1:元ニスモメカニックがなぜプリウスを選択したか
1-1 時代は新しい時代にシフトした

 自動車の若者離れがマスコミで話題になり始め、追い討ちを掛けるようにリーマンショックが世界中を襲った。また、原油価格上昇に伴い一時期、ハイオクガソリンが何と185円と目を疑う価格まで急上昇した時期もある。このように原因はひとつだけではなく複雑に絡み合って景気の負のスパイラルとも重なり特に自動車業界全般にわたり時代は大きくシフトしたと実感できる。若者の車離れにしても、自動車が豪華装備や安全装備満載で大きく重くなるのに伴って価格も上昇の一途を辿ってきたことも原因のひとつに挙げられるし、ネット社会の普及拡大に伴い、自動車に対する魅力が半減しているのかもしれない。若者が好む小型で割安でスポーティな車が少なくなったことも響いていよう。この他にも人それぞれ理由は異なるだろうが少し前までの「就職したら真っ先にマイカー購入」という若者の夢は通用しなくなったことだけは確かなこと。その裏には環境問題も大きく影を落としている。車の排気ガスはエコを考えると否定的に捉える要因となる。そんな時代にピッタリと当てはまるかのように登場したのが「新型プリウス」まさに時代が求めている環境指向に合っている。私自身は新しい技術に絶えず興味をそそられる性格であり、初代プリウスが発売された当時から興味を持って眺めていた。しかし、初代は細いタイヤで燃費を稼ぐタイプであり、新しい革新的技術の登場でもあり、車好きから見た走りの魅力度は少なく購入するまでには至らなかった。2代目プリウスは熟成進化して登場し、更に魅力的ではあったが、私は当時、古いフェラーリ328を購入して走りを楽しんでいた。2代目プリウスもマイナーチェンジを受け(後期型)更に魅力を増していた。そして更に熟成した3代目の登場が伝えられ、先に述べているように、時代のシフト、環境問題、新しい技術の確認、好奇心などがミックスされ注文を決意した。


1-2 今、現在、そして一歩先を考えると

 時代は絶えず変化してゆく。丁度、明治時代に大きな産業革命が起きたのと同様に、自動車業界にも産業革命が到来した。ハイブリッドのみでなく、電気自動車(EV)、水素ガス車、燃料電池車と模索は当分続いてゆく。家庭用電気で充電できるプラグイン電気自動車も続々と登場してくるが航続距離から考えると、奥様方のお買い物などシティカーとして普及するだろう。エコを意識する行政機関、タクシー業界などでも試験的導入が開始される。一般的用途では航続距離などの問題から、ハイブリッドが好まれる時代がしばらくは続くと読んだ。選択としてはインサイトも候補に挙がったが、ハイブリッドシステムの熟成度と先進性を考慮すると新型プリウスに1日の長があると判断した。燃料電池車が究極に近いと思われるが普及するだけの販売価格と熟成度で世に出てくるまでには10年から20年掛かると言われている。


1-3 estremo製品の効果と新製品開発

 ご存知のように創業以来、絶えず改良を重ねながら性能向上に励んできたが時代も自動車も大きくシフトを始めた今日、現行のestremo製品が時代の先端を走るハイブリッド車にどのような効果をもたらし活用できるのか検証する必要性が出てきた。また、ハイブリッド車にピッタリと適合し、より確かに貢献できるよう改良したり、新製品の開発も抜かりなく実施する必要がある。