4-2 純正オイル(0W-20)にX1FS添加

エンジンオイルの話がなかなかアップされなかったのには大きな理由がある。エストレモオイルを長い期間に渡って使った経験をお持ちの方であれば話はすぐに伝わり易いが、X1&X1FS&エストレモオイルは即効で効果が解るケースも多いのだが本当の真価は走行距離が進むほどメタルリペア作用が進行してゆき、車や走り方にもよるが3000km以上に走行距離が伸びるほど(中には20万〜30万kmでも燃費が向上してゆくという報告も寄せられている)どんどん変化を感じ取れる特性を持っている。添加して即効で効くものほど基本的には早く劣化してゆくのが基本だと私は考えている。専門的に書けば「作用」するということ「消耗劣化してゆく」ことになり、働いて消耗しない物質など、この世に存在しない。例えば安物の炭は火を付けるとパッと燃え上がり短時間で灰になってしまう、突然にパンと爆発して火の粉が舞い上がったり、へんな異臭が鼻についたりする、高価な本物の備長炭(最近は贋物も見かける)は火を付けるまでが大変だが一度火が付いてしまうと綺麗な赤色で安物より何倍も長く綺麗に燃え続ける。勿論、変な臭いもしなければ撥ねることもなく火力も強く安定している。だからこそ、こだわった料理人なら「備長炭以外は使わない」となる。エストレモX1&X1FSも備長炭と同じように走りこむほど良さが実感できるし使い続けるほど良さが解る特性を持っている。それにプリウスはハイブリッドなので、エンジンが稼働している時間は短いし、おまけにモーターアシストが入るのでエンジン回転は低く負荷も少ない。更に、摩擦熱に反応して作用するののが添加剤本来の特性なので、ハイブリッドの構造作用だと従来の車より何倍かの走行距離を走らないと結果は出てこないし解りにくいことにつながる。納車から5ヶ月経過で、やっと4500kmを越えたので、やっと途中経過を報告することにしよう。
最近の新型車の特徴である省燃費オイルと呼ばれる0W-20粘度が納車時に入っていて、多くの方がその流れのせいなのか「0W-20が指定されている」と大きな勘違いをしてしまうようだ。粘度とは靴に例えると「靴底の厚み」と同じような役目を持っている。靴底が厚ければ硬い舗装道路でランニングをしても膝や踵が受ける衝撃をうまく吸収して負担を和らげてくれる働きをする一方で重量は重くなり速いタイムを出せないかもしれない。これが硬い粘度のオイルと同じ作用に相当する。では0W-20の柔らかい粘度の場合は、靴の重量が軽くなりランニングし易くなるメリットがある反面、硬い舗装路では膝や踵が受ける衝撃が増大し、最悪のケースは膝や踵を痛めてしまう恐れが強くなる。このように物事には長所の背中合わせに必ず隠れた裏側部分でデメリットが存在する。そのような根拠から低粘度オイル=省燃費とは私は少しも思わない。油膜が薄ければ薄いほどカムシャフトがタペットを押す際の衝撃を和らげる作用(それプラスで潤滑能力の違いによる影響も大きい)が低下して打音(メカニカルノイズ)が大きくなってくる。ご承知のように、色々な粘度のオイルが販売される理由は、ピストンとシリンダーの密閉度を高める働きや自動車の使用条件を考慮した設計(クリアランスの大小他)を盛り込まれた粘度に関わる影響等、粘度でしか解決できないことが多いから、どこのオイルメーカーでも色々な粘度のオイルを販売している訳だ。新型プリウスを運転して最初に感じた印象は「エンジン音が情けないほどチューニングされていない」ということ。音を言葉で表現することは至難の技であるが、何とも心が休まるとか気持いいなとか感じる音ではないことだけは確かだ。エンジンから聞こえてくる音は、音楽と同じで人によっても好みは分かれるだろうが大きく二つに分けて「心地よき音質」と「耳障りな音質」とに区別できる。フェラーリやアルフロメオなど「官能的=走っていて気持が高揚する」というエンジン音とは対局に位置していることは間違いあるまい。新型プリウスに燃費だけ求める走行を心がける人なら許せてしまう音かもしれない。ただ、0W-20などの低粘度オイルで良いエンジン音を望むこと自体が難しい要求でもある。本当は速攻で5W-30のGPX1に交換してしまいたい気持は強かったが、純正オイル(0W-20)のテストをしなければと思いながら、どうしてもX1無しでは不安なのとX1の入っていないオイルで走っていても楽しさを感じない(X1の良さを解っている方であればこのような気持は解ってくれる?)ので、納車されて1ヶ月間、約1400km走行した後にX1FS-300cc添加した。先ほど書いたようにX1FSは粘度増強剤と異なり粘度が固くなる訳ではないし、絶えずモーターアシストが介入してエンジン停止期間が長くなるため、予想通り普通の車のような体感(加速が良くなる、メカニカルノイズが静かになった等)のX1メリットは何も体感できなかった。それでも長年使用してきてX1&X1FSのメリットを理解しているために「X1&X1FSの入っていない車に乗る気はしないので添加することでホッとした気持にはなれたが・・・。
結論を書くと「X1&X1FSを一度も使用していない方には積極的に勧めない。だが。エコノミア又はGPX1又は両方のブレンドオイルであれば是非お勧めしたい」その理由は、エンジン音を良くするためには粘度を高めることが一番効果的な処置となることを知っているから。但し、納車時の(0W-20)にX1FSを300cc添加して5ヵ月間で走行距離4890km走行時点でもエンジンメカニカルノイズにまったく変化は感じられなかった。少し過激に5000rpmまで何度か回して走行してみたが音質的に好みとは異なるものの特に耳障りな音は4890km走行時点でも出ていないので、やっぱりX1FS添加が少しは効いていると個人的には思っている。巷の噂では納車後3〜4000km走行するとエンジン始動時に結構大きな異音が聞こえるようになり心配する人も居るようだ。それが0W-20低粘度オイルが深く関わっているとすぐに解る人はオイルに詳しいメカニズム好きでないと難しい。だから燃費ばかりを重視する方であれば「0W-20」が指定かのように錯覚または常識的に囚われて使い続けることになるだろう。逆に私は、あの変てこなメカニカルノイズ音(全体のエンジン音)を聞くたびに早く固い粘度に交換したいという要求が絶えず襲ってきて、6ヶ月点検時に5W-30または10W-30に替えたいという心の中の葛藤が日増しに強まってきている。テストでなければ納車後に速攻で5W-30 GPX1極辺りに交換していることだろう。ハイブリッドという強力なモーターアシストに助けられて低粘度0W-20の欠点が表に表れにくいので、隠れたダメージが露呈するのは走行距離が増大し保証期間が切れた以降になるのではないかと予想している。