3-2:測定 
 プリウスのメーター(エコドライブモニター)は固定式ではなく、ステアリングに設けられたスイッチを指で押すことで表示を変更できる(GTLに標準装備)L仕様以外はHDDナビゲーションシステム、インテリジェントパーキングアシストとセットでメーカーオプションとして注文できる。私がGTLを選択した理由のひとつに、このシステムとフロントウインドシールドガラスに、ナビ情報やスピード表示が映し出される最新技術のヘッドアップディスプレイに魅力を感じた。納車されての走行ではナビの車線方向の表示が役に立っている。各社のナビゲーションを使用してきたが、一番便利な機能として、交差点の約30メートル手前になると「ポン、ポン」と2回音が鳴り知らせてくれる。音声で「もうすぐ○○です」と言ってくれるよりも解り易い。
 エコドライブモニターには大きく分けて3種類の表示を切り替えることが出来る。


1:「ハイブリッドシステムインジケーター画面」
 私は、走行中ほとんど、このモニターを使用している。この画面ではアクセル踏み込み量に応じてバーグラフが左から右に伸びてくる。回生ブレーキによる充電量も読み取ることができる。また、TRIP表示させれば、走行距離・燃費・平均速度が表示されるので非常に便利だ。
2:「エネルギーモニター画面」
 納車直後は、おもしろがって使用していた。エンジンが始動してバッテリーに充電を始めるとオレンジ色の矢印が表示されることで把握できる。モーターにより駆動される場合も矢印で表示されるので、現在の制御状態がモニターで監視できることになる。でも、もっと奥深い制御が知りたいとなると、実はこのモニターでは表示されていないことが解ってきた。この車にはタコメーターは装備されていない。今現在、エンジンが何回転で回っているのかは、メカ好きに限らず細かいデータ把握する際には必要不可欠と言える。
3:「1分間燃費・5分間燃費・燃費履歴画面」
 この表示は走行中でも表示できるが安全運転のためには、目的地に到着した際、渋滞中、帰宅してから表示させる確認することになる。簡単に表示の切り替えが可能なので、機能が無い車より、とても便利な機能である。この表示を見てしまうと、自然とエコ運転指向が芽生えてくる。燃費はタイヤ空気圧など車両側の味付けでも大きく変化することは勿論だが、プリウス(ハイブリッド)は「運転テクニック」で大きく燃費が変化する特別な車である。長年にわたりプリウスを運転され燃費を追及してきた人達の情報交換は盛んで、その人達だけに通じる「滑空」とか「アクセルポン暖機運転」とか、プリウス特有の運転テクニックを身につけることで高燃費をマークすることができる。私のHPでは燃費は測定しているが、データとしては記載しない。その理由は、最後まで付き合って頂ければ自然と明らかになってくるだろう。



3-2-1 タコメーター取り付け
 理想的には、故障診断コネクターに接続することで、たくさんの情報を読み取る機器が欲しい。いずれは発売されるのは間違いないところだが、とりあえず、タコメーターが欲しいと思った。モーターとエンジンがどんな連携で制御されているのか3種類のモニター画面切り替えでもエンジン回転数が見えてこないと本当の所は解らない。そこでネット検索で探してみると、Pivot製、型番PT6HX 定価20790円が見つかった。結果的には15592円という割安価格で購入できた。早速、取り付ける。ハンドルコラムの上側空きスペースにマジックテープを貼り付け、取り付けてみた。配線は簡単で、助手席側のグローブボックスを取り外し、説明書記載の車両側コネクター配線に1本の線を接続するだけ。電源はシガライターソケットに差し込むタイプが付いてきたので、簡易的にコンソールボックス内に設けられたシガライターソケットに差し込んで取ることにした。だが、いずれは電源線を探して引き直さなければならなくなってしまった。このソケットは出来が悪く、差込が非常に固いために、1度差し込んで、いざ引き抜こうとするとプラスチックのネジ山部分だけが抜けて金属が剥き出しなってしまったのでショートして配線が燃え出す恐れが出た為、慌ててしまった。結局は、残った金具部分をプライヤーで摘んで引き出さなければならなくなった。取り外しさえ行わなければ問題は出ないが接触不良を嫌ったのか金具のスプリング力が強力過ぎて外側の樹脂の強度が負けてしまっている。タコメーター設置場所をハンドルポスト上に取り付けてみたが、走行中に目線を落とさなければタコメーターを読み取ることができない。これは非常に危険だと判断し、設置場所を前方のダッシュ盤上側に移設した。移設はとても簡単でマジックテープを接着面から剥がし、設置場所に貼り付け、タコメーターをポンと乗せれば終了。この方式は万が一、車両を売却する際には簡単にマジックテープを剥がせて痕跡が残らないで済み便利。これで前方を見ながらでもタコメーターを読み取ることが可能になり、次のような制御が確認できた。
