくなった。また、ドアカーテシライトをブルーにしたので夜の演出効果が高まった。おもしろ半分で初めはポジションランプもブルーにしたのだが、ディラーで「違法改造なので整備できない」と言われてしまったので、すぐさま白色に交換した。



●番外偏としてフロントフォグライトを色々と試したので新型プリウス乗りの方は参考になると思います。
標準:L仕様はフロントフォグライトは標準装着されていないがそれ以外は55W(バルブタイプ・H11)が装備されている。しかし、55Wの割りには思ったほど明るくない。デザイン的にLEDヘッドライトの外観は素晴らしい。でも、道路照明の無い地方道を夜間走行したら(長野県淵野辺近辺)前方がとても見にくい。プロジェクターヘッドライトを経験した方なら解っていただけると思うが、特徴として境界線がハッキリしている。そのため次のような悪条件が重なれば重なるほど前方が見えない。○民家もなく街灯もなく道路が暗い ○歩道との境に引いてある白線が薄くなっていたり砂を被ったりしている ○道路が少しでも登り勾配なら良いが反対に少し下って登っている(下り坂ではフロントに荷重が掛かるためボディが少し沈み込みヘッドライト光軸も更に近くを照らす) ○信号も無く広い道が合流している
 法定速度で走行していても恐怖でゾッとすることを経験した。道がどこに曲がっているかまったく見当が付かないほど照射範囲が狭い。勿論、上向きにすれば「アッ」と驚くほど明るい。下向きが暗いのではなく、あくまで境界線から外れた所が真っ暗闇だからその先の予想がつかないのである。同時に曲りくねった道路では路肩の確認や路肩付近の障害物の発見がしづらくなる。ハンドルを切るとヘッドライトも動いて照らしてくれる装置が付いていればと無い物ねだりの気持も湧いてくる。折角のLEDヘッドライトをHIDに交換してしまうのも費用を考えたらできない相談である。そこでフォグライトのバルブ交換に挑戦してみた。
○最初に購入してみたのは個性化も兼ねてPIAAのイエローバルブ。大手量販店で6300円で購入。昔はフォグライトと言えば黄色が常識であったが最近は少なくなっている。霧での見通しは白色よりも黄色が優れている。PIAA・H11(品番:H-350)の箱には、プラズマイオンイエローバルブ、車検対応、高効率、55W-110W相当、2500K と書かれている。早速交換にチャレンジ。最初はアンダーカバーが邪魔をする。前側のビスを1個と後側のクリップ1個を外し、少しひねるようにすると前側を下に下げることができて、手を入れることができる。但し、ジャッキでは少し辛いのと危険でもある。私の場合は会社のリフトを使用できるので作業環境に恵まれているが、リフトが無い場合はスロープに乗り上げて作業する方法が安全で手軽かもしれない。バルブ自体は凄く固く嵌っている場合があるので力を入れないと回ってくれない。交換して点灯させてみると、純正よりも明るく感じた。霧の中での走行は、それほど遭遇する機会は滅多にないが、見た目的には黄色が個性的でいい感じだ。しかし、暗い道路ではまだ不安感が大きい。
 しばらくはイエローバルブで楽しんでいたが、もっと明るくならないかと悩んで色々とNETで探してみた。HIDフォグだと50000〜55000円が相場であり、バラストの取り付けやリレーの取り付けなど面倒な作業が必要。そんな時に、弊社estremo製品を販売しているRK-ONLINEよりH11型:35W・6000KのHIDバラスト付きで(オールインワン)ワンタッチで装着できる製品が15800円で販売開始されたことを知る。これは魅力的な価格である。早速注文した。一度バルブ交換しているので2度目の作業は簡単だ。但し、ひとつだけ重要なポイントを発見した。そのままポン付けできると思っていたが、作業場所は暗く細かい点が把握できない。そこでフォグライトが取り付けられている部品を1本のビスをプラスドライバーで緩めて車両側から取り外ずし小さな加工を必要とすることを発見した。その理由は、純正やPIAAのイエローバルブは何の問題も無く取り付けできるのだが、このHIDはバルブの後ろ側に直径が80mm×厚さ30mmほどの円盤型バラストが一体型で取り付いているため、このバラストとフォグライト取り付け部に3箇所設けられている凸部分とが接触するのだ。干渉する凸部をニッパーまたはカッターナイフで約1.5mmカットしなければばらない。加工しないでそのまま取り付けようとすると勘合部が固くなるため、プラスチック製(純正やPIAAは金属製)なので力が掛かり過ぎて割れてしまうトラブルとなる。要領さえ解れば何の問題もなく解決できる問題である。実際の使用で一番問題となるのは明るさとバルブの耐久性だ。明るさはPIAAのイエローバルブと比較にならないほどの明るさでHIDの威力を充分に堪能できる。逆に明る過ぎて対向車にパッシングされないかと心配したほどだが一度もパッシングされていないので(照射角度が下向きなので)問題ないと考えられる。耐久性については現時点では当然ながら解らない。この明るさを一度体験してしまうと純正のバルブで暗い道を走る気にならないほど違う。曲りくねった道で、道路脇に黒い服を着ている人が居たとしても発見できるほど明るくなったので安全性は高まった。



