3:走りの追求
3-1:出だしのもっさり感の改善
3-1-1 純正仕様での確認
 判断力の低い人は、横道から幹線道路に進入した場合、進行してくる車の速度を考慮しないで直前に平気で無理な進入をしてくる。進入したとしても、即座に急加速してくれれば助かるのだが、トロトロと加速され前方をふさがれ急減速を余儀なくされる状況は非常に危険である。最近はそんな危険な運転をする人が増えたように感じるが、これは運転者の問題と電子スロットルの制御にも関係があるように感じるのは私だけでしょうか。一般車にもECOモード用のボタンが設置されている時代であるが、燃費だけを考慮して常時ECOモードではなく、状況を考慮して各モードを使い分けるのがベストな選択。インターチェンジ等の合流や、先ほどの幹線道路への合流などは素早い加速(応答性)が安全に繋がる。プリウスの場合はPWRモードを選択しておけば一般レベルの加速を得ることができる。しかしながら、シビアな目で加速を検証(あくまで感覚であるが)した場合、アクセルを踏み込んでから、加速に移るまで「一瞬の間=タイムラグ」を感じてしまう。言葉で表現すると「ゥゥゥウィーギュィーン」とでも書けば少しは伝わってゆきますか?右折時では対向車が高速で走行してくる状況下であれば、このタイムラグが少ないほど安全性は高まる。この辺りの安全性については、あまり語られていないのは「急加速=悪い運転」みたいな風潮を感じてしまうからなのか。アタックレーシングのプリウスは、各部の抵抗を低減させたり、エンジン性能を高めることにより、このアクセル踏み込んだ際の、タイムラグを少なくしてゆきたい。具体的には各項目で詳しく結果を報告いたします。

3-1-2 estremo D1塗布

 「ブレーキをメンテナンスする」という発想は弊社のクイックブレーキ・ドラッグ・ワン(略称:D1、以下D1と記載)が17年前に新発売されるまで自動車業界に存在しなかった。現在は一般ユーザー向けとして、マジカル・ストップ&増量タイプのマジカル・ストップ・エクストラが姉妹品として存在するだけである。新品のブレーキはエンジンやミッションと同様に馴らし運転が重要。パッドとローターが完全に当りがつくまでは本来の制動力は得られない。新車が納車されたらボディコートと同様に、D1を塗布して「良好な当り具合」を作り出すことが大事。

初めて使用する方は「一度塗ったら何km持ちますか?」となりますが、塗装と同じで最初の内は走行したら塗るを繰り返すことにより、ローター表面がピカピカに輝いてくる。この作業が不十分だと強く当っている部分と当っていない部分がハッキリと浮き彫りになってくる。新型プリウスにD1を塗り塗りして走行した所、新しい発見をした。通常の自動車のブレーキ配分(ブレーキの受け持っている割合)は、フロントブレーキが70〜80%、リヤブレーキが20〜30%という配分である。だからフロント・パッドを2〜3回交換で、リヤ・パッドは1回で済む。この割合から、フロント・ローターは短期の使用でピカピカに輝いてくるが、リヤ・ローターが輝くには少し時間が掛かる。車と人によっては輝かない場合もある。走り屋と呼ばれるような運転をする人の車は、リヤ・ローターもピカピカに輝いてくる。私は、常にそこを観察している。新型プリウスの場合は、正反対で、少し走りこむとリヤ・ローターはピカピカに輝いてきたが、フロント・ローターは、なかなか輝いてこない。

ピンと来た方も居るでしょうがフロント側は回生ブレーキがかなり効いていることがこの現象から推測できた。つまり、D1の活躍具合が少なく、リヤは、しっかりと大活躍していることが解った。その回生ブレーキのお陰もあり、車両重量が重い割には減速感は強い。一般の人であれば、燃費重視の走りをする人ほど、回生ブレーキを多用する傾向を示すので、更にローターとパッドは強く当らない。すると青空駐車などで、しばらく使用しなければローターは錆だらけとなり、走り出しで異音が発生したり、ブレーキ時に「ザザーッ」という感触となる。つまり、なかなか錆が取れにくい車と言える。こまめなD1塗布の恩恵は、錆の抑制と、ブレーキパッド&ローターの磨耗抑制となって現れるのだが、目先の変化ばかりに注目する人は「効果なし」と見逃してしまいがち。プリウスの場合は回生ブレーキがブレーキ効き具合に、かなり貢献しているため、D1塗布による真綿で締め付けるような感触や滑り込み防止効果、ブレーキタッチの好感触等は従来車ほど感じない。主に錆抑制や鳴き防止、パッド&ローター磨耗抑制効果があるので、D1を使用するメリットは感じる。