1:ブレーキを踏んだままパワースイッチをONするとハイブリッドシステムが起動する。すぐにアクセルペダルを踏みこめばエンジンが始動する。これが「アクセルポン」の燃費アップテクニックであり、約1分〜1分30秒(エアコンOFF)でエンジンが停止(各種条件で変化する)アクセルポンしないと勝手にエンジンが始動するが、その場合は1分30秒〜2分(エアコンOFF)と長くなる。その際のエンジン回転数はメーター表示で1300rpm(ネット情報によると1280rpmらしい)を表示する。Pivot製タコメーターはアナログ式なので1300rpm
表示となる。最近の車は触媒の機能を高めるため早く暖機が終わるように回転数は高めに設定されている。特に、ドライスタート(長期間エンジンを始動しなかった場合、オイル付着が低減する現象)が予想される場合はエストレモX1が活躍することになりそうだ。プリウスのエンジンは停止=始動を頻繁に繰り返すので過酷だという意見もあるが、もっと正確に解説すると「高回転を回して損傷劣化するような過酷とは異質で、低回転領域を水温低下状態で頻繁に使用するのでスラッジが発生しやすい。お買い物などのチョイ乗りやトロトロ運転する環境に似ている。実は、違った意味で、このようなエンジンの使い方はシビアコンデションとなる。最も燃焼に最適な使用条件とは最大トルク付近で、水温は85℃前後がベスト。しかしながら、そんなベストの条件は、なかなか存在しないことが確認できた。従って、ハイブリッド車とはいえ、初期型(10・11型初代プリウス)で、約10万km走行前後から、エンジンのノッキングが発生するケースも目にする。恐らく燃焼の条件が悪くカーボンが燃焼室内に蓄積したためのノッキングであろう。メーカー指定のエンジンオイル交換距離は15000kmとなっているが、カーボン抑制対策として「安いオイルをこまめに交換」することもプリウスなら有り得る。
2:平坦路では加速以外はモーターで走る機会が多いが起伏のある道や、登坂路になればエンジンは始動し、アクセルを強く踏めば3000〜4000rpmは回る。最高回転数まで回そうとするとアクセルは踏み続けないと到達しない。ちなみにカタログスペックの最高回転数は5200rpm/99PSである。1800ccながら燃費指向型で出力は低い。燃費に気を使ってアクセルを強く踏まなくとも3000rpmは、回ってしまう。タコメーターを装着する前は、弊社のエンジンオイルの活躍する出番は、もっと少ないかなと予測していたが、これだと使用する価値は充分に出てくることが判明した。
3:高速道路でクルーズコントロールを100km/hにセットした。平坦路走行だと、エンジン回転数は1000rpm,道が登り坂に差し掛かると、速度は一定のまま、エンジン回転数だけがグングン高くなってゆく。坂の勾配にもよるが一般的な高速道路であれば1000〜3000rpmの間をゆっくりと上下する。長年、自動車を運転してきたが、速度は一定でエンジン回転数だけが変化するのを見ているのは時代の進歩の流れを痛感し、技術の進歩に感動させられた。
4:坂道を下る場合、ブレーキを踏んで回生ブレーキを効かせるか、Bレンジに入れてエンジンブレーキを効かせる。バッテリーが満タン(レベル8)にならない状況ではタコメーターは回っていても「エネルギーモニター画面」にするとエンジンからの矢印は見られない。つまり燃料は噴射していないことが解った。急な下り坂を長時間下ると、充電が継続的に行われるため、やがてバッテリーは満タンに溜まる。すると回生放棄と言って回生ブレーキが作動しなくなる。すると回生ブレーキ分を補うために、一般車と同等なエンジンブレーキを必要とするためエンジンが始動(燃料噴射)する。すると、「ギャワワ〜ン」と、それまで静かだった室内は突如として大きな騒音に包まれる。初めて経験すると、それまでの静かさが一変するため、結構驚かされることになる。人によっては「エンジンが壊れそう」とか「どこかおかしくなった」と思うかもしれない。同じような経験は、新車のマーチで箱根に行った際、プリウスに近い経験をしている。マーチの場合は0W-20の省燃費オイルが原因で、柔らかいオイルにX1を添加してみたがメカニカルノイズに関しての改善度合いは少なく粘度の影響が大きいことが確認できた。そこでGPX1-5W30に変更することで大幅なノイズ低減が得られた。純正0W-20は燃費を稼ぐ柔らかい粘度だから、当然ながら油膜は薄い。メカニカルノイズは油膜が厚くなると、ある程度静かになる(勿論、裏に隠された総合性能も重要であるが・・・)従って、急な長い坂道を登り下りしなければ、柔らかい0W-20使用でも大きな問題は起きない。反対に、逆の使用条件が多ければ5W-30または10W-30粘度に変更することが有効な対策となるだろう。ここは順序を追って確認試験を行ってゆく予定です。結果が出ましたら、最終的なまとめで報告してゆきます。