5-4 シャーク(フカヒレ)アンテナ交換
ルーフ後端に突き出た棒状タイプのアンテナは近代的デザインのプリウスに似合っていない。また立体駐車場などで倒す際は、後ろ側に倒れるのではなく前側に倒す方式なので忘れると破損に繋がりかねない。そこでヤフーオークションで探してみたら、すぐに見つかった。嬉しいことにアイスバーグシルバーマイカと同じ塗装がされた物が8900円で出品されていたので即座に落札。アイスバーグシルバーは8種類の色で調合されているためヤフオク出品画像の色は似つかない灰色をしていた。この色は太陽光が当ると藤の花に似た綺麗な薄紫色に見えるが日陰では灰色に見えるなど絶えず変化する色である。送料を含めて9925円で送られてきたが、屋根の上に仮に置いてみて色の違いは何の問題も無く安心した。取り付けは、とても簡単で、位置をマスキングテープで目印を付けておいて、裏側の両面接着テープを剥がして強く押し付けて完了。作業時間は約10分。プリウスの流線型ボディに見事にマッチングした形状で、気になるFM/AMラジオの感度も問題なく純正との差は解らない。アンテナだけの簡単なモデファイであるが意外と満足度の高いアイテムだと気にいっている。



5-5 マフラーカッター取り付け
プリウスはモーターが主役で、エンジンは補佐役で働く。マフラーも各社から沢山新発売されているが、従来の車と違ってマフラー交換は見た目だけの自己満足で終わってしまう。マフラーで11馬力アップと謳われても、エンジンが最高馬力で作動する機会はほとんど訪れないため宝の持ち腐れとなってしまう。あくまで「モーター出力+エンジン出力」を決定するのは電子制御スロットル(アクセル踏み込み量とモード選択など諸条件を元にECUで決定される)なので、スロットルコントロラーの取り付けで制御的にアクセルを踏み込んだと同様なアクセル踏み込み曲線に変換してしまうため、アクセル応答性及び加速フィーリングは大きく変化する。見た目だけなら、ツインテール(1個の出口はダミー)もあれば、4本出しマフラーも発売されている。あくまで見た目だけの満足度は高いが、速く走れる貢献度はゼロ%、私には無用の長物と思えてしまうが、購入された本人が自己満足していれば、それはそれで良いと思う。マフラーカッターはヤフオクで3000円で落札、代引き総額4225円。値段の割りに良く出来ている。ボルト3本で締め付けて作業終了、作業時間10分。フカヒレアンテナとマフラーカッターの2点だけでも、後ろ姿は格段に良くなった。15000円弱の予算で自己満足できれば安いものだ。