5:「ハイブリッドシステムインジケーター画面」を表示して発進すると、アクセルを強く踏み、真ん中の線を越えるとバーの色が変化する。この真ん中の線を越えるとエンジンが作動する。発進テクニックとして、いつまでもジワジワ踏むのは渋滞時には良いが、普通の発進であれば法定速度まで、普通の車と同じようにアクセルを踏み込んで加速したら「ポン」と足を離す。すると条件にもよるがタコメーターの針が停止、エンジンが停止したことが確認できる。アクセルを「ポン」と離すと、普通の車のように「サーッ」と流れるような走行は出来なくて、回生ブレーキが効くためにガクッと速度が低下してしまう。エンジン停止を確認したら、バーが真ん中を越えないように少しアクセルを踏み込み速度を調整するとモーターのまま走行できる。そのためにはバッテリー残量がある程度あることと、平坦路、速度が高速道路ほど高くないなどの各種諸条件が揃わないとできない。この「ハイブリッドシステムインジケーター画面」プラス「タコメーター」の組み合わせは、燃費運転にもスポーツ走行でも非常に役に立つのでタコメータ取り付けを推奨したい。
6:高速道路を普通の走行速度で走行中は常にエンジンは回転している。追い越し車線に出て追い越しをする際は、道路状況(登り坂、平坦路、下り坂)とアクセル踏み込む具合により、最高回転数は大きく異なってくる。場合によっては3600rpm前後をずっと使うことが解った。3000rpm以上の回転数の領域であれば当社の「極」や「轟」グレードの性能が生かされるが走行性能のアップよりも燃焼改善、耐久性向上など体感で得られない部分での貢献度は高いと思われた。但し、プリウスを愛して10〜20万kmと距離を伸ばした時に、改めて真の良さを噛み締めることになるだろう。しかし、平坦な市街地を燃費走行している車ではエンジンメカニカルノイズの軽減が最大のメリットとして感じられ、高速道路、登坂、下り坂を従来の車と同じような乗り方をする人にとっては、従来車と同様に数多くのメリットが生まれそうだ。燃費だけは他の車と違って、運転方法や運転テクニック、諸条件で大きく左右されてしまうため正確なデータを取ることは至難の業であり、あまりあてに出来ない。長い期間に渡ってデーターを積み重ねてゆけば貢献度も判明してこよう。
プリウスの制御は複雑であり緻密である。水温も大きな制御のウエートを占めているように感じる。冬季はヒーター使用により、エンジン暖機が必要となる状況では、当然のことだがエンジンは暖機目的で始動するので燃費悪化を招く。短時間で暖機終了となれば最適であり、estremoLXをLLCに添加することが冬場はかなり有効ではないかと推定できる。プリウスはエンジン冷却用(容量7.2リットル)と、パワーコントロールユニット冷却用LLC容量2.1リットル)の2系統に添加することが更に効果的と思われる)
7:普通の車のように、エンジンを高回転まで回そうとしても一般道路では難しい。急な勾配で見通しの良い登坂車線が長く続く場所で(実際の登坂路ではカーブが連続する)アクセルを強く踏み続けない限り、5000rpmまで回らないのである。後は高速道路で制限速度を遥かに越える速度領域まで踏み込まない限り、エンジンは高回転まで必要としない。だからこそ、それがハイブリッド車の制御と言えるのだ。モーターとエンジンとの主従関係で見てゆけば、モーターが主人でエンジンは補佐役である。インサイトは反対で、エンジンが主体であり、力を必要とする状況でモーターが補佐する。従って、プリウスで馬力アップを図っても走りの性能に反映されることは極めて少ない。だから、マフラー交換によって、仮に10馬力のパワーアップが図れたとしても体感では違いが解らないとしても何の不思議でも無い。同様に従来のエンジンチューニングアイテムでも似たりよったりだと推定される。プリウスの走行性能はアクセル制御(出力制御)でほぼ決まってしまうので、スロットルコントロール装着が最大のチューニング効果を生むことは間違いあるまい。後は、各部の無駄な抵抗軽減(ミッションX1添加)や軽量化(軽量ホイール交換)、タイヤ空気圧アップによる転がり抵抗の軽減など、こまかな煮詰めを盛り込んでゆくことになる。

結論としては、タコメーターはスポーツ走行に不可欠なアイテム。これがハイブリッド車だとしても、タコメーターが装着されていると「走っていて楽しい」これが藤澤の結論である。後は水温計が欲しくなってきた。トラストから発売されている、インテリジェントインフォメーターTOUCH(タッチ)定価41790円(税込)が最適、NHW20型の2代目プリウスは設定されているが新型プリウスは開発中であり、発売が待たれる。この機器は故障診断コネクターに接続するだけで、車種により異なるが約10項目のデーターを表示できる。2代目プリウスNHW20型では、回転数、車速、点火時期、水温、スロットル%、吸気温、吸入空気%、インジェクターms,インジェクター%、パワーPSなど、実に23項目のデーターを読み取ることができる。早く・・欲しい